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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
33/211

33ページ目 大精霊の集まる場所2

ミショー・エリドリシ視点

私はいつものように神殿の書類仕事をしていると僧兵が部屋に入ってきた。

この僧兵は確か大司祭様付きの僧兵だったはず、何故私の部屋に?

しかも、息も絶え絶えだ。

まさか!大司祭様に何かあったのか?


「はあ、はあ・・・」

余程焦っているのか中々話し出さない。

「どうした?」

「は!大司祭が直ぐに部屋へ来て欲しいとのことです」

「大司祭様の部屋に?この時間はまだ祈祷中のはずだが?」

「はい。しかし、大司祭様は突然祈祷の間から出てこられて司祭様に何よりも優先して部屋に来るように伝えろとおっしゃておりました」

「そうか。ご苦労、下がっていいぞ」

「失礼します」

あの大司祭様が突然祈祷の間から出てきた?

あの部屋が私室といって間違いのないくらい籠っている祈祷の間から?

一体何が・・・・

さすがに私も不安になり大司祭様の部屋へ急いだ。



「お、お待たせしました。大司祭様」

く、流石に急に走るものではないな。しかし大司祭様に何かあったご様子は無い、ということは何の用で呼ばれたのだろうか?

「大司祭様、普段からは考えられない様な形相とお声で命じられたと僧兵が申してありましたが、どうされました?」

「うむ」

厳かに私を呼び出された理由を確認すると信じられない事を言われた。

私にコスカートの国に面会の約束を取り付けに行けと?

そんなものは下位の神官の仕事だ。

私は今も神殿の重要な書類を処理しているところだ。それを放棄して着てみれば面会の約束を取り付けろだと!?

「それはどういう・・・」

私が納得できない事を理解されたのだろう。

核心こそぼかされはしたが、大司祭様にとって非常に重要な事柄だということは十分に理解できた。

普段引きこもりの大司祭様がここまで言うのだ、余程の事だろう。

「分かりました」


私は早速移動系の使い魔(ファミリア)を持つ司祭と共にコスカートへと飛んだ。

国王への謁見は直ぐにすることが出来た。

本来ならばいかに神殿の司祭でも数週間から数か月待つことになるはずだが、

大司祭様直々という言葉が聞いたようで、少しの間待たされるだけで済んだ。


この国の国王、イヴァン陛下は機嫌の悪そうな顔でコチラを見ている。

当然だろう、格国に配る精霊水を私が締め上げ、神殿に頭が上がらないようにしているのだ。

私がやっていることくらいは調べられているだろうし、そうでなくても神殿がやっていることだ、いい気はしないだろう。

しかし、前面に出しすぎではないか?以前はもっと隠せていただろう感情が前面に出すぎている。

これは少し絞りすぎたか?

「本日は」

「無駄な挨拶はいい、ミショー殿。今日はどのようなご用件か?」

「な!?」

連れてきた司祭が文句を言おうとするが私は直ぐに止める。

普段の謁見でならやらせておくが、今日は大司祭様の命で来ているのだ、機嫌を損ねて追い返されてはたまらない。特に、今日の機嫌の悪さは過去最高だ。何があった?

「はい、本日謁見をお願いいたしましたのは、大司祭様からの命にございます」

「大司祭殿の?」

「はい。大司祭様は出来るだけ早くイヴァン陛下とお会いしたいと」

「どうして急に?神殿に何かあったのか?」

「申し訳ございません。私も何もお話しされることなくこの事だけを命ぜられました。また、イヴァン陛下の返事も私が直接お聞きし、伝えるように言われております」

「ふむ、大司祭殿にしては珍しいな」

「はい。私も今までにない勢いで頼まれましたので少し不安に感じております」

「そうか・・・」


ガチャ。

不意に扉が開く音がしたので振り返ると扉の警備をしていた兵が立っていた。

今は私たちが謁見しているというのに何という礼儀知らずか!

いや、それともそうでもしなければならない非常事態が起きたのか?

「どうした?私は今は司祭殿と話の最中だ」

「申し訳ございません!しかし、ヤニツェク隊長のご命令でして」

「ヤニツェクの?それなら待たせておけばいいいだろう」

「私もそう申し上げたのですが、この一言だけ伝えろおっしゃられて・・・」

フム、ヤニツェクと言えば王国騎士団の近衛隊長だったはず。

その隊長が謁見に割り込んでまで伝えようとすること?

魔物(デモン)が大量に攻めてきたか?

それならば私も急ぎかえって色々と動かねばなるまい。

しかし、一言だけで済むという事は暗号か?とすれば何かの不祥事か?


「で、ヤニツェクはなんと?俺の仕事を止めるほどの事なんだろうな?」

「わ、私には何とも・・・ただ、メイドが来たと・・・・」

は?メイド?何故メイドが来たくらいで我々の謁見を止めてでも報告させる?

メイド・・・、陛下の愛人が会いに来たという事か?いや、それでも割り込むよりむしろ隠すはず・・・

「分かった。通せ」

「は?」

「通せ!」

「は、はい。失礼しました」

今のは兵士の反応も当然だな。メイドが会いに来た。

まあ、100歩以上譲って良しとしよう。だが割り込ませる理由はなんだ?

しかも、明らかに陛下に動揺が走っている。

余程の弱みでも握られているのか?

ヤニツェク殿と一緒にメイドが入って来る。

私も司祭も一瞬確認したが確かに可愛らしいな。

年の頃は15、6か?起伏もそこまでないし、顔も幼い。

私の趣味では無いが十分に満足できそうな娘だ。


「国王様、申し訳ございません。メイドが来たので連れてまいりました」

「うむ。して、クロ、俺に何の用だ?」」

陛下の質問にも何の戸惑いも無く答えるメイド。

自分が重要な席に割り込んだことも自覚しており謝ってくる。

メイドは我々が居るのに話しても大丈夫かと心配しているが陛下が許可を出す。

連れの司祭は気に入らないようだが、私としてはチャンスだ。

このメイドの言葉次第ではこの国との交渉もやりやすくなる。

「はい、では簡潔に・・・・。大精霊・ウンディーネ様が家の寮に居つくそうです。後、お友達も呼ぶと言っていましたので報告に上がりました。以上です、それでは失礼します」

は?今何と言ったこのメイドは。

大精霊ウンディーネ様が家に居つく?さらに他の大精霊様を呼ばれる?

そんなことがあるはずが無い。

大精霊様が人間に興味を持たないのは公然の事実。それをわざわざ陛下に報告?

わけが分からん。あの者は魔物に頭でもやられたか?

司祭の怒りも最もだ。不届きにも程がある。今の状況では全てにおいて極刑に値する。

「よい」

「しかし!」

「よいと言っている」


何!?不問にするのか?あの訳の分からないメイドを。

何処の国だろうが、今の行為は即、極刑ものだぞ。

どうやらメイドは女王陛下の元へ連れていかれる様だ。

あのような者と女王陛下をお会いさせて大丈夫なのか?

陛下は今までの怒気を完全に霧散させ、疲れ切ってため息をつかれた。

「ミショー殿」

「はい」

「大司祭殿からの話、了解した。3日後でどうだろうか?それまでにコチラの仕事は片付ける。それと、今回は急な事だったので、コチラに来られる時間は別途コチラから連絡差し上げたいのだがどうだろう?」

何故だ?何故急に了承し、我々に協力的になった?

これではあのメイドの言葉が本当の様ではないか!

本当の・・・・・

まさか!あのメイドの言葉は本当なのか!?大司祭様も大精霊様からこの事を聞き、私に依頼されたのだとしたら全ての筋が通る。しかし・・・

「あの、陛下・・・」

「頼んだぞ、しかと伝えてくれ」


この言葉を最後に謁見は終了した。

「あのメイド何だったのでしょうね?いきなりあんな事を言い出すなんて・・・」

コイツは少し考えられないのか?

いや、言うまい。私も国王があそこで切らなければ信じられなかった。

なるほど、大司祭様が緊急で私に依頼するはずだ。

「ここでの目的は果たした。すぐに神殿に戻るぞ」




クロ視点

「カティ様、こんにちわ」

「あら、クロちゃんこんにちわ。昨日の今日で来てくれるなんて嬉しいわ」

ヤニツェク様に連れられて私は今カティ様の部屋に来ています。

ヤニツェク様?カティ様の部屋に着いたとたんにやることがあると若干殺気を出しながら部屋から退出されました。

「まあ、来なければならない様な理由が出来ましたので」

「あら?それならイヴァンに話した方がいいんじゃない?」

「国王様には要点だけ伝えてきました」

「そう、なら私も聞こうかしら」


私は今日の事をカティ様に伝えました。

「「・・・・」」


「クロちゃん、今の話、嘘じゃあないのよね?」

「嘘だと私はとてもうれしいです」

「そうよねー、そんな嘘をつく意味ないものねー」

ガチャ

「で、どういうことだ?」

国王様が入ってこられました。

「イヴァン、女の子の部屋にノックも無しに入って来るのはマナー違反よ?」

「ここは政務室だ。それにお前は女の子という年でもないだろう?」

あ、カティ様の周りに何か、黒いオーラが・・・

「イヴァン、あなたには再教育が必要なようね?」

「待てまてマテ。今はそんなことを言っている場合では・・・クロ・・・」

「あ、私も部屋に入る時にノックは必要だと思います」

「裏切るか!」

裏切る?いえいえ、普通の事ですよね?

「ガハ!!お、おいカティやめ・・・・・」

あ、カティ様。早速折檻されてますね。

ドメスティックバイオレンス!

あれ?でも日本でDVと言えば夫からの暴力ばかり取り上げられてましたし、これは違うのでしょうか?

ああ、きっとこれは愛ですね。愛。

妻が夫にもっとちゃんとして欲しいと願いながら振るう愛のムチ!

愛ならばしょうがないですね。国王様ファイト!です。


カティ様の愛のムチが終了した国王様。

スキルで確認すとHPはレッドゾーン入りしています。

「それで、さっき言ったことは本当なのか?」

「はい。残念ながら・・・」

「何を残念がる必要がある?とても名誉なことだぞ?歴史に残る偉業だ」

「なら、変わっていただけますか?大精霊様のおもてなし・・・」

「断る!!!」

でーすよねー・・・・。

「さっきの司祭様たちは」

「恐らく、その件だろう。大司祭殿も何か情報を掴まれていたようだ」

「ウンディーネ様が皆誘うって言ってましたし、丁度その時に居合わせたのでは?」

「ふむ、妥当だな」

「それじゃあ、大精霊様は皆集まるのね?」

「そ、それは私には何とも・・・・」

「で、だ。俺は急いで仕事を終わらせてそちらへ行けるのが3日後だ。いつ行けばいい?」

へ?何国王様まで来るよ宣言しているのですか?

寮の皆さんになんと説明すれば・・・・

あ、頭痛くなってきた。ストレスで禿げないかしら・・・・

「ああ、ついでに大司祭殿とそのお付きも連れていく」

更に頭痛の種ががががが・・・・・・

「何故、国王様と大司祭様が来られるのですか?」

「大精霊様がお集まりになるかもしれないんだ、当然だ。今回は他のヤツ()には黙っておくから安心しろ」

「全然安心できませんよ」

「俺はともかく、大司祭殿は絶対にソッチニ行くぞ?」

「はぁ、分かりました。大司祭様のお相手はお任せしても?」

「まあ、大精霊様にお会いしに行くだけだ。お前はそこまで気を使う必要はない」

「いえいえいえいえ、気を使いますよ!大司祭様ですよ!?」

「大丈夫よ。大司祭さんより大精霊様の方が偉いから」

慰めにもフォローにもなっていないですよ、カティ様。

「飯も期待しているぞ、クロ」

「もしかしてソレが狙いですか?」

「ソレ()狙いだ」

逃げ場無しですか・・・最近、更に運が悪くなった気がします。

「分かりました。大司教様はどのような方ですか?」

「どうしてだ?」

「食事を作るのに、参考にしようかと」

「80くらいのお爺ちゃんよ、好き嫌いは無かったんじゃないかしら?」

「ありがとうございます。後、何人来られるか分かり次第連絡をください。おもてなしの用意をしますんで」

「おお!もてなしてくれるのか!それは期待できそうだな」

ガハハと笑う国王様。やっぱり、会ってもらってすぐに帰ってもらおうかしら。

「あ、後は一応お風呂の準備もしてきてください」

「風呂の?」

「ええ、こういうことは時間がかかると相場が決まっていますから」

「分かった。このことも伝えておこう」

「あなた、ずるいわよ!」

「ずるくない、これは公務だ」

「なら、その公務、私が変わるわ」

「お前はココで机にでも噛り付いてろ」

ああ、またケンカに発展しそうですね・・・・

仲がいいのでしょうが、巻き込まれてはメンドウです。

「カティ様とイローナ様もどうぞ」

「あら、いいの?」

「クロ!カティもイローナも関係無いぞ」

「私のお友達という事で、ご招待しますよ。何だか、感覚がおかしくなってきて、もう誰が増えてもどうでもいいかなーって・・・・」

「おい。流石にアイツ、ヤバくないか?」

「ええ、流石に悪ふざけが過ぎたみたい・・・」

何やらお2人で話されていますが、それどころではありません。

お食事のメニューを考えて、お食事とお泊りの部屋を追加で増築して、後は・・・・・



「クロ、気を付けて帰るのだぞ?」

「はい、それでは失礼します・・・」

不安そうなお2人の視線を受けながら私は帰路に就きました。

護衛にコリーン様が付いて来て下さいました。

学園の門で分かれ、寮へ入ると

「クロー!!助けてー!!!!」

リーズお嬢様が飛び込んできました。

お嬢様が助けてと飛び込んで来るなんて、まさか!変質者ですか!?

私も十分に変質者の様な気もしますが、とりあえず許しません!

「皆さん!大丈夫すか!?」

急いでサロンのドアを開けるとそこには知らない女の子・女性が複数おられました。

「へ?えっと、どなた様でしょうか?」

『あ。クロちゃん。おかえりー。お友達つれてきたよー。』

そう答える美女は恐らくウンディーネ様でしょう。

青色を基調とした服を着ていらっしゃいますし、直感ですがそうでしょう。

「ウンディーネ様ですか?」

『ピンポーン。』

「では、他のお嬢様方は・・・・」

『朝に言っていた。私のお友達よ。』

そこには燃えていたり、増えていたり、飛んでいたり、何やら書いていたり、何もない所から何か分からない鉱物のよな物を出していたり、お茶飲んでいたり、私のスカートの中から生えていたりする大精霊様たちがおられました。


コレ、私が一人でおもてなしするのですか・・・・・

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