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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
22/211

22ページ目 初クエストはアイテム収集

私たちは注目の視線を浴びる中、中等部の教室を目指して歩いています。

目立っている理由はもちろんメイド服を着ている私です。

基本、メイドは校内か寮の雑用が仕事で生徒に付いていくことはありません。

しかし、私はお嬢様の使い魔(ファミリア)。いつもお嬢様と一緒なのです。

その所為で周りからひそひそ話が凄いです。


ひそひそ話を無視してこれからの事を考えます。

カグヤお嬢様の話では中等部以降は実力重視で実力さえあるのなら上がったその日に上の部に上がることもできるらしいです。

クラス分けや授業の出席義務もなく、各学期末に全員参加の試験がありそこで昇格・残留を決めるそうです。

”勉強せずに実技だけでいいのやったね!”とか思っていましたが、試験には当然知識に関する試験もありただ形式が実戦形式というだけでした。


「あれ?知識問題を実戦形式って難しくないですか???」

「別に少し難しい試験を突破するだけよ。応用ができるかを試すだけ」

「脳筋でなければ大丈夫なのですね」

「ええ」


ちなみに、パーティーメンバーは殆どが同じクラス(部屋)に集まります。わざわざ分かれる必要も無いですしね。集合時に入れないと思ったら別のクラスに行くだけというネトゲでブロックがいっぱいなので空いているブロックへ移動する感覚の様です。

今日は中等部担当の先生から簡単な話の後、全員参加のクエストの説明がありその後は自由なのです。


教室に入ると刺すような視線が一気に集まりました。値踏みするかのようにコチラを注視します。

そして、お約束通りの文句が飛んできます。

「なんでメイドが付いて来ているんだ?学内では付いて来れないルールだろ?」

1人の生徒がそう言ってコチラに歩み寄ってきます。

こうなるのがメンドウだったので時間ギリギリに来たのですがやはり回避は出来なかったようです。

「クロは私の使い魔よ。学園側にもちゃんと許可を取ったわ」

「はん、そんな訳ないだろう。お前、リーズ・エラインだろ?落ちこぼれのお前が人型の高等な使い魔なんか呼べるわけないだろ!!」


お2人の間は一気に険悪になっていきます。

予想はしていましたが、何も言ってこない生徒さんたちも納得がいかない様子です。


「コラ、お前たち入口で何をしている?」

「「あ、先生」」

1人の女性が立っていました。

「ん?ああ君が学園長の言っていたクロか。本当にメイドの格好をしているな。他に服は無かったのか?」

「すみません、服はコレしか(メイド服以外認め)ないと・・・」

「まあ、あの寮は色々とギリギリだからな、しょうがないか」

内容を確認したくないようなことをサラっと言って納得される先生、すぐに意識を他の生徒にも向けて

「本日は大講堂で学園長直々に話があるそうだ。サッサとそっちに集合ー」


そう言って教室の皆さんを強制的に大講堂へ誘導していく先生、お嬢様に突っかかってきた少年のパーティーがコチラをにらみながら大講堂へ移動していきます。

というか、講堂についてもずっとコチラを見ています。とても気味の悪い笑みを浮かべながら


「やあ、皆おはよう。学園長のカリン・ビアード・セルグリンドだ」

・・・・

・・・

・・


学校の先生の長いお話を聞き流しながらやはり誰も学園長の容姿には突っ込まないのだなと1人納得しているときでした。

「それと、今日は私から1つ重要な連絡がある、もう見た生徒諸君も多いだろうがメイドの格好をした者が1人この講堂内にいる。クロ君、壇上へ上がってきなさい。」

いきなりコチラへ話を振られ、戸惑っていると勝手に体が浮かび上がり壇上へ強制連行されてしまいます。その運び方はヤメテ!スカートの中が見えちゃう///

まあ、見えたところで中はズパッツだし問題は無いのですが、抗議だけはしておきます。

「うう、酷いですよ学園長!!」

「なに、サービスは必要だろう?それに最初のインパクトが強い方が皆に覚えてもらいやすいからね」

そう言われて前を見ると複数の生徒が「見えた?」「お前は?」「ぎりぎり見えなかった」など言っているのがスキルの力で聞こえてきます。

必死にスカートの中見ようとした人ごめんね。私、男なんですよ。


「さて、彼女の事は神殿も私も使い魔として認めている。今後、このことについてどうこういう事の無いように。それとクロ君、今後はこれを身につけておくように」

それはペンダントのトップがリーズお嬢様の家紋になっているネックレスでした。

「これは?」

「うーん、まあ、認定証の様なものだ。公的な機関で詰問されてもコレに私と神殿の神官長共同で君の立場を保証するという感じの保証文が入っている。これから色々な所へ冒険へ行くんだ、無いと困るだろう?」

「ありがとうございます」

「なに、これも学園長としての務めだよ。それでは、下がりたまえ」

私は列に戻ろうとしたが、物凄く見られるので気まずそうにしていると朝教室にやってきた先生が終わるまで横に居ろと拾ってくださいました。


「今回の全員参加のクエストも各学部のボードに張り出してある。各自確認し、出発してくれたまえ。では、解散」

学園長の一言で皆さん大講堂を後にしていきます。

絡んできた男子生徒も既にクエストに気が向いているのかそのまま外へ出ていきました。

「災難だったわね。クロ」

「カグヤお嬢様」

「もっと怒っても良かったんじゃないの?」

「いえいえ、リーズお嬢様。皆さんの前でそんなことできませんよ」

「では、皆の前でなければ起こるのかね?」

「学園長・・・」

「さてと、私は約束は果たした。今後は君たちの頑張り次第だ、頑張りたまえ」

「はい。格別のご配慮、ありがとうございます」

「君がこうも素直に礼を言うと気味が悪いな。まあいい、それでは私はこれで」

そう言って学園長も去って行かれました。



ボードでクエストを確認して、教室で今日はどうするか相談している時でした

「カグヤさん、このクエスト一緒に行きましょう?」

女の子三人組が声をかけてきました。

少し気まずそうにするカグヤお嬢様に

「カグヤ、私に気を使わなくて良いわよ。私はクロと一緒に近場のポイントを回るから」

「そう、ごめんなさい。リーズ」

「気にしないで、私に実力が付いたら一緒にクエストに連れて行ってね?」

「何年後になるかしらね?」

そんな軽口を言い合ってカグヤお嬢様は行ってしまわれました。


「カグヤお嬢様はお強いのですか?」

「ええ、私とパーティーを組むのは間違いなく不釣り合いよ」

「そうですか・・・。それではこのクエストの目標を決めましょう」

話を切り替えてクエストのお話をしようとしたときです。

「あの~・・・」

「何?」

「パーティー、まだ空いてますか?」

すこしオドオオドとした感じの女の子がコチラに話しかけてきました。

「ええ、空いているわよ?」

「それなら、私も入れてもらってもいいですか?私、まだパーティー組めてなくて・・・」

「構わないわよね?クロ」

「何故そこで私に振るのですかリーズお嬢様。リーダーはお嬢様ですよ?」

「あんた、作戦とかそういうの組むの私より出来るでしょう」

「最初から丸投げはしないでください。・・・・パーティー参加は問題ないと思いますよ?」

「あ!よ、よしくお願いします。私ルーシー・バーナードです」

勢いよく頭を下げるルーシー様。

「リーズ・エラインよ、よろしく」

「クロと申します、よろしくお願いします」


「じゃあ、クロ。方針考えてね。」

「・・・・。ルーシー様は何か希望はありますか?」

「いえ、私はパーティーに入れてもらえただけで十分なので・・・・」

「分かりました。それでは今回のクエストの情報をまとめます。」

「そんなこと必要?」

「確認は大切です。特に今回はルーシー様とは初めてパーティーを組むのですから、目標ははっきりとしておかないと後で揉めてしまいます」

「分かったわよ」

「今回のクエストはポイントアイテムを森の中から見つけ出して持ち帰る。そのポイントが参加者に均等に報酬として割り振られます。遠い所、難しい所にある物ほど高いポイントが付けられています。このポイントは学内ではお金の代わりにもなりますので、皆さんのやる気が高いわけですね」

「ポイントはお金を稼ぐのと比べるとずっと楽ですからね」

「そして、目標のアイテムは1度取得するともう1度取得することが出来ず、1度に持てるのは1パーティ1つきり。なのでより遠くのアイテムを探しに行かれます」

「で、私は弱いから近場を回るっていうのよね?」

「はい、最も近い所から回ろうと思います。幸い学園側から位置は知らされていますので」

「・・・そうですか。分かりました」

「分かったわ」

「それでは、行きましょうか」


「お、何だ。まだ残っている生徒がいたのか」

不意に声がかかってきたのでそちらを向くと女生徒が一人教室の入り口に立っていました。

「おー、それも朝、講堂で話題になったクロじゃないか。なあ、私もパーティーに入れてくれよ?組む相手が居ないんだ」

女生徒の勢いに押されるままにパーティーを組むことになりました。

「私はカリン。よろしくな」

「「「よ、よろしくお願いします」」」

カリン様がパーティーに加わられたのでもう一度同じ説明をし、カリン様に納得いただいてから初めてのクエストへ出発することになりました。

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