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拓 (迷子

「まったく!本当にダメダメなメンバーだな!!」


城下町の裏通りを歩きながら拓斗が口を尖らせる。

大通りからいくつか横道に入ると迷路のように入り組んだ裏路地が出現する。

その裏路地は呑み屋や風俗、禁忌魔術結社、あまりおおっぴらには出来ない仕事引き受け所など

怪しげな店や屋台がごちゃごちゃと密集している。

夜ともなればそこは無法地帯だが今は真昼間だということもあり喧騒などは無い。

ただたまに路上で吐いてる男や道端に転がっていびきをかいている老人や髪にいくつもカーラーのようなものをくっつけてブラブラ歩く女などがいるだけである。


そんな裏路地をズンズン進む小学生。

ただ目線は忙しなく左右に揺れ、ぴよよーんと鳴くおもちゃの剣を持つ手がかたい。

       

「まったく!あいつら本当使えねーよ、だから嫌だったんだ…」


強い語調とは裏腹に眉は下がり気味だ。



「つったく…3人もいっぺんに迷子になりやがって」


しかたねーなぁ、探してやるか…

と 震え気味のセリフを吐く。




――――――どうやら拓斗は迷子になっている様子。



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