17ページ目 探索に行こう
ふう、なんとか化け物には帰っていただけました。
私がチェックしたのも当然のようにバレていたわけですし、わざと見せてくれたという事でしょうか?まあ、私としては彼女にアンカーを付けることができたので良しとしましょう。
学園というMAP内で誰が何処にどんな状態で居るかを知ることはゲーム的に見れば重要ですし、美味しそうなイベントはいただいていかなければ。
しかし、こういうイベント目白押しの所に居る方のステータスはきっと物凄いのでしょう。私も早く強くならないと戦闘になった時に不利ですね。
まずは焦らずにスキルから強化していきましょうか。
今日の買い出しでマップスキルとアンカースキルを手に入れることが出来のは幸いでした。
これで迷子にもなりませんし、重要な場所や人の位置もバッチリです。
できれば、明日以降は自分の戦闘能力の把握が出来ればいいのですが・・・
「リーズお嬢様、明日はどうされる予定なのですか?」
「街の外へ出て探索よ。何か問題ある?」
「いえ、私もそろそろ自分がどのくらい動くことが出来るのか確認したいと思っていたところなので」
「ならちょうどいいじゃない。頑張りなさいよ」
「因みに、探索用の服などは・・・」
「ああ、気にせんでええよ。その服、戦闘にも耐えられるように作ってあるから。下手な防具よりもええ防具やで」
そう言われて、お嬢様の普段着とメイド服を鑑定で比べるとまあ、性能が段違いです。
「こんなに良い物をいただいていたのですか?」
「気にせんでええよ。メイド服で戦闘とか浪漫やろ?」
「あなたの動きを確認するのはいいけれど、目的を忘れないでくださいね。リーズもよく目的を忘れて魔物の討伐を始めてしまいますので」
「べ、別にいいじゃない。経験値入るし、強くなれるんだから!!」
「ですが、依頼にない魔物の討伐には殆ど報酬が発生しません。リーズの場合は武具の修繕費の方が多くて赤字です」
「う、すいません」
シュンとするリーズお嬢様をあやしながら、カグヤお嬢様に質問していきます。
「依頼にない魔物を討伐してもお金にならないのですか?」
「ええ、ならないわ。ダンジョンでもそうだけれど、魔物の討伐は大氾濫でも起きない限りあまり金銭的な旨みは無いの」
「では、どうやって生計を立てていくのですか?」
「主には調合・武器防具素材の採取、他の街への荷物の運搬・その護衛よ。魔物も有用な部位を綺麗に破壊できればいいのだけれど、リーズの実力ではまだまだ難しいわ」
「倒すなら部位破壊して、ですか?」
「ええ。ほとんどの魔物の皮とか鱗も素材に使えるのだけれど、無駄に叩くと裂けたり砕けたりするしね。どちらかと言えば調合の素材を集めている方が儲けはいいわ」
「お嬢様・・・」
「し、しょうがないじゃない。相手が避けるんだもの」
そりゃあ、生き物なんだから避けるでしょうよ・・・。
ここでフト気になった、皆さんが少し伏せていた事柄が沸き上がりました。
「あの、もしかしてリーズお嬢様って戦闘ダメなんですか?」
「・・・・ええ」
「武器を持って突撃していってそのまま戦うような」
「ような猪突猛進型よ。毎回、回復薬をたくさん消費して武器も防具も摩耗させているわ。」
「よくそれで進級(?)できましたね」
「テストに出るような魔物は倒せても、少し上級の魔物になるとそうもいかないわ。そして、これからは上の魔物・・・といってもこれからが普通なのだけれど、そのランクばかり相手にしないといけないから」
「リーズお嬢様では勝てない・・・と」
「そ、そんなことないわよぉー、もう少し強くなれば私だって戦えるんだから!」
「去年も同じことを言ってましたよ?」
「うぐ!」
ああ、もしかしなくてもカグヤお嬢様はリーズお嬢様のパーティなのですね。
今もやり取りだけでもう、苦労が感じ取れます。
まあ、私も人のことは言えませんが。私も向こうでは最初は猪突猛進型でしたし何度も死んで、何度も動画を見てようやくまともな立ち回りが出来るようになった部類ですから。
そういう点ではお嬢様とは同類でしょうか?
と、するならばリーズお嬢様にまず必要な事は装備の再確認でしょうか?
装備を整えるだけで楽に戦えるようになったりしますし。
PSより先に装備ですかね?大事ですよね、装備。
部屋に戻ってすぐにリーズお嬢様に確認しました。
「すいません、リーズお嬢様。お嬢様の戦闘時のステータスを教えていただいてよろしいでしょうか」
「何よ急に?は!まさか私のステータスを知ってあざ笑う気ね!」
「お嬢様の装備を他の方の装備と比較してどのくらいの差があるのか確認するだけです」
「やっぱり笑うき満々じゃないの!!!」
「フムフム、普段と外でほとんど変化ありませんね」
「何で私の装備見れるのよ!?普通見れないでしょ???」
「盗賊スキル+精神力の差でしょうか?申し訳ありませんが、比較のためにカグヤお嬢様の装備を教えていただいても?」
「いいわよ。これでいいかしら?」
お嬢様が魔導書をコチラに見せてきます。
「魔導書って普通は見れないのでは?」
「本人が許可していれば問題ないわ。あなたは勝手に見そうだけどね」
「すいません。ふむ、お嬢様とのステータスに2倍ほどの差がありますがどうしてですか?」
「単純に武具の差というのもあるけれど、この子は武器と防具しか装備していないの。他にも装飾品、加護といったものがあるのだけれど、この子は武器を強くすれば勝てるって言ってきかないのよ」
「・・・・」
初期装備で特攻とかどんな縛りプレイですか!!!!
しかも武器は自分に不釣り合いな大型武器。
「・・・リーズお嬢様・・・」
「は、はい!」
ギギギとそんな音が聞こえる様な感じで振り返った私にお嬢様もたじたじです。
「装備を整えましょう」
「え、でも明日は素材採取に行かないと」
「カグヤお嬢様、リーズお嬢様の武器は?」
「今、街のリリーフェイ武具店で修理中よ。あそこは学園内で修理すより安いから」
「今日寄ったお店ですかお嬢様?」
「そ、そうよ」
「そうですか」
「な、何よ。何か文句があるの?」
「いえ、あのお店には色々と揃っていましたので」
ニッコリと微笑む私にお嬢様はもう泣き出しそうでした。ヒドイですね?お嬢様の装備を整えるだけですよ?最低でも剣はまともに振れるように。
「カグラお嬢様、装飾品というのは私たちでも購入できるものなのでしょうか?」
「商品はピンキリだから出来る物もあれば出来ない物もって言うのが正しいわね」
「ゴニョゴニョ・・・みたいな物を装飾品枠で装備できるだけ装備したいのですが・・・」
「偏った事をするのね?」
「リーズお嬢様が今のスタイルを崩してはくれないと思いますので」
「なら、納得するしかないのかしら?」
「足りなければ最悪、武器の買い替えまで考えています」
「そうならないことを祈りましょう・・・」
「えっ?何?何を話し合ったの???」
「ダイジョウブデス、ウマクイキマスヨ」
不安しかないですが、なるようになるでしょう。
サポートするように言われていますが、装備品のサポートからですか・・・。
とりあえず、武器もまともに振れないらしいのでそこからですね。
-翌朝-
「お弁当も持ちましたし、行きましょうか?」
「ピクニック行くんじゃないのよ?」
魔物を進んで討伐する予定が無いのなら採取行動はピクニックです、お嬢様。
不意の事態には十分注意が必要ですが聞いている限りではピクニックで十分です。
「まずは、お嬢様の武器を受け取り装備を整えることからですね」
「ええ、そうね。あなたはいいの?装備、もらった時のままでしょう?」
「言いにくいのですが、この服、お二人の装備よりも良い物なので・・・」
「「・・・」」
「すいません」
そう、このメイド服。お二方の装備よりも上物で、ステータスもカグヤお嬢様よりも高いのです。
汎用的にステータスが上がっていますので今の所問題が無いのです。
「お店はもう開店しているでしょうか?」
何とも言えない雰囲気を抜け出す為にそう言うと
「大丈夫よ、普通の騎士や冒険者はもう行動を開始している時間だもの」
お店に着くまでの間はまたカグヤお嬢様に色々質問させていただきました。
騎士と冒険者の違いって各学園を出ているかどうかなんですね。
その違いだけで響きは段違いです。
専門学校を出ているかどうかの差といったところでしょうか?
「おはようございます、リリーお嬢様」
「あ、おはようございます。ってリーズとカグヤと・・・誰?」
「昨日ナイフを売っていただいたクロです」
「え?何があってそうなったの???」
「それは・・・」
昨日あった事をかいつまんで話すと可哀そうな者わ見る目でコチラを見るリリーお嬢様でした。
「はい、リーズ頼まれていた武器ね。今日1日くらいは壊さないでね?」
「だ、大丈夫よ!」
「あの、毎回修理に出されているのですか?リーズお嬢様」
「毎回ダンジョン内の壁だの岩だのにぶつけまくっているから・・・」
素早く補足してくれるカグヤお嬢様。
お嬢様、まともに扱えないのにどうしてそんな武器を・・・・。
まずはSTRを上げて武器に振り回されなくなっていただかなくては。
「すいません、リリーお嬢様。STRが上がる装飾品はどこにありますか?」
「そのお嬢様はやめてちょうだい。自分でも違和感しかなくて困るわ。」
「では様付でよろしいですか?」
「・・・まあ、いいわ。STRの上がる装飾品ね。こっちよ」
案内してもらった先には指輪型の装飾品が並んでいました。
装飾品は3つまで付けれるらしいので購入可能な範囲で3つ購入。
私もAGIを上げる装飾品が欲しかったのですが、ここは我慢です。
まずはお嬢様の強化なのです。
「お嬢様、この指輪を装備してください。」
「え?指輪?ま、まだ早いわよ。私たち会って少ししか経ってないじゃない」
何故か顔を赤くして断るお嬢様。
「いえ、お嬢様が武器をちゃんと扱えないのは単純にSTRが足りていないだけですので、この指輪を装備して底上げしてください。昨日ステータスを見せていただいて足りるとは思いますので」
「え?あ、うん」
はて?何を考えていらっしゃったのでしょうか?
お嬢様ルートへ入るフラグなんて何も立ってはいませんよ?
そんなことよりも検証ですね。私がどのくらい動くことが出来るのか、攻撃魔法はどのように発生するのか、応用は効くのか。
意志の力とやらで何でもありなら楽なのですがどうなることやら・・・・。
後、お嬢様がどれくらい武器を扱えるのか。




