表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/18

非ウェーイがウェーイに話しかける辛さをウェーイは知らない

短い…読んでくれてる人がいたら申し訳ない。



 多分30回過ぎたくらいのループ。



「ありがとう。お兄ちゃん優しいね!」


 今までと違って女の子はまだ手を離さない。

 心なしか強く握ってる? 大した握力ではないのだけれど。


「………」ニコニコ。にぎにぎ。

「………」

「………」ニコニコ。にぎにぎ。

「…分かったよ、なんかしてみる」


 パッと手を離して走り去っていった。



 はぁ。めんどい。



――――――――――――――――



 と言っても、大した話ではないのだ。

 バンの通り道からセーラー服一つどかせばいいだけ。


「あの…そこさ…」

「明石くん? 何?」

「えっなん明石、桜子に告白!?」

「ええ! 私達あっち行こうか!?」

「もう二人とも! 違うよね。それで何?」

「いや…だから…もうちょっとこっちに」



 バンが木崎をかっさらっていった。



 ………めっちゃムズいじゃんこれ!



――――――――――――――――



 十回ほどトライして分かった。話してどけるのは無理だ。



「ちょっと明石くん!? えっ何!? ちょ怖いって!」



 ほんの3メートル引っ張って手を離した。


「まじでなんなの? えっこわ」

「ごめん。いい加減めんどい」お前らのノリがな。


 あとの二人もこっちに来て三人でなんか言っているが無視して交差点の向こうを見やる。

 そろそろ…来た。念のため木崎からは距離をおく。いやだって、ねえ? 妙な運命力を発揮するかもしれないし。


 灰色のバンは赤信号を無視して交差点に侵入、左から突っ込まれて進行方向を曲げ。


 横断歩道のギリギリ、つまり今までと同じコースを通過してクラッシュ! よっしゃあ!


 木崎にも目を向けるが口を半開きにしたアホ面でバンを見ていた。

 運命力でバンと壁に挟まったりしていない。よっしゃあ!


「明石くん…これ分かってたの?」信号が青に。帰ろ。

「車には気をつけろよ」スタコラサッサと。



 長かったループもこれで終わるはずだ。

 …フラグっぽくなった。終わるよね?



―――――――――――――――――



 翌日。朝のホームルーム。


「ええ、知っている人もいるかと思いますが」ちょっと待て「昨日クラスの木崎さんが火災で亡くなりました」火にも気をつけろよぉ!



 校門前には赤いランドセルが転がっていて。



 交差点ではバンがセーラー服を潰した。



 ループは続く。フラグだった。

音が好きです木崎桜子

声に出して読みたいキサキサクラコ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ