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飛ばされまして……  作者: コケセセセ
学園の日常
69/148

やせがまんと最後の吐露と、


「あっ!レイアちゃんとトウマくん!」

「おっ、戻ってきたか。ってどうしたんだレイア?」

「あぁ、俺の能力で浴衣と下駄を創ったんだけどよ、慣れない下駄を履かせちまったせいで、靴擦れおきちまってなぁ。それで……」

「いや、それもあるんだが……何でそんなに顔が赤いのかなーと思ってな」

「ん? 顔?」



 大護の指摘を受けて、レイアの顔を見ようとする冬馬だったが、アリアとミーナの二人によって阻まれる。



「アカホシ君。悪いけど、今はレイアの顔は見ないように」

「うん! この顔はトウマくんは見ちゃダメな顔だね! こっち向いちゃダメだよ?」

「いや、言ってくれれば分かるからよ、武器はしまってもらえねえかな二人とも。あと状況判ってないくせにノリで魔法準備した大護はどういうことだろうなぁ」

「いや、楽しそうだったから」

「説教の時間だなぁ」



 アリアとミーナの働きによって、真っ赤に染め上った顔を冬馬に見られずに済んだレイア。そのままミーナとアリアに肩を借りるような状態になり、冬馬の背中から降りる。そして大護と冬馬には聞こえない程小さな声でアリアとミーナの二人に耳打ちをする。



「……!? ダイゴくん、トウマくんっ。私たちはレイアちゃん連れて先に戻ってるからっ! また今度ねっ!」



 急に慌てだしたミーナとアリアの二人に引き摺られるように寮へと戻って行った。



「お、おう。またな……ってもういないし。急にどうしたんだろうな」



 女子たちの態度が急に変わった事に、少々疑問を持った大護が、冬馬へそう投げかけるも返事が無い。



「……? 冬馬……お前までどうした?」



 おかしいと思った大護が振り向いた先には、しゃがみ込む冬馬の姿があった。



「なぁ、大護……俺の顔……赤くねえか?」

「……真っ赤だな。日焼けか?」

「大ハズレ。強いて言うなら……やせ我慢が祟った……ってところだな」



 そう言った冬馬は、頭にハテナを浮かべている大護を置いて、寮へと向かう。赤くなった顔を少しでも隠すように、シャツで口元を隠しながら。






 先に寮へと戻った女子三人。レイアを引き摺りたどり着いた先は、女子会の現場となるミーナの部屋だ。追手が無い事を確認したアリアは、レイアの正面へと座る。自分の心を落ち着かせる意味も込めて紅茶を入れていたミーナも、紅茶を入れ終えてからアリアの隣へと座る。



「じゃあレイアちゃん……続きを」



 顔の赤みもだいぶ引いていたレイアだったが、アリアの前フリを受けて再度顔を赤くする。



「アリア落ち着いて。そんなに急かしたらレイアも話せなくなってしまうわ」

「う……そうだね。ごめんねレイアちゃん。ゆっくりでいいから」



 ミーナに諭されたアリア。その様子を見て二人も何かが変わったなと感じたレイアは、少し気が軽くなったのか、ポツリと話し始める。



「最初は……さ。普通の友達だったんだよね。ううん、友達っていうか……ライバル、みたいな見方をしてたかな。アイツには負けないぞっ! って感じでね」



 紅茶を飲んで一息つく。



「それでね……トーマの本当の強さを知ってからは、目標みたいに見てた。いつかアイツの隣で戦うんだーみたいな」



 「まだまだ全然隣でなんて戦えないけどね」と自虐的な会話も交えつつ、自分の想いを吐露していくレイア。



「トーマとダイゴが別の世界から来たって聞いた時……。最初は信じられないって思ったけど、ダイゴが話してる時のトーマの表情を見たら……本当なんだって思ったんだ」



 実際、大護が地球の話をしている際、冬馬の表情は酷く険しいモノだった。親友一人にそんな説明をさせてしまっている状況と、そうした方が良いと分かってしまう、自分の不甲斐無さを物語った表情だったのであろう。



「あんなに強い人でも、こんな表情をするんだって思ったその時からかな……この人を支えたいなって。そう思った。それで今日、さっき一緒に歩いてて分かった」



 顔を上げたレイアの表情は、晴れ晴れとしていた。



「ウチはこの人の事が……トーマの事が、好きなんだって」



 レイアが話し終えて、部屋に静寂が訪れる。二人の反応が無い事に、レイアが少し不安になる程間が空いた後、アリアがレイアの胸元に飛び込む。わわっ、と言いながらも受け止めるレイア。急な行動に驚きはしたが、自分の胸元で静かに泣き始めたアリアの姿を見て、優しく頭を撫でる。



 アリアの涙が止まった頃にミーナから自分たちも話があると切り出されたレイアは、祭の最中にミーナとアリアが、お互いの心中を確認していた事を聞いた。



 友達同士ながらも恋の好敵手(ライバル)となった二人へエールを送りながら、ここからは自分の番と言わんばかりに、二人への大護に対する想いの質問攻めが始まった。



 女子会の夜は長い。






 ◆  ◇  ◆






「急にどうしたってんだァ? リン」



 どことも分からない場所へ構えられたゼルの研究所。いつものように実験に明け暮れていたゼルの姿があった。普段は自室でおとなしくしているリンが、不意にゼルに対して外に出たいと言い出したのだ。



「……ちょっと……遊びに、行きたい」

「遊びにだァ? ンな事言ってどこへ……?」



 頷いたリンは迷いなく答える。



「メリト。とうまとだいごに、会いに行きたい」


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