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始動

「ふうん…。『裂け目』については大体理解したわ。」


眉間に皺を寄せてアケミが腕を組む。


「ところでお姫様、さっきのメイドさんがそろそろ戻ってくるんじゃないの?」



「あっ!そうだわ、大工のティンゼンさんを呼びに行く時間を考えてもそろそろ戻ってきてしまうわ!」


姫君はあわてて立ち上がり廊下を覗く。


「じゃあ姫様、とりあえず僕等は別の部屋に移動するよ。色々決まったらまた来るね」


三つ子も立ち上がりどの部屋に行くか相談しているので7人も荷物をまとめる。

白いフードを被ったオバQコスプレ軍団、もとい集団妊婦に化けて姫君の私室を去る際、拓斗が一人残った姫君に訊ねる。


「お姫サマはさー、どっちがいい?」


「え?」


宝石のような蒼い瞳に困惑の色を浮かべ姫君が首を傾げる。


「だからさ、オレ達が色々聞き込みとか調べたりとかして『裂け目』をぶっ潰す事を優先するのか。そんなの後でもいいからお姫サマの友達…なんだっけコーシャクレージョー?を探して誘拐した奴ボコるのとさ。」


拓斗がまっすぐ姫君に向き直る。


「お姫サマはお姫サマだから城抜け出して助けに行けないんだろ?でも本当は心配なんだろ?そりゃ、兵隊がみんなで探しに行ってんだろうけどサ、人数は多いほうがいいんじゃね?」



「拓斗、それあんたがやりたい事なんでしょ…」


七瀬があきれる。


「でも、お姫様がそうしたいなら私も誘拐犯探しに協力する。友達が誘拐されたらやっぱ不安でしょうしね」


姫君は少しの間瞳を伏せていたがすぐに顔をあげる。


「ええ…アンジェリカは数少ない歳の近い友人なんです。彼女はとても頭が良くて気丈な人だから恐らく無事でいると思うのです。それに魔術師のポリー・ポリーがすぐに動いたとも聞いたので。大丈夫だって信じているけれど…」


「待つことしかできないってのはキツイわよね」


アケミがふわりと笑う。


「ぼ 冒険の最初のイベントは盗賊とか山賊を退治することが多いんです!倒した事によって新たなイベントが発生するんです!!」


安藤泉がミシェルをぎゅっと抱しめる。


「ウフフ、初めての救世主活動は『公爵令嬢を助け出す」ですね』


腕がなるわぁ とかやす子がはしゃぐ。



「みなさん、よろしくお願いいたします」


姫君が王族がする最高級の礼で頭を垂れる。




「「「「「「「もちろん」」」」」」」



オバQコスプレ団体・もしくは集団妊婦、しかしその実態は異世界から来た救世主などというとてつもなく胡散臭い肩書きの7人は今、やっと具体的な活動を開始した。



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