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これは…ひょっとするといける?

ループものの真髄は如何に試行錯誤の様を描くかだと思ってる。

全部書いても冗長、私みたくまとめ過ぎても物足りない。申し訳ない。


あと短いのはほんとすいません。




 人の家の火災なんてどうにも出来んわ。詰んだ詰んだ。



 ちなみにまた数回のループを経て分かったことだが、バン潰れENDの場合、木崎家は火災にならない。そらそうだ。娘が死んだって時にのんきに天ぷらなんか揚げない。


 やっぱり木崎を殺す運命力が働いているとしか思えない。



――――――――――――――――



「…あのさ」

「うわああぁぁぁん!」

「………」

「いっったいよぉぉぉお!」

「端から助ける気もなかったし。そう考えると十分やったろ俺」

「うわああああああ!」

「………」

「うええぇぇえええぇん!」

「………」

「お兄ちゃんは」

「うおい急に喋った」

「優しいんだよ」

「………」



 初めてだった。


 この女の子から手を伸ばされたのは。


「次、進展がなかったら諦めるから」


 俺はその手を取った。



―――――――――――――――――



「明石くん…これ分かってたの?」

「ちょっとだけ未来予知ができるんだ…って言ったら信じる?」

 半信半疑、という顔だが構わず続ける。

「まあどっちでもいいけど。ただ今日の夜、木崎の家が燃える。天ぷら揚げてて鍋から火が出る。死にたくなかったら気を付けて」


 お前今日死ぬよなんて突拍子もない話を信じさせるほど、話術もなければ親しくもない。

 そもそも俺に木崎を助ける義務なんてない。


 だから本人にぶん投げた。


 これでもう俺の知ったことじゃない。


 端から諦める気満々だ。



―――――――――――――――――



 翌日。

 朝のホームルーム。


 が始まらない。何で? もう時間をかなり過ぎたが担任は現れない。


「先生遅いの、やっぱ朝の事故せいかな」

「バスが横転したってやつだろ。うちの生徒も結構乗ってたってな」

「木崎と倉敷もそれかな?」


 まあうん、そんな気はしてた。



 急な斜面を開いた道を走っていたバスは、横転したどころか崖の下に転がり落ちたらしい。

 十三人が死亡、二十六人が重軽傷を負う大事故だった。

 勿論というか、木崎は死亡の方にカウントされた。


 ちなみに、昨夜、木崎家は燃えなかった。

 俺の忠告を聞いて自分で防いだのだろう。


 これは…進展だよなあ…。残念だ。

 でも。


 そうか。自分で防げるのか。それなら。



――――――――――――――――――



「明石くん…これ分かってたの?」

「未来予知できる。んで、木崎は今日か明日で死ぬ。まず今日の夜天ぷら作ってて家が燃えて死ぬ。火事を防いでも、明日の朝バスが崖から落ちて死ぬ。バス以外で学校に来ても、武装集団が学校を占拠して死ぬ。死にたくなければ明日学校サボってくれ。ただ家にいても、近所が火事になって燃え移って死ぬ。外に出ても、繁華街の方だと隕石が落ちてきて周囲二キロほど巻き込んで死ぬ。シェルターかなんかに避難してくれ」

「絶対嘘だ!」


 全部ほんとだ。俺だって毎回びっくりだ。


 木崎が回避するほど、被害の規模は大きくなっていく。

 ちょっと面白くなってきた。



――――――――――――――――




 更に二十回近くのループを繰り返して。


 やっぱりどうやっても木崎は死ぬ。

 様々なルートを試してみたが、どれも最後には「予め分かっていても回避できない死因」にたどり着く。隕石とか避けようがねえ。


 そして、気付いた。


 多分、俺は死なない。 

 観察のために木崎に近付いていても巻き込まれない。ギリギリで生き残る。隕石すらやり過ごした。



 これは…ちょっとモチベーション湧くじゃないか。

今更ながらこの話、元ネタがあります。タイトルは忘れたけど。

似たようなループもので、死ぬのは主人公の親友、どんどん被害が大きくなると知って主人公は泣く泣く諦めるという流れでした。

私にとって初めてのループもので、なかなかの衝撃でした。


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