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3話:投資を指南と米国の大学に合格し留学

 相場という手強い相手と闘って勝たなければならない。七郎、お前に、その覚悟があるのか、また勝てる自信があるのかと、すごい形相で言った。それに対し、七郎は勝てる自信があるのかと言われれば、本当のところ、わからない。でも勝つために努力する覚悟は持っていると開き直った様にリチャードの眼を見て言った。


 すると、リチャードが、わかった、投資の勉強をして早く金をつくれ、金がなければ、勝負にならないと言った。七郎がわかった大金をつくるよとリチャードの手を強い力でがっちりと握りリチャードが握り返した。


 話が終わると、あれだけ怖い顔をしていたリチャードの顔が、いつもの、やさしそうな顔に戻った。そして、リチャードは七郎を抱き寄せて、お前を見ていると、昔の自分を見ている様な気がしてならないと、急に涙を流し始めた。


 七郎も実の父親の様にしっかり抱きしめた。その後、リチャードが自分の持ってる、経済の本、投資の本をしっかり読んで勉強するよう言った。その後、七郎は、その本を、むさぼるように読破して内容を理解していった。


 約1年たった、ある日、リチャードが投資対象の10銘柄を提示して、君なら、どの銘柄に投資するか、また、その根拠はとたずねた。するとA社、B社、C社を購入したいと答えた。


 その理由として、A社は、収益率が良い点。B社は、着実で成長性は低いが割安で、高配当。C社は、新しくて面白そうな事に投資しているので買いと答えた。この答えを聞いたリチャードはビックリして思わず、すごいと言い、よく勉強したなと、七郎の頭をなでた。


 ある時、リチャードが七郎に1万ドル投資するから増やしてみろ言った。その後、リチャードが、七郎に投資で、わからないことがあれば、聞けと告げた。翌年1965年、ジュニアハイスクールに入学し、ラグビー部に入り毎日、グランドを走り回った。


 その他、横浜の柔道場に週に2回、練習に通う忙しい毎日を過ごし3年が経ち大学受験の時を迎える事になった。投資開始から翌年には七郎は資産を1万ドルから2万ドルに増やした。この頃にはリチャードが投資を考えている銘柄を毎週の様に、どう思うか七郎に聞いた。


 特に新しい事業をやり始める企業の将来性について七郎の意見を求める様になった。七郎も株投資を初めて3年目で持ち金が、2万ドルが3万ドルに増えていった。そこでリチャードが、さらに2万ドル渡し合計5万ドルとなり、リチャードが、頑張って増やせよと笑って言った。


 七郎は言われた通りに米国に上場して、日の浅い株に、投資していった。1970年になりハイスクールの3年生、進路を考え初めた。するとリチャードが、米国の大学のスカラシップ「無返却の奨学金」の情報を調べた。


 七郎は、3つ大学のスカラシップの試験に応募し、最初の試験を受けて合格して学費は免除された。そして、サンノゼ州立大学にスカラシップで合格して電気工学科に入学した。この頃にはリチャードが投資を考えている銘柄を毎週の様に、どう思うか七郎に聞いた。


 リチャードが、これからは、コンピューターの時代が来るので、良い選択だと、七郎をほめた。羽田から、カリフォルニアに送り出し送り出す時に入学祝いとして、さらに、1万ドルを口座に振り込んでくれ、合計6万ドルになった。


 1974年までサンノゼ州立大学で電気工学のソフトウェアを勉強していた。その頃、日本語熱が米国でも盛んになり日本語教師の家庭教師を掛け持ちで行いながら学生生活を送っていたので、食費、遊興費、本代などを賄う事ができた。そのためリチャードの入学祝い金を使わずにすんだ。サンノゼでの4年間は、学校の勉強と家庭教師で忙しく過ぎ去っていった。


 留学時、一番印象に残ったのは大学のパーティーが派手で美人が多かった事。同じクラスのロサンゼルス富裕層の日系人のお宅で、お寿司や日本料理を、ご馳走になった事。その他は米国人に柔道を教えた事位だった。


 その後、サンノゼ州立大学の電気工学科を留年しないで卒業し1974年「22歳」に日本に帰る事にし、羽田空港からリチャードの所に電話すると君の部屋は、そのままにしてあるから帰ってこいと言われ戻った。リチャードが七郎を見て、すっかり、逞しい青年になったと喜んでくれた。

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