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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
85/211

85ページ目 お腹の子

クロード・プロルクス・ジラール視点


大精霊様?大精霊様だと!?

大精霊様と言えば滅多に人の前に現れず、教会の大司祭様が長い祈りを捧げ立ち寄っていただければ教会を上げて祭りになるほど尊い存在だ。

モイラクイルは大精霊様が良く現れて下さる場所だが、複数の大精霊様が現れたという話は聞いたことが無い。

更にクロの話が本当ならこれから生まれてくる我が子はイフリート様の加護を受けているという。

それなら諸手で喜ぶところだが、クロの顔色は暗い。

! それもそうか今まで自分たちが独占していた大精霊様の加護が我が国に流れるのだ、気分がいいわけがない。

これを機にイフリート様に我が国に居ていただけるようになれば・・・。


「クロード陛下。今、このままイフリート様がジラールに居てくれればとか思いました?」

う!?顔に出ていたか?

だが、これは千載一遇のチャンス!逃すわけにはいかん。

「まあ、勧誘はご自由にどうぞ。そもそも気まぐれで寮におられるだけで、またいつ出て行かれるかは分からないので、それより大丈夫なのですか?」

「何がだ?」

「お腹のお子様とイフリート様ですよ」

この子とイフリート様、どう関係するのだ?

クロの考えが読めない。

「お腹のお子様は生まれてすぐにイフリート様の加護の事が知れ渡るでしょう?それを周りからお守りできるのですか?というのと、イフリート様がこの国に居られるという事はそれなりにトラブルが起こるという事ですよ?理解されておられると思いますが、一応言っておきます。私達の寮でも日常的に問題が連続して起き続けています。寮生のお嬢様方はもう慣れてしまわれましたが、相当な被害が出ています」

「そんな問題が起こっているとは報告には無かったが?」

「もちろん、大精霊様が協力して下さっているという事が大前提ですが、それでも忙しく後処理を続けているのですよ?むしろ私が外出中は何故か大精霊様も付いてこられますので寮内は静かだと聞きます」

「つまり?」

「大精霊様が長い時間一か所に止まられるという事はその地に天変地異が起こる可能性が高くなるという事です。イフリート様の場合ですと、この都市一帯が砂漠になるとかですか」

『さすがに何も無しにそんなことしねえよ!。』

イフリート様が話を聞いておられたようでクロに食いついてこられた。

そう言えばクロは大精霊様の悪口を平然と言っているが大丈夫なのだろうか?

「前にケーキの準備をしていて少し目を離した隙に寮の半分くらい焼されましたよね?」

『あ。アレはまだ人間の基準に慣れていなかっただけだ!。ケーキを速く焼きたかったんだ!。』

・・・

「他の大精霊様とじゃれ合って都市が消滅するくらいの火炎弾を未だにばら撒かれますよね?他の大精霊様達にお願いして結界を張っていただけてなかったらフェリスはもう砂漠化してしまっているのですが・・・」

『う・・・。』

・・・

「でもまあ、最近は皆さん本当に私たちに合わせてくださっているので助かっています」

『そうだろう。そうだろう。』


なんだ、この訳の分からない会話は。

どう見てもクロ>イフリートの構図になっているんだが・・・。

「まあ、確認はこれくらいとしてどうされます?イフリート様。この国に残られますか?」

『いや。クロと帰るぞ?。クロ飯食えなくなるの嫌だし。加護は気まぐれだからな!。』

「な・・・!?」

『それに今までだって結構な数の人間に加護を与えている。皆気が付いていないだけさ。』

「そ、その者たちは何処に!」

『さあ?。適当に与えたからな。わかんね。』

「・・・」

大精霊様の加護を受けた者を集められればと思ったが、そう簡単にはいかないようだ。


俺がそんなことを考えているときゅうっと音がした。

どうやら音の主はイローナ姫のお腹だったようだ。

「めいどおねえちゃん。なにかたべるものなあい?」

「そういえば、お昼がまだでしたね。少し待ってくださいね」

そうやってクロが取り出したのはパン?だった。

普通のパンならば楕円形で周りは固くなってこんがりとした色になっているものだが、クロが出したパンは全て真っ白だった。

パンを切り分けて作ったのか、かなりの手間であろうに・・・。

見た目には少し驚いたが、料理としてはこの国にもある物だった。

サンドイッチ。

まあ、パンを食べる国ならばどこにでもあるであろう料理だ。

パンを切って具材を挟む、お手軽で食べやすい料理だが具材に何を入れるかで争いを生むこともある。

まあ、それはウチだけかもしれないがそんな一般料理をクロが取り出した。

王族にそんな料理を出して文句が出ないのか?っと無限に近い味を作り出すことの出来るサンドイッチを好んで食べている自分(国王)を棚に上げて思ってしまう。


「どうかされましたか、陛下?」

「あ、ああ。姫様に対してその料理はどうなのかと思ったのだが」

私の異変に気が付いたバートが尋ねてくる。

「それなら問題はありませんよ、クロード陛下。お2人の事は丸投げされましたから」

それはつまり衣食住や他の全てをクロに任せたということだろうか、いくら何でも無茶過ぎる気もするが・・・。

「めいどおねえちゃんのおりょうり、どれもおしろのよりおいしいよ?」

そうだった、誕生祭の時の料理を作ったのがクロだった。

つまり、見た目は違うが美味な料理が毎食出てくるという事だ。

城の料理人たちは涙目ダナ。

「じょうおうさまも、いっしょにたべよう?」

「そうね、どれも美味しそうですしご一緒させていただきますね」

「お2人もお嫌でなければどうぞ」

「もちろんいただく!」

クロの料理だ、食べないなどあり得ない。

まあ、サンドイッチなのでそこまで差は出ないだろうがな。

「へ、陛下?」

「せっかくだ、お前も食べておけ」

「は、はい」


用意されていたのは玉子のみの物、野菜、薄切りにした肉の物、それに黄色く薄い何かが追加された物、肉?が茶色い何かで覆われた物だった。

フム、いくつか見た事のないものがあるな。

「あ、後コレですね。皆さんのお気に入り」

な、何だコレは!?

パンにあの、ケーキという代物に使われていた甘い食べ物と果物が一緒になっているだと!?

これは一体、どんな味がするというのか。

「そんなにガン見されなくても、人数分はありますので先に他のサンドイッチを食べて下さい。結構お腹が膨れるんですよ?コレ」




美味かった。

特にあの果物を挟んだサンドイッチは別格だった。

それなの量を食べていたので食えないかと思ったがペロリと平らげてしまった。

普段大人しいフロリアーヌもクロの肩を掴んで物凄い勢いで前後に揺さぶってお願いしていた。

ソイツ、大陸魔王(ヴァイアス)で俺の客だからな?姫様達のメイドじゃないからな。

あと、お腹の子にも悪いからやめてくれ・・・。

クロも心得たもので材料の準備があるから数日後にとあしらっていた。

とりあえず、クロには後で謝ってフロリアーヌにも注意しておこう。

妻が甘いものねだって国が崩壊とかシャレにならん。


今は訓練場へ向かっている。

一応、彼女たちは此方の学生たちと訓練をし他の国の同世代の者の強さを学ぶという名目で来ている。

学園はまた後日として今日はここで軽く汗を流してもらうとしよう。

国王候補の位にいる者たちにとって他大陸の者と訓練するのはいい刺激になるだろう。

訓練場に入ると皆それぞれに中を見て回りなが感想を漏らしている。

が、一番目をキラキラとさせているのが一番幼いイローナ姫というのはどうなんだ?


「あなた、誰?」

「わたしはイローナだよ。しゃるおねえちゃんといっしょにきたの」

「シャルお姉さまと?ココはたたかうくんれんをする所なの、あなたが来る所ではないわ!」

「わたしだってたたかえるよー!」

「なら、しょうぶよ!」

ちょっと目を離した隙に何か姪っ子がケンカ売ってる!?

「ゴホん、待てモニカ。その娘は私の客だ。私の客人に無礼は許さんぞ?」

「あ、おじさま!?」

上を目指すのは良い事なのだが、所かまわず誰にでも挑むのはいかがなものか・・・。

「モニカちゃんっていうの?ねえ、わたしとたたかおう?」

なに?この子も切り込んでいくスタイルか!?

何とかせねばコスカートとの諍いのタネに・・・。

いや待て、ティファニール姫ならきっと止めるはずだ。


「イローナ、頑張るのよー」

「油断しちゃ、だめよ」

くそ、普通に応援してやがる。あ、周りで訓練している奴らも興味を持って集まってきやがった。

とりあえず、紹介して今日は解散の雰囲気に持って行こう。

初日から王族に怪我人とか戦争待ったなしだ。

───

──

「と、言うわけだ。よろしくしてやってくれ。くれぐれも失礼の無いように!」

「「「はい!」」」

うむ。これで問題は回避できそうだな。

「それでは、早速で申し訳ないのですが、どなたか私たちのお相手をしてくださいませんか?」

何!?

「私たちはまだまだ未熟ですので、皆様と訓練をして自分の糧にしたいのです」

おい、ちょっと待ってくれ。妹に続き姉もか!?

他の者も止め・・・、無理だ。全員やる気満々の目をしている。

クロを見ると「皆さん頑張ってくださいねー」などと観戦する気満々だ。

「おい、クロ。どうにかならんのか?さすがに怪我人は出したくないぞ」

「大丈夫ですよ、ケガも経験ですよ。それに、ケガは私が責任を持って治しますので」

ダメだ・・・。コイツ等皆バトルジャンキーか?

「では、一対一の試合形式で行う!参加は一人1回まで!武器は練習用武器を使用!勝ち負けは審判の判断で行う!では、準備を始めるように!」

バート、お前も何を仕切って始めている。

これではイヴァン殿に申し訳が・・・

「陛下。候補者たちなら、いずれ彼女たちとぶつかるでしょう。それならば、我々が介入できるうちに済ませてしまった方が後々楽なのではと愚考いたします」

なるほど、そういう見方もあるか。

確かに学園で突っかかって惨事になっても困る。

それならば俺たちの目の前で手合わせさせた方がマシか。

幸いにクロは何も言わずニコニコと見ているだけだしな。

新しい土地へ行けば先輩からの洗礼は基本。(先輩も後輩が気になります)

歩いているだけで勝負を挑まれるのも基本。(ポ●モン的なノリで)

他のモノと争っていてもコッチを見つけ次第、一緒に襲ってくるのも基本(モ●ハン的なノリで)

話さなくても剣と剣で語り合える不思議な人たち!(拳や武器は魔剣なのかなんなのかおしゃべりな模様)


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