27ページ目 皆で作ろうハンバーグ
今回少し短め。
しかしいつものぐだぐだ感。
残念!
「君も災難だな」
調理場まで歩いている途中に料理長様が話しかけてこられました。
「俺はミラノ・イージー。今日はよろしくな」
「クロです。こちらこそ、よろしくお願いします。ミラノ様」
「その様付けやめないか?」
「ご主人様の命令ですので」
「そうか、わかった。」
「国王様にお出しする料理ってどんな物を作ればいいのでしょうか?私は素人なのですが・・・」
「なに、何でも構わんさ。自分の一番自信のある料理を出せばいい、前に塩と砂糖を間違えてそのままお出しした奴もいたが、お咎めは何もなかったぞ」
「味見とかされなかったのですか?」
「緊張してテンパっていたんだろう」
笑いながらそんなことを言うミラノ様。
でも、国王様も言っておられましたがな本当に失敗しても大丈夫なようです。
調理場へ入るとたくさんの料理人の方が下拵えをしていました。
私たちが入ると一気に注目が集まります。この好奇の視線は慣れませんね。
「料理長、そのメイドはどうされたのですか?ここの配置になった者ですか?」
1人の料理人が皆さんの意見を代表するように聞いてきます。
「この者はクロ。今回の被害者だ」
被害者!?被害者って言いましたよ!今!!間違っていないけど、他に言いようはなかったのですか?
「なので、今日、俺はクロのサポートに回る」
料理長様がサポート!?もう、私の代わりに作ってもらえないでしょうか?
「後、新人若い順に2人。その者たちもサポートに入ってもらう」
え?3人もサポート付くのですか?私そんな大掛かりな料理作れないですよ?
「料理長!何故、私たちがサポートに選ばれたのですか?ここに来てまだ半月と経っていません。それなのに国王様にお出しする料理のサポートというのは・・・・」
「分かっている。既に聞いたことがあると思うが国王様は不定期に新人の料理人をメインで料理を作るようにおっしゃられる。君たちはその練習だ。良かったな、普通はある日、いきなり国王様がココに入って来て目の前でこのことを告げて出ていかれるのだ。その練習ができる君たちは幸運だぞ!」
確かに練習できるのは幸運なことですが、あの国王様本当に厄介ですね。
「と、言うわけで他の者は我々の抜けた穴の穴埋めを頼む!」
「はい!」
少し離れた場所で私たちは集まって何を作るか考えることになった。
新人の料理人たちは緊張した様子でコチラを見ている。
分かります、新人の自分が直接作った料理が国王様の口に入るのだから、緊張しないわけがありません。
「すみません、あなたは何処の名家から来られたのですか?」
「???」
意味が分かりません
「私たちは若輩ですが、この城の審査を突破した者として誠心誠意務めさせていただきます!」
ああ、要するに私はどこかの有名な料理人と思っているのでしょう。
「いえ、私はセルグリンド学園中等部の学生の使い魔ですので、コチラこそよろしくお願いします」
「「え???」」
驚いた顔でミラノ様の顔を見る新人さん。
「言っただろう、被害者だと。ここまでの被害者は初めてだがな」
「因みに、今まで一番酷かった被害者はどんな感じだったのですか?」
「俺は入ったその日に料理させられた。もう家に帰れないと思ったし、家族も巻き込むんじゃないかと生きた心地がしなかった」
入ったその日にってまた酷いことを・・・・
「目の前で俺の料理を食べて、そのまま感想もいただけた。入りたての作った料理にしっかりと良かった点・悪かった点を教えて下さった。国王様に認めていただけた点があっただけで結構な自信になったな」
たしかに、国王様に認めていただけるというだけでかなりの自信になりますね。
「今回何が一番酷いかというと、クロは一般人であり、それを食されるのは王族の皆様にこの国のトップの大臣数名だ。俺の時は国王様が空いた時間の暇つぶしに言われただけだった。しかも今いる大臣たちは味にかなりうるさい。国王様が美味いと言えばそんなに批判は無いだろうがそれまでは言いたい放題だろうな・・・・」
あ・の・コ・ク・オ・ウ!!!
アレですか?頭を叩いたお返しですか?難易度鬼畜過ぎますよ?
批判殺到なんて私のガラスのハートは速攻で粉々ですよ???
話を黙って聞いていた新人さんはもう、本当に可哀そうな人を見る顔でコチラを見ています。
「それで、何を作る?」
「一応、候補はありますので食糧庫を確認に行ってもいいですか?」
「わかった、こっちだ」
流石は王国の食糧庫、かなり大きく目当ての物を探すだけで一苦労です。
「材料はあったか?」
「はい、おかげさまで全て揃いました」
何を作るのかと言えば、ハンバーグです。
国王様にお出しする料理ではない?そんなことは知りません、元々今夜はハンバーグの予定だったのです、ソレに合わせて調味料も準備していたのでそのまま使ってしましましょう。
それに、小さいお子様はハンバーグというイメージが私の中にあるので。
お嬢様とイローナ姫。喜んでくださるといいのですが。
「それで、サポートはどのくらいまでしていただけるのですか?」
「下準備くらいまでと思ってくれ、あまり俺たちが作ると国王様にバレる」
「それだと、すぐにやることが無くなってしまいますが?」
「ああ、今回のメインはあくまでもクロの料理で、新人たちは練習で呼んだだけだからな。それに、俺もクロがどんな料理を作るのか興味があるからゆっくり見させてもらうつもりだ」
「ミラノ様も大概ですね」
「料理人は進化をやめたら終わりだからな」
「分かりました。ではこのお肉でミンチを作ってください。玉ねぎはみじん切りに、あと他の野菜も一口サイズに切ってください。私はソースを作りますので」
お願いをして私も自分の作業に入ろうとしたときです、
「ミンチとはどういうモノだ?」「みじん切りってどんなんですか?」
と、質問がきます。料理長のミラノ様を筆頭にきます。
へ?ミンチやみじん切りくらいあるでしょう?
異世界で食事事情が全然違ってそれで有名になっていくのもお約束ですが、ここもソレですか?
確認するとその通りでした。
主な調理法は切って焼いて食う。汁は絞るくらいだそうです。
そんな料理の状態で飽きないのかと聞くと食材の味がバリエーションに富んでいるので、飽きはないとの事。
試しに調理中の料理の味見をお願いしてさせていただきました。
「・・・・」
おいしいです。しかし、味が違うと言われた料理の違いが分かりません。
私は美食家などではなく、ただの一般人です。そんな細かな違いなんて全く分かりませんでした。
この世界の方々はとても繊細な味覚をお持ちの様です。
寮のお嬢様方が私の料理でも美味しいと言ってくださる理由はこれですか?
私も市場で何度か買い食いはしましたが、全く別の果物だったので料理の味の違いなんて知りませんでした。
私はミンチとみじん切りのやり方を教えて自分の作業に入りました。
他の状態を見ると流石はお城の料理人!綺麗に仕上がっていました。
それではコネコネしましょうか。
「ここからは一応、私がやりますね」
「そうか、ここからがメインの工程なのか?」
「そうではないですけれど、私がやった方が良いかと思いまして」
「なあ、一緒にやってみたいのだが、いいか?」
「?いいですよ。国王様に言われた方の分は私が作らないといけないと思いましたのでそう言っただけですし」
よく見ると材料はいつの間にか明らかに人数分以上の量になっています。
この人、初めからそのつもりだったのでしょう。
「悪いな、ミンチの話を聞いた時からこの算段だった」
「ふふ、そうですか。他のお2人はそうされます?」
「自分たちも作ります」
こうして、何故かお料理教室が始まりました。解せぬ・・・。
始める前に何個かのニンジンを・・・
まずはー、玉ねぎを炒めるですか。
魔導書を見ながら作業していきます。思ったところに移動する魔導書、オートでページも捲れてとっても便利。
【オリーブオイル】軽く調べたらほとんどの料理に使われていたので頑張って量産しましたよ!
玉ねぎを炒め終わって材料をボールに入れてコネコネ開始です。
コネコネ・・・・
こねこね・・・・
コネこね・・・
捏ね捏ね・・
タネ、完成です!
別けて空気を抜いて片面の真ん中を凹ませて焼いていく?
その通りに凹ませてフライパンへ。
少し時間があるようなので、添え物の野菜を調理します。
出来たハンバーグとお野菜をお皿にのせて完成です。
「暖かい物をお出ししたいので、なにか蓋に出来るものはありますか?」
「大丈夫だ」
「お願いします。」
新人の方が蓋を取りに行ってくださいました。
「しかし斬新な料理だった。一緒に料理させてもらえたのも大きい。コレで自分一人でも作れるよ」
「それはよかったです」
「しかし、この調味料はどうにかならんかな?今まで見たことが無いものだ」
「少しお分けしましょうか?まだ余分はありますので」
「助かる」
オリーブオイルをミラノ様に渡します。
ふと周りが静かなことに気が付いて周りを見ると他の料理人の方々もコチラをジッと見ていました。
何?この状況?怖い!
「さあ、お前たち、調理は終わりだ。自分たちの調理へ戻れ!」
見ていた料理人たちを追い払うミラノ様。
あれ?他の方下拵えか何かしていましたよね?手を止めて大丈夫だったのですか?
当然、その日の夕食はヒドイ事になったとか
一応調べているつもりですが、料理の作り方で間違っていたらすいません。
料理をされる方は今後も含めて調理時間おかしくね?
とかお思いかもしれませんがソコはスルーしていただけると幸いです。




