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飛ばされまして……  作者: コケセセセ
再開と洗礼
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戦いの終わり

「キリュウ君、心から礼を言わせてくれ……ミーナちゃんを脅威から守ってくれてありがとう」

「当然の事をしただけです国王様。ミーナにアレは早過ぎます」

「ちょっと、一体何の話をしているのかしら? 会話の中に名前だけ出しておいて、私には説明が無いなんて不本意なのだけれど」

「ミーナ、世の中には知らなくていい事が多くあるんだ」

「……もうっ」



 紳士をボロンしてた【地帝】は、炎の龍に乗って文字通り飛んできた国王様にしょっ引かれた。国王様曰く「ミーナちゃんに危害がありそうな気配がした」らしい。もうお父さんの鏡なのか、行きすぎた愛情なのかわかんなくなってきた。



 そんな国王様に容赦なくしょっ引かれた【地帝】だが、今は何故だか幸せそうな顔をして簀巻き状態にされている。……何か寝言みたいなことも言ってたけど、聞いちゃいけないと判断して距離を置いている。



 そんな【地帝】に担がれてきた冬馬は、回復魔法を施した今もまだ眠っている。外傷は一通り治せたけど未だに目を覚ましていない。でも顔色も悪くないし、直に目を覚ますだろう。



「どうだったよダイゴ。帝みかどと戦った感想は」



 声のする方を向くと、いつの間にかナックさんが俺のすぐ後ろにいた。



「強かったって事は勿論ありますけど、すごく勉強になりました。魔力の使い方とかも再確認できて、新しい魔法とかも使える様になりましたし……貴重な経験になりました。ありがとうございます」

「うんうん、謙虚な事は素晴らしいねぇー。アタシも"わ・ざ・と"! 負けた甲斐があったってもんだよー」

「嘘つけチンチクリン。マジモードになって負けてたじゃねえか」

「むきーっ! チンチクリン言うなぁ! アタシがわざとって言ったらわざとなんだよナっつん!」

「誰だったかなぁ。"あの状態になるのは真剣になった時だー"って豪語してやがったのは」

「そっ、そんな昔のお話は忘れちゃったのだ!」

「昔って……数年前ならまだしも一昨日の話だろうが……」



 ナックさんの後ろからひょこっと現れた、何やら騒がしい水色の髪の女性――というか【氷帝】。戦闘時に性格が変わるってナックさんから聞いてたけど……別人じゃんか。



 ナックさんと言い争っていた【氷帝】だったが、分が悪いとでも感じたのか、急に俺の方へと向き直り話しかけてくる。



「それにしても、最後の魔法は凄かったねー。まあアタシのお陰で出来る様になったんだと思うけど? もっとお礼を言ってくれていいんだよ?」

「ええまあ、氷帝さんのお陰だというのは間違いないので、お礼は勿論言わせていただきますよ。俺と戦ってもらってありがとうございます。お陰で一つ強くなれました」



 そう言って頭を下げる俺を見て、自身の目を輝かせたかと思いきや、勢い良くナックさんの方へと振り返る。



「ほらほらほらぁ! アタシのお陰って! ねぇねぇナっつん聞いた聞いた? やっぱりアタシのお陰だって! ねぇってばナっつん!!」

「だぁーうるせえ、ちょろちょろすんな! 小動物か己は! それにナっつんと呼ぶのは止めろって何回言ったら――」



 言い争いなのかよくわからない状態からこそっと抜け出す。俺があのまま残っても、なんだか変な空気になるだけだと思うし、これが最善の策だったろう。巻き込まれたくなかったわけじゃないよ? 空気を読んだんだよ?



「桐生大護」

「ゼルとリンちゃんか、どうし――おっと」



 話してる途中でリンちゃんが俺の胸に飛び込んでくる。ちょっと受け止めに失敗して胸部にダメージを負ったのはご愛嬌だ。



「……だいご、とうまは?」



「回復魔法で傷は塞いで、今は寝てるだけだろうからすぐに起きると思うよ」



「……近く行っても、だいじょうぶ?」

「大丈夫だよ、行ってあげてくれ」



 頷いたリンちゃんは寝ている冬馬の方へと駆け出す。微笑ましい光景だ……あれ、でもリンちゃんって俺たちと同い年だったよな? という事は……あれか。冬馬のヤツがモテてるだけか? うわ、そう考えるとなんかズルイわー。



「おい桐生大護。さっきの魔法についてだがァ……」



 でもまて、リンちゃんは確かに可愛いが、恋愛としての可愛さに矛先が向くだろうってそもそも冬馬のヤロウはレイアにも好かれてるんだったわ。なんだアイツ、主人公かよ。



「……おい、桐生大護」



 何で冬馬ばっかりなんだろうか。アイツにあって俺にないモノ……まさか筋肉か? 筋肉が必要だというのか!?



「……おいテメェ、わざとやってんだろォ? あァ?」

「あら、バレてた?」

「ぶん殴られてェのか糞ガキ」

「そんな訳ないだろうたろ兄ちゃん」



 殴られた。そんな訳ないと言った筈なのに何故だ。

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