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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
15/211

15ページ目 穢された純潔

いきなり晩御飯作れとか何作ればいいんだよ?

そう思いながら、食堂のキッチンを漁る。

そうして今ある食材でできそうな料理を全世界図書館(クックパッド)で探す。

「お、これよさそうだな。」


【鶏肉のトマト煮】


ざっと調べた感じこれなら作れそうだ。

下拵えをしていると1人の女性がやってきた。

「お一人では大変でしょう?お手伝いします」

「お、サンキュー。えっと・・・」

「カグヤ・フォルセです。リーズとはルームメイトになります。」

「てことは俺にとってもルームメイトか。俺はクロ、よろしく。」

「はい、よろしくお願いします。それで、何を作るのですか?」

「鶏肉のトマト煮、もうこの料理は一人でも大丈夫だから付け合わせの野菜とかの準備を頼む」

「つ、付け合わせの野菜ですか・・・」

「「・・・・」」


「もしかして料理の経験ない?」

「・・・はい」

まあ、お嬢様っぽいしそんなもんかと思いながら野菜を取って来て洗い方・盛り方を簡単にレクチャーする。

包丁なんてコッチが怖くて使ってもらえない。

ガグヤさんには悪いが盛り付け要員になってもらおう。

簡単な料理を選んだことが幸いし、ほぼ一人で料理することができた。


「おまちどーさまー」

出来立ての料理を2人で運んでいく。


「あれ?カグヤは何でそこにいるの?」

「お前が駄弁って手伝いもしない中、カグヤさんが手伝ってくれたからだよ!」

「うぐ!!」


そう言い合いながら料理を人数分並べていく。

料理は皆美味しいと好評だった。

料理集(クックパッド)の中でも簡単な料理を選んで作っているのにこんなに評価されると少し困る。

明日の朝もこれの作り置きで乗り切ろうと思っていたのに、ほとんど皆の胃の中へ消えてしまった。

それと食事の間、何故かカグヤさんからキツイ視線を感じた。

もっと色々手伝いたかったのだろうか?


夕食も終わり、一息ついたところでリーズが俺の紹介をし出した。

「私の使い魔(ファミリア)のクロよ」

それで紹介を終わる、え?自分で残りはしないといけないのか・・・。

「え~、紹介された通りリーズの使い魔のクロです。コッチに召喚()ばれてまだ2日目なので何もわかりませんがよろしくお願いします。」


ガタン!唐突に立ち上がる音を聞いてソチラを見るとガグヤさんが物々しい雰囲気で立ち上がっていた。

「クロさん!使い魔なのですからマスターであるリーズへの態度は何ですか!それに、女の子なのですからもう少し言葉遣いにも注意しなさい!!」


ああ、そっち系の事を気にする人なのか。相部屋になるんじゃあ、なおの事気になるか。

「リーズからは人として扱うと言われているから、変にかしこまるつもりは無い。口調も元々こんな感じだ。あと、俺、男な。」

「そんな言い訳が通ると・・・って男?」

「ああ、男」

「嘘でしょ!!」


周りの皆も騒ぎ始める。まあ、仕方のない事でお約束である。

メンドウなイベントが始まった。無視しても必ず発生し、後にするほど問題が大きくなるので、この機会に出来るだけ問題を解決してしまいたい。

そういう意味では現状は都合良いな。皆揃っているわけだし、最悪、寮の外に放り出されても布団さえもらえれば錬金術で寝床は確保できるだろ。


「何ならリーズに魔導書(グリモア)見せてもらって確認しろよ」

皆が確認を終え、俺の扱いをどうするかの議論に移った。

猛反対するのはカグラさん。

やや反対、どちらでも派が残りとなった。

皆、相部屋ならともかく別部屋なのでそこまで問題視してない。

使い魔の躾はマスターに一任されるので何か問題があればすべてリーズの責任になるという事だった。

責任はそうだが、無防備だな!お前ら!!

俺?ヘタレなので襲う勇気なんて無いよ。というより、今襲っても確実に返り討ちだしね。


「メイサ!寮長なんだからハッキリ言ってやって!男なんて無理だって」

「はい、はい。リーズ、ここは女子寮や。ソコに使い魔で自由に縛れ(調教でき)るとはいえ、男がおるんはマズイって分かるやろ?テントくらい貸し出したるから寮の中庭とか目立たん所でテント生活で我慢してもらえんやろか?」

「寮長!甘いです!!」

「いうてもガグヤ。コイツはリーズの使い魔、常に一緒に行動すべしと校則にもあるで?」

「それなら一旦、送還すればいいんじゃ」

「あ、居るのが目障りっていうなら認識阻害(ハイディング)できるぞ。」

「認識阻害とか余計に質が悪いわよ!」


カグヤさんは一人奮戦している。まあ、知らない男と同室になるわけだしな。

別にテントでもどうという事はないので

「俺はテントでもいいぞ。」

「あなたは檻にでも入れられているべきよ。」

檻とかヒドイ、何も悪いことしていないのに・・・。


ここまでずっと黙っていたリーズがおもむろに口を開いた。

「寮長」

「何やリーズ?そういえばリーズの意見を聞いてへんかったな。リーズとしてはどうなんや?」

「クロが居れば毎食作ってもらえますよ。このレベルの食事・・・」

ザワッ

一瞬、部屋の中がざわめいた。

「私のサポート全般でスキルを組んでくれたから掃除・洗濯・その他のメンドウな仕事ほぼ全部こなせますよ?」

ザワッザワッ

「それに、この料理だって今日は急に頼んだからあのレベルなのでもっと美味しくもなるんですよ?」


ザッ!!!


その場にいた全員がリーズの後へ瞬間移動する。

残りはガグヤのみだった。


「りょ、寮長!!!」

「スマン、カグヤ!こんな優良物件は手放せん!!」

コクコク。

周りが一斉に同意する。


固い(労働力確保)で結ばれた一団、孤立無援のカグヤ、無視される俺。

優勢は決した。


「しかし、男が寮に居るなんて・・・・」

未だ納得していないカグヤ。半泣き状態だ。

「分かった。男がおるんが嫌なんやな?」

そういうと寮長は意味ありげにニヤっと笑った。

瞬間、俺の背中に嫌な汗がツゥーと流れるのを感じる。

その場を急ぎ離れろと何かが警鐘を鳴らす。

逃げようとしたが、既に両方から抑えられており逃げ出せない。

固いい絆で結ばれたパーティだ、このくらいの連携は朝飯前だ。

あ、何かしびれてきた・・・。誰か麻痺系のスキルか魔法使ったかい???

「幸いクロは見た目はほとんど女の子やから服装と言葉づかいでだいぶマシになるやろ?」

「おい、ちょっと待て!」

「それに服はウチらが出したるし、態度とか言葉使いはマスター権限で縛る。部屋割りは頑張って稼いで拡張したらいいやん。」

「おい、俺の意見を聞け!!ムガッ!?」

「それともカグヤがメシの準備とか掃除・洗濯とかやってくれるんか?」

「ム~。ム~」


追いつめられるカグヤ。猿轡をされ、話すらさせてもらえない俺。

優勢は、やはり決していた。


「分かり、ました・・・。」

「ム~~~~!!!!」

頑張れ、頑張ってくれよ、カグヤ!!このままじゃあ、俺、おれ・・・・・・


「まあ、安心し。ホンマに全部やらせるわけちゃうから。ウチらもちゃんと手伝うから。な!」

明るく笑いながら話しかけてくるが、そうじゃない!

俺が気にしているのは女装させられるかもしれないという点だ。

確かにゲームではメイド服やら巫女服、スク水等は大好きで着せ替えているが今回は自分だ。

なんという辱めだ。学校でだってこんないじめ受けた事ないぞ!!

最後の希望を託しリーズの方を見ると

「うーん、コッチに来る前の姿で執事でもしてもらおうかと思ったけど、そっちの方がいいわね」

「なんや?来る前の姿って?」

「私が呼び出す前の姿よ。こっちに来て容姿が変わったんですって。前は小さくて太り気味だったらしいわよ」

うわ~~!!!辞めろーー!!言うなーー!!!

「アカン、アカン。却下や却下そんなん。そんなことしたらどんだけ有能でも追い出すで!!」

コクコク

賛同する一同。

「んで!どのメイド服にするー?」

広げられた魔導書にはカタログの様にメイド服が多数乗っていた・・・。

「やっぱりフリフリな方が可愛くない?」

「いや、クラシックなのも捨てがたい!」

「明るい色も新鮮でいいかも・・・」

「この寮と内装との調和も考えないと浮きまくるわよ」

・・・・

・・・

・・


皆キャッキャして俺がきるであろうメイド服を選んでいく。

さっきまで怒っていたカグヤさんは同情の目でコチラを見て、優しく肩に手を置いてくれた。

「ム~~~~!!!!ム~~~~!!!!」

「何やねん!うるさいな!!今ウチらはメイド服っを選ぶ大事な作業中や!!!何か文句あるか!」

物凄い圧力を放ちながら猿轡を取り外す寮長。

そんな寮長に俺はあきらめと最大限の思いを込めてこう言った。言うしかなかった。

「スカートはロングでお願いします」

・・・・・

・・・・

・・・

・・

少しの間流れる沈黙。

「スカートの長さ指定とかアンタ変態か!!」

「男がスカートってだけでも大ダメージなのに短いスカートとか殺す気か!!!」

「スカートから中身が見えるんわロマンとちゃうんか!!??」

「少なくとも男の履いたスカートの中身は見たかねぇよ!!!」

「今のアンタは自分からバラさんかったらどう見ても女の子やし大丈夫やb」

「寮長・・・流石に本人の意見も尊重してあげては?」

「何やカグヤ?コイツの擁護なんかして」

「流石に見えいて可哀そうすぎたので・・・・」

「まとりあえず(・・・・・)はそれでガマンしたろか」

とりあえずという事はいつか着せるつもりらしい。

今のこの人のテンションなら本当にやりかねない。

モンスターより先にこの人から逃れられるだけの力を付けないといけない。


「リーズ、とりあえず口調縛っといて。あ、後、縛るんは楽やけど、数増やしたら効果も薄くなるから注意な」

「はい、寮長。」

リーズの本が輝きだした、そんな簡単に縛られてはたまらない。

「止めて下さい。リーズお嬢様!!」

あれ?言葉が・・・

自分では「止めろ。リーズ。」と言ったはずなのに・・・・

試しにもう何度か話してみるが、結果は変わらなかった。

丁寧な言葉使いをちゃんと知っているわけではないがそれっぽい言葉を発している。

私が・・・。

あ、一人称も変わった・・・・。


打ちひしがれているところを寮長さんに引きずられていく。

メイド服に着替えされた私は食堂でさらし者人された。

皆さん、なぜがとてもいい笑顔でした。


私の純潔は穢された・・・。


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