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「え~!何でですかー!?」
リーズお嬢様の絶叫が神殿の中に響きました。
昨日、ティファ様と決闘を終えたリーズお嬢様はその時こそ悔しがっておられましたが、
「あれだけ戦えたのだからステータスも上がっているはず!」
と、期待に胸を膨らませて神殿に来て魔導書を確認してもらったところ、前回からほとんど伸びていませんでした。
ま、当然ですよね?こんな短期間で根本的な所が上がるはず無いですよね。
思い返してもリーズお嬢様、コレといってご活躍されていませんし、当然でしょう。
あ、良かったですね。MPとDEXが上がっていますよ、『MP』はホルゾンのダンジョンでの魔法、『DEX』は私との鍛錬ですかね?
「ステータスというのは無数の魔物と戦い、数々の戦いを潜り抜けて成長していくものです。そう簡単には伸びませんよ」
苦笑いをされながら説明される神官さん。
リーズお嬢様の対応、ご苦労様です。
ですが、少しわかりました。
ゲームの様にポンポンとステータスが上がるわけではない。
当然と言えば当然ですが、アニメやラノベはご都合で超強化がよく入るのでもしかしたらと思っていましたが、そんな事も無いようです。
今後、何処かで修行パートが入るのでしょうか?
変な毒水飲んだり、時間が遅くなる部屋に入ったり・・・
ともあれ、次にするべきことは・・・・
「うー、絶対おかしいわよね?あんなに頑張ったのにほとんどステータス伸びなかったのよ!?」
「その考えで行きますとサブリ様やティファ様は化け物クラスという事になってしまいますが・・・」
少し走るだけでソニックブームを起こして、剣を軽く振るだけで山とかを両断できる人がたくさんいる世界になんて居たくありません。
命がいくつあっても足りません!!!
「じゃあ、どうすれば強くなれるのよー?」
「ですから今から強くなれる場所に向かっているのでしょう?」
リーズお嬢様はゴネた、叫んだ、もう一回見直してほしいと。
それはもう、他の生徒たちがビックリするくらいに。
さすがに恥ずかしいので強引に神殿から引きずり出して、『ある程度早く強くなれる所』へ案内中なのです。
「ココです!」
「ココって、リリーのお店じゃない!?」
「ホラ、入って入って」
強引にお店の中へ押し込んでいきます。
「いらっしゃい。おや?クロちゃんにリーズちゃんじゃないか。元気そうだね」
と、私たちを見上げながらリリー様のお母様に挨拶されます。
「すみません、リリー様はいらっしゃいますか?」
「ああ、おーい!フィレンツェ-、お客さんだよー」
「すみません、リリー様。折り入ってお願いがあるのですが」
「何ですか?」
「リーズお嬢様の武器のオーダーメイドをお願いしたいのですが」
「ふぇ?私の?何で???」
驚いていますね、リーズお嬢様。
「強くなりたいとおっしゃったではないですか」
「うん。でもそれとどうつながるのよ?」
理解されていないようですね。
装備だけ強化してはPSもとい戦闘技術が未熟になるという欠点がありますが、それは鍛錬でビシビシ鍛えれば問題なくなるはずです。
「ステータスは直ぐに伸ばすことは出来ません」
コクリ。頷かれるリーズお嬢様。
「ならば、伸ばせるところを伸ばすのです!」
コテン。首を傾げられるリーズお嬢様。
「つまり、装備品の強化です」
! クワッと目を見開かれるリーズお嬢様。
「代金は10万ギアからになりまーす」
どよーん・・・・・
「あわわわ、大丈夫です!お金は最近のクエストで稼げましたので足りています。そんな端っこで小さくならないでください!!!」
リーズお嬢様、クエストの報奨金とか確認されていないのでしょうか、不安です・・・。
「それで、どうしますか?」
「はい、銀を使った装備をお願いできますか?」
銀装備はある程度稼ぎを得ている騎士や冒険者が使う装備で、駆け出し卒業くらいの装備です。
「後、エンチャントをいくつか・・・」
「ごめんなさい。私の実力不足というのもあるのですが、武器へのエンチャントは大体1つまでです。
2つ付いていれば十分に貴重品で、3つで国宝級、それ以上だと神具級とか言われてます」
何と!この世界ではエンチャント装備はそれほどまでに貴重なのですか!
ゲームだとポンポン付けれるのが多いので3つくらいまでなら大丈夫かなーって思っていたのですが・・・
「スフィア、ええと【エンチャントスフィア】を作るのがとっても難しいのと素材の耐久性の問題なのです!」
「つまり、素材のレアリティとそのスフィアというアイテムが無いと?」
「はい。そうなります・・・。ちなみにスフィアは腕利きのドワーフでも作成に苦戦するアイテムです」
なので、エンチャントの武器はお高いと・・・。
「クロ、私・・・普通の銀製の武器でいいから。そんな・・・お金・・・無いし」
そんなキョドりながら言わないでくださいよー。
大丈夫ですよ。国王様からもらったお金がありますからダイジョウブデスヨ!!
それでも、リーズお嬢様はエンチャント無しでいいと言い張られましたので、普通の銀製の武器になりました。
それでも、オーダーメイドの為か嬉しそうです。
この後はエンチャント効果の高い装飾品を買って寮に帰りました。
「もうしわけありません、リーズお嬢様。少し、調べ物をしてもよろしいでようか?」
「?いいけど、私は魔法の勉強をしておくから。ご飯になったら呼んでね」
何をするかといえば、ズバリ!スフィア?とよりレアリティの高いインゴットを作製するのです!!
と、いうわけで、さっそく全世界図書館を使って作り方を調べましょう。
最初から答えの載ってる問題解くの楽でいいわ~。
やってることが最低だけど生活かかってるし、しょうがないわ~。
さて、作り方はっと・・・
ん?・・・
あれ?・・・
載って・・・
無い!?・・・だと・・・
それはそうですよね、この世界で最上級の鉱石ですもんねー。
まず見たことある人の方が少ないですよねー。
錬成なんてできるわけないですよねー・・・。
仕方ないので、現物見て複製できるかやってみますか。
「すいませーん。マクスウェル様ーおられますかー?」
『何だいクロちゃん。私に用事とは珍しいねぃ。』
『ん。大体はウンディーネかドライアド・・・。』
おっと丁度ノーム様もご一緒。
この機会に色々教えていただきましよう。
「実はですね・・・」
今日の事をいうと、まるで余っている物を渡す感覚でオリハルコンの塊を渡されるマクスウェル様。
こんなには・・・いらない!
いえ、欲しいですが、錬成できるように頑張ろうと思った矢先にコレはキツイ・・・やる気が・・・・。
ノーム様からもやたら輝く石?の塊をいただきました。
とてもキレイです。反射して何色にも見え・・・
「もしかして、ダイヤモンドですか???」
『ん。コレも硬い。錬成。頑張れ。』
『皆がクロちゃんは色々な事をやるって言っていたからこれだけ渡しておくぜい!足りなかったらまたきなよ!。』
もう、コレで武具作った方が早いんじゃないかしら・・・。
いえいえいえ、今期はたまたまいただけましたが、いつもそうとは限りません!
何とか自分でも作れるよにならないと!
『あ。それとコレだな。ほい。』
「これは?」
『スフィアの・・・。外殻・・・。』
『この中にアイテムを混ぜてスフィアを創んだ!作り方は自分で調べんだな』
「ありがとうございます」
早速戻って練習しないと・・・
まずはオリハルコンの事を調べないと。解析発動!
ふむ、割と扱いやすい部類の鉱石なんですね。
超硬度と魔力の保有量が凄い!
何気にコレ【高純度オリハルコン】だし・・・
マクスウェル様こんな凄い物をポイッて。
さて、と、もうお夕飯で時間ですか。
複製するっていっても何をどうすれば・・・。
複数が混ざり合ったアイテムではなく、単一のアイテム。
となると合成は無理。解析しても何も分からない。一体どうすれば・・・
ふう、と横見てみるそこにはノーム様にいただいたダイヤモンド。
そういえば、ダイヤモンドも単一の鉱石だったはず。
コレの出来方が分かればヒントになるでしょうか?
早速調べてみると、出来上がる条件厳し!!!
こんなに偶然が重ならないとできないのですか?
人工的なモノは・・・書いてあることが難しくてさっぱりですね。
とりあえず、どちらも高圧力・高熱量が必要という事でしょうか。
化学気相蒸着?目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給?
これをマネしてみたらできるかも・・・?
結果から言うと出来ました。
魔力全部持っていかれたけど、1ミリほどの大きさしかできなかったけれど、解析で調べるとオリハルコンってでてました。
ファンタジー万歳。普通、こんなアバウトな方法で出来ませんよ。
流石ファンタジー何でもありです。
今夜はマナポーションをお供にひたすら錬成してみますかー。
ほぼノーコストでオリハルコン錬成いっちゃいますかー?
等価交換何処かに廃棄しちゃいますかー。
で、
うっぷ・・・
ぎもぢ悪い・・・
昨夜はポーション飲みすぎました。
ポーションの水分はしっかりお腹に残っています。
でも、魔力は尽きています。
二日酔いならぬマナポ酔い?
「クロー、おはよう」
「おはようさん」
「あ、お嬢様方。おはようございま、うっ・・・」
「ちょっとクロ。大丈夫なの?」
「もごもご、もご、もごもごもごもごもご」
皆さんに謝りたいのに、それも出来ません。
「あ~あ~無理戦でいいよ、クロ」
メイサお嬢様!
「ウチもつらいから分かるで!」
メイサお嬢様。メイサお嬢様もあんな苦行をされたことがあるのですか!?
「”あの日”は辛いよなー?」
はい?あの日?あの日って何ですか???
周りを見ると皆さん、うんうんと頷いておられます。
何か、食い違いがあるような気が・・・
「まー、ゆっくり休んどき。今まで休み無しやったしな。飯くらい何とかなるわ」
「ごばんないでずびょ?」
「「「!」」」
一斉に皆さんの顔が青くなります。
「おい!!!誰か早う薬もってこい!!!メシが!ウチらのメシが無いでーー!!!」
朝からてんやわんやの大騒ぎです。
この騒ぎのうちにトイレへ・・・うっぷ・・・。
「すみません。お騒がせしました。」
項垂れるしかないですよね、こんなにお嬢様たちに迷惑をかけてしまっては。
「もうええんか?」
「はい、全快です」
「何か魔法でも使ったん?」
「いいえ、特には。何故ですか?」
「え?だって生理やったんとちゃうの???」
!?
皆さん心配そうに見ておられたのは私が生理中だと思われたのですか!?
「私は、お・と・こ。です!!!」
そう、私は男です。
皆さんがリーズお嬢様と結託力して言葉使いやら恰好やらを命令されていますが、私はれっきとした男ですよ!!!
最近では女子力(見た目)が足らんとか言ってパット入りのブラジャーとかまで付けさせるの止めて下さいよ!?
どこまで辱めたら気が済むのですか!!!
もう、変☆態☆まっしぐらですよ!!!!!
「すまん、すまん。クロが男なん忘れとったわ」
他のお嬢様方もそう言えば的な顔をしないでください!!!
「もぉ~~~~~!!!!」
私の叫び声が響きながらこの寮の朝は今日も騒がしく過ぎていきました。
マクスウェル視点
『おーい。皆ー。新情報だぜぃー。』
『何々?。』
私が皆の所へはしゃぎながら行くと皆、興味深々に聞いてくる!
こいつぁ~、早く言わないといけねぇなぁー。
『クロちゃんがよぉ~。ついにやっちまったぜ!!!』
『クロさんが何をやったんですか?あらかたの事は既にやってると思いますが。』
他の皆もルナの言葉に同意する。
だが違う、そうじゃない。
『クロちゃん、ついにデウスの領域に足突っ込んだぜ~』
『あなた、何かしたんですか?』
『そう睨むなよ。ルナ。私はただオリハルコンを渡しただけだぜぃ?』
『私はダイヤモンド・・・。』
ドヤ顔で私たちは宣言する。
『そしたら。一晩でオリハルコンを作れるようになっちまったよ』
『ダイヤも・・・』
!
『マクスウェル!。』
他の皆は殺気立つ。何を怒っているだい?
クロが偉業を無し遂げたんだ。盛大に祝ってあげないと。
一触即発の雰囲気の中、のんびりとした声で
『まあ。大丈夫でしょう。クロちゃんなら。』
『ウンディーネ!?。』
『クロちゃんは~。クロちゃんですよ。』
よく分からないことを言うウンディーネを私たちは無言で見つめることしかできなかった。
ウンディーネが見つけてきたおもしろい人間。
次は何をやらかしてくれるんだろうな?
見ていて飽きないぜ!
お嬢様方「男のくせにブラ付けてるなんてヘンターイw」←元凶
クロ「ブラじゃないですよぅ、大胸筋矯正サポーターですよぅ・・・グス・・・・」←必死の抵抗
ダイヤモンドの作製云々はかなり適当になってしまいました。
すみません。




