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飛ばされまして……  作者: コケセセセ
面会の時
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いざ参らん王宮へ


 あの後俺の部屋を出たミーナだったが、小一時間程で帰って来た。国王様は、始めのうちは断固拒否の姿勢を崩さなかったらしいが、俺と冬馬が"異世界人"であるという話をしたら、あれよあれよと話が進んだらしい。



 勝手に話したことに対してミーナから謝罪もあったけど、話す必要があると感じた上での対応だったのだから、何も問題無い!と、冬馬と二人でサムズアップ。



 そんな昨日から一夜明けた今日。朝から王宮へ向かう為に俺の部屋に集っていた。

 と言っても集ったのは、俺と冬馬、ミーナにリュウの四人だけである。他のみんなにも声は掛けたけど、みんな別の予定があって集れなかった。



「んで。俺の部屋に集まったのはいいけど、どうやって王宮まで行くんだ?」

「そのうち迎えが来るから、その人について行けば大丈夫よ」



 じゃあ俺の部屋じゃなくて良かったんじゃないかとか無粋な事は言わない。だって女の子の部屋に、男三人で上がり込むなんて事出来ないだろう?



「そうね、その通りだから言わなくて正解よ」

「俺は心に思う事すら出来ない体質になっちまったのかっ!! チキショウ!!」

「今更仕方ねぇだろ大護。それよりもミーナちゃんに聞きたい事があるんだけどよぉ。いいか?」



 サラリと傷付く一言を放ってくれた冬馬。ちなみに今は腕立てをしながら時間を潰している。普通に話すのやめて。リュウは俺の部屋にあった紅茶みたいな飲み物を勝手に嗜んでいる。お前等いい加減にしろ。



「アカホシ君からそんな言葉が聞けるなんて珍しいわね。どうしたのかしら?」

「俺に対しての認識についてはこの際良いとしてよぉ。俺たちが"異世界人"だって事を話した時ぁ、本の話なんてなンも出てこなかったのに、何で昨日は急に本の事を思い出したんかなって思っただけよぉ」



 ……話す事に精一杯で、そんな疑問全然出てこなかったけど、確かにその通りだな。



「それは――」



 ミーナが話し始めようとした時、俺の部屋の扉がノックされる。どうやら迎えの人が到着したらしい。



「来たみたい。後で続きを話すわ。今は王宮へ向かいましょう」



 ミーナはそう言いながらノックの主を俺の部屋へ招き入れる。



「やあやあ後輩諸君。久し振りだね」



 現れたのはメリト学園生徒会長兼、メリト王国国王専属の用心棒、カゲツ=ルルフィルさんだった。



「「か、カゲツさん!?」」

「これはこれは生徒会長さん……。いや、用心棒さんの方が今は良いですかね」

「うーん、この学園でその事を知っているのは、この二人とミーナ様しかいないはずなんだけど、何処で情報が漏れたのかな?」

「生憎秘密事が大好きな性分でしてね」

「……なる程。リュウ=フリューゲル君だったね。中々の曲者だ。生徒会に入らないかい?」

「私には荷が重すぎますので」



 二人のやり取りを尻目にみていたミーナから「コホンッ」と咳払いが入る。最後に顔を見合わせた二人だったが、どちらからともなく会話を終了させる。



「ルルフィル、来て早々で悪いのだけれど、王宮への転移をお願い出来るかしら?」

「かしこまりました、ミーナ様」



 跪いたカゲツさんの足元から円形の光が溢れる。その光が俺たちの周りに届いたと思ったら、一気に範囲が広がり、光も強くなった。

 光に耐え切れず目を瞑り、再度目を明けた時には、既に俺の部屋ではなく外に出ていた。



 そして目の前に広がるのは、馬鹿デカイ建物。そして勿論、馬鹿デカイ建物には馬鹿デカイ門があるわけで――



「さて、行くわよ」

「待ていミーナ」



 さも当然と言った様子でその建物の門に近付こうとするミーナの肩をワシッと掴んで止める。



「あっ、ダイゴ君。ここでの立ち振る舞いには気を付けてー」

「え?」



 途端に響き渡る警報。右から左から目の前の門から下の地面から。至るところから老若男女様々な人たちが俺たちの周りに集り、あっという間に囲まれた。その間凡そ十秒足らず。



「ちょぉぉぉぉっとぉぉぉぉおおお!! ナニコレ!? なにこれぇぇぇっ!?」

「キリュウ君落ち着いて。落ち着いて私の肩から手を離すのよ」



 言われるがままミーナの肩から手を離す。そのまま三歩ほど前に出たミーナは、集った人たちへ声を掛ける。



「皆様、心配を掛けてごめんなさい。彼は私のクラスメイトです。危害なんて加えられていませんし、寧ろ私を守ってくれる大切な友人です。ですからどうか気を収めてください」



 ミーナの一声で一斉に散らばる群集。転移して来た時と同じ状態になるまで凡そ五秒。



「――こういう事が起きてしまうから、気を付けてね」

「色々言いたい事はあるんだけど、一先ず鎮めてくれてありがとうとお礼から伝えておく」



 無事に帰れる気がしなくなった。



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