1話 出会い
「募集しているパーティはあるかな…」
募集一覧を見てみたが、あるのはほとんどが始めたばかりの初心者パーティだ。さすがに初心者の中に入るのは気が引けてしまう。
どうしたもんかな、と悩んでいたがもしかしたらまだ貼り出されていない募集があるかもしれないと思い受付に聞いてみることにした。
「あのーすいません、貼り出されている他にもパーティ募集ってありますか?」
「そうですね、確認しますので少々お待ちください。」
そう言って探し出してくれたが、
「申し訳ございませんが無いようですね…」
「わかりました、ありがとうございました。」
そう言って受付から離れようとした時、後ろから声が聞こえた。
「ちょーーと待ったあ!あなた私のパーティに入らない?」
振り向いてみると、小柄な少女が笑顔で俺を見ている。
「えっと…どなたですか?」
「私はアズライト。Bランク冒険者をやっているの。あなた見た感じ強そうだしパーティを探しているなら私のパーティに入ってくれない?」
「俺はノルンだ、前のパーティは追放されてしまったような無能だがそれでもいいのか?」
半ば自嘲気味にそう言ってみたが、少女ーーアズライトは
「そんな事気にしないよ!私ずっと1人でやってきたし、あなたみたいな剣士が欲しいとずっと思っていたの!」
と太陽のようなにこにこ笑顔で返してくる。
え、というかずっと1人でやってきた?何気にすごい事言ってないか?普通は4人で1パーティのはずなんだが。
なんで1人で…と聞こうとしたが追放されたと言われても深く聞こうとしてこないのだから、俺が聞くのも野暮だと思い、
「こんな俺で良ければよろしくな。」
「もちろんよ!目指すはSランク冒険者ね!」
とこんな調子で新しいパーティが決まった。
「じゃあまずはゴーレム辺りを倒しに行きましょうか!」
「ゴーレムか…物理攻撃が効きにくいが大丈夫か?」
もちろん過去に倒したことがあるがゴーレムは石で出来ているため剣が通らずほぼ魔術で援護して貰いながら倒した記憶しかない。
「大丈夫よ!私を信じて!」
そう言われたら信じるしかないな。ただ若干の不安を覚えつつモンスターのいるエリアへ向かった。