60ページ目 ショッピングと魔物との戦闘 パパも参戦!?
「皆さん、おはようございます」
「「おはよう。ティファ」」
「おはようございます。ティファ様」
昨日のマッサージ騒動の後、ヘディ様からショッピングのお誘いの連絡を受けたので、こうしてリーズお嬢様とミューズお嬢様と私は学園前にやってきました。
「おはよございます。えと・・・」
「ミシェル・アーメドだ」
「ズラタン・ケーニッヒです」
このお2人とは今まで話す機会が無くて、お名前も知らなかったのですが無事、教えていただくことが出来ました。
「それで、今日は何を買いに行くのかしら?」
「はい!今度お邪魔するときに川遊びに行きたいと思っているので、その時の水着を買いに行こうと思います!」
ズギャーン!!!
と、変な効果音がなった様な感じがします。
お付きの二人は明らかに顔を赤らめています。
お嬢様も何故か顔を赤らめています。
私はようやく巡ってきた安全なご褒美イベントで内心ガッツポーズです。
しかし・・・
「海には遊びに行かないのですか?」
私のそんな疑問に
「クロ、海は遠いしアチコチに魔物が出てきて遊びどころじゃないわよ」
なるほど、魔物が出るのですか。
それは仕方がないですね、掃討するのも大変でしょうし・・・。
異世界は大変ですね、アッチは魔物は出ませんからね。
「とりあえず、お店に行きましょう。お店ももう見つけてあるんですよ」
ウキウキとされるティファ様に連れられる感じで私たちは歩いていきます。
途中で、サブリ様達にも出会いました。
川遊びが確定してテンションMAXのティファ様。
誘われたサブリ様達が、その日は狩りに行くと聞いてあまりに絶望的な表情をされてしまったので、見かねて
「サブリ様。今日。私達は川遊びの水着を買いに行くのです」
「それはさっき聞いたから知ってるよ」
「それで、ですよ?今日買った水着はどうすると思います?」
「そりゃあ、その日に着るんだろ?」
「ええ。つまり、ミューズお嬢様も・・・」
「水着を・・・着る!!?」
「はい。どうです?水練という事でご一緒しては?もしかするとミューズお嬢様と良い雰囲気になれるかも・・・」
「! それは本当か!?」
「ソコはサブリ様の頑張り次第ですが・・・」
と、怪しく勧誘します。
ま、可能性が無いとは言い切れませんからね。
こうして、そこそこの人数を連れ立ってお店へ行くことになりました。
サブリ様がサファ様とキャンディス様にかなり怒られていましたが私の所為ではありません。
彼が誘惑に負けたのがいけないのです。
使い魔は誘惑が得意なのです。
お2人にも水着でサブリ様を悩殺すれば良いと甘言で誘惑したのでアフターフォローもバッチリなのです。
「ここです!」
お店の名前を見て、私は不安感を隠せませんでした。
嫌です、入りたくないです。
ココに入ってしまったら、また何かが終わってしまう気がします。
私達が来たお店【デスプリス衣装店】。
そう、メイサお嬢様のお家が経営しているお店です。
トラウマがフラッシュバックします。
私はメイサお嬢様が不在であることを祈りながら入店しましたが、
「お、いらっしゃい。ティファニール様。報告より人数増えとるけど、まあ、ええわ」
出迎えられたメイサお嬢様に希望は打ち砕かれました。
「こっちが女性用水着で、あっちが男性用な。
男共は選び終わったら会計すましてそこの椅子にでも座って待っとき」
私はついて行かずに椅子に座ろうとしたら
「クロ、何してんねん。コッチやコッチ」
と半ば強引に女性水着の方へ引っ張っていかれました。
え?私、男ですよ?
最近、寮では何故か皆様、洗濯に下着までまとめて入れられるようになってしまったので、今更水着くらい・・・なんですが、やはりドギマギします。
というより、洗濯がご褒美かつ拷問です。
洗濯機なんてありませんから、基本手洗い・天日干し何ですよね、この世界。
年頃の女性の使用済みの下着に触れるのは、年頃の男である私にとって高難易度ミッションなわけでシテ・・・
結果、全世界図書館で洗濯機の事を調べて水の魔法でセルフ洗濯機をやっています。
乾かすのも、水魔法の応用で下着の水分を飛ばして一瞬乾燥。
そして拷問の折り畳みタイム。
ホント・・・ちゃんとしたメイドさん雇って・・・。
「クロ!私にはどれが似合うと思いますか?」
「私はこれにしようと思うのですがどうですか?」
と皆さんが私に聞いてくる中、リーズお嬢様は物凄い剣幕で私を睨み、メイサお嬢様は面白そうにニヤついています。
しょうがないじゃないですか!?
私、悪くないですよ?
ジリジリとライフポイントを削られながらも頑張る私に
「ほな、クロも水着選ぼか?」
メイサお嬢様のクリティカル攻撃。
それを聞いて皆さん(リーズお嬢様含む)は色々な水着を持ってきます。
ちょっと待ってください!リーズお嬢様、アナタは私が男だって知ってますよね?
なのにどうしてどんなキワドイ水着を持ってくるのですか?
私の正体をバラして抹殺したいのですか?
「あの、私の事はいいので。皆さんで楽しんでいただければ・・・食事の準備とかもありますし・・・」
「何を言っているのですか!?クロをのけ者にして私達だけで遊べというのですか!?」
「クロにだけ準備なんてさせられないわ」
「皆さん・・・・」
私の声に皆さんがフッと間違っていた仲間を暖かく迎え入れる様な、とてもいい笑顔になります。
「では、クエスト中の食事も手伝っていただけるのですね!」
サッ!!!
皆さん一瞬でお会計の方へ移動されました。
おかしいですね?
瞬間でハブられましたよ?私。
横ではメイサお嬢様が大爆笑されています。
「あ~、クロ。クロにはウチがメイド服に似た水着作ったるさかい・・・」
「バレないですか?」
「大丈夫大丈夫。ミニスカートタイプの水着にするからバレへんよ」
「いや、胸の部分とか・・・」
「それ、前におもっきり弄ったけど何ともなかったやん?水着くらい大丈夫やって」
「それでも、女性用の水着を着るのは、何というか・・・」
「あきらめ、もうウチらに汚され切っとるやろ?」
「・・・はい・・・」
そうですね、リーズお嬢様に紹介されてから色々ありましたからね・・・
「それじゃあ、また来週ね~!」
各自別れの挨拶をして帰っていきます。
私?採寸室でグロッキーですよ。
途中から皆さん参加してこんなデザインがいいとか何とかで、カオスな状態になっていました。
ソコはメイサお嬢様が職人魂で自分の中のイメージ以外却下してくださったので問題ない服になっていると思います。たぶん・・・。
その晩、リーズお嬢様とミューズお嬢様はお2人並んでお勉強をされています。
まあ、リーズお嬢様が一方的に教えてもらっているようですが・・・
それにしても、早い段階から宿題をすることは良い事ですね。
私は終わり間際に一気にやって地獄を見た記憶しかありません。
「だから、ここはこうするの、分かった?」
「ふえぇぇ・・・」
情けない声を出されるリーズお嬢様。
ふと気になって宿題を覗き見てみると・・・・
5X6=
7X8=
9X9=
などの1桁の掛け算から始まり、最後の方は3桁の掛け算となっていました。
ミューズお嬢様の方を覗いてみるとそちらは割り算でした。
こちらも1桁から始まり、3桁までの計算となっていました。
「・・・・・」
え?簡単すぎやしませんか???
しかし、お2人は真剣に考えて悩んでいる模様です・・・。
そういえば、この世界では基本の足し算と引き算が使えれば事足りましたね。
掛け算、割り算なんてのは商人やお城の文官くらいしか使いません。
ただ、学園側は使えて損は無いので教えているような感じですね。
その結果、このお2人の様な生徒が量産されているようです・・・。
問題を見て、固まっていた私に
「クロは良いわよねー、こんな難しい問題を解かなくていいんだからー」
と、リーズお嬢様から文句を言われます。
「リーズ!問題が難しいのはアナタが普段から勉強していないからでしょう?」
そう注意されるミューズお嬢様の問題と答えを見てを見て
「あ、ミューズお嬢様。ソコ、間違ってますよ」
と言ってしまいました。
「あははははは、姉様。私に注意してクロに間違いを怒られてるの、あはははははは」
笑いが止まらないリーズお嬢様と、真剣な顔で
「クロ、この問題、解るの?」
そう聞いてこられるミューズお嬢様。
「はい。この問題はココがこうなので・・・」
と、問題の説明が終わるとミューズお嬢様は、おもむろにベット上で三角座りをして何やらブツブツ言い出してしまわれました。
「あの、ミューズお嬢・・・」
「なんでクロはこんな難しい問題簡単に解けるのよ?あなたリーズの使い魔でしょう?なのに何で解るのよ?いえ別に使い魔だからバカにしているとかでは無いのだけれど、1度もこの計算の授業に参加していないのに当たり前に解いて、こんなに分かりやすい説明までして図書室に籠って必死で勉強していた私がバカみたいじゃない。それに戦闘では前衛も後衛もそつなくこなすして周りのサポートまでちゃんとできるし料理もお洗濯も何でもやっちゃうし、見た目も可愛いから周りからも良くされて更にそれに答えちゃうし、それに比べて私なんてブツブツブツブツ・・・・・」
ミューズお嬢様が・・・壊れた・・・。
「あ、あの、ミューズお嬢様?」
「何?こんなクズみたいな私に何の用なの?」
「あ、いえ。ミューズお嬢様はクズではありませんよ?」
「慰めはヤメて!!!」
「いえ、慰めではなくてですね、私がいた所ではこういった計算はもっと幼い頃に習って、私たちの歳では使い慣れているだけですよ」
だから、習い始めたお嬢様方は普通なのです。と言おうとしたのですが・・・
「つまり!私はその幼い頃のクロよりもバカという事ですね。うわぁぁぁぁん・・・・」
あ、コレ。ダメなヤツだ・・・何とかしないと・・・・
「だ、大丈夫ですよ。私が手取り足取り教えてあげますから!」
ピク!
「ホントウ・・・?」
「は、はい、本当です」
「嘘じゃあ、ない?」
「う、嘘ではありませんよ」
「うん。頑張る・・・」
何か、思考能力が幼稚化している気が・・・・
助けを求めてリーズお嬢様の方を見ると
「スヤァー・・・」
「・・・・」
とりあえず、今はミューズお嬢様です。
「あの、ミューズお嬢様。どうして急に卑屈になられたのですか?」
「私、学園では一応優等生でしょ?だから皆私は出来て当然って感じで見てくるのです。
実技でも、勉強でも。それで、必死に勉強しても分からなかった部分をクロにあっさりと教えられて・・・グス・・・」
「分かりました。分かりましたから。私が習った考え方をお教えしますから!」
「それが分かればできるかしら?」
「はい!きっと大丈夫ですよ!!!」
根がマジメ過ぎたのですね。
もう少し肩の力を抜いてもいいでしょうに・・・。
やはり周りからの期待というのはそれだけのプレッシャーになるでのしょうか?
下から数えた方が早い成績だった私には分からない感覚ですね・・・。
「クロー、ダメよ~。、そんなにジロジロ見たら~、恥ずかしいじゃない、でも~クロになら・・・」
まだ寝言を言われるお嬢様に私は
フン!
「ひたいひたいフロ、ひゃへへ~」
「居眠りしていないで、しっかりお勉強してください!ちゃんとお教えしますから!」
頬っぺたを引っ張ってリーズお嬢様を起こしてから、私は計算のやり方を教え出しました。
まさか異世界に来て算数を教えることになるなんて思いもしませんでしたよ・・・。
リーズお嬢様たちに何か飲み物をとキッチンへ向かう途中、椅子に座ってため息をつかれているヘディ様を見つけました。
どうやら、かなりお疲れの様です。
「どうかされたのですか?」
「ああ、クロか。なに、誕生祭に使う物の数とそれに掛かる費用の計算がとんでもないだけだよ・・・」
そう言って用紙見せられた先には掛け算の羅列がありました。
どうやら暗算で出来ないので根気よく足していっているようです。
「え?筆算とかしないのですか????」
「筆算とはなんだ?クロ」
「計算の方法ですが・・・」
「何!?何か計算の方法があるのか?私に教えてくれ!」
お ま え も か!?
こうしてこの晩、ご主人様とその家族に計算を教える使い魔という奇妙な光景が生まれました。
頼み込まれて止む無く計算も手伝うことにもなりました。
ああ・・・せめて計算機欲しい・・・。
皆さん、魔物の討伐具合はどうですか?
経験値はいい感じに稼げていますか?
紙の上の魔物も討伐数を伸ばさないとそろそろ危なくなってきますよ?
奴らのモンスターパレードは強力で危険ですよ!!!
ソロが無理なら早いうちにパーティーの募集をかけておきましょう。
クラスが皆一緒だとツンデしまうかもしれないので出来るだけ被らないように募集したほうがいいでしょう。
寄生プレイという手もありますが、嫌われる可能性があるので程ほどの方が良いでしょう。
討伐は計画的に。




