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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
14/211

14ページ目 異世界の街に出る

「今日はアンタの装備を買いに行くけど何が必要なの?」

朝飯の片づけをしているとリーズが聞いてきた。

「ナイフを何本かとロングソード1本、軽装の鎧、後アイテムボックスが欲しいな」

「アイテムボックスは人気があるから買えないかもしれないわよ」

「ん?リーズが持っているのはどこで買ったんだ?」

「私のはお父様のおさがりよ」

「納得。アイテムボックスってどこかのギルドが作ってるのか」

「ええ、そうだけど?」

「サンキュー」

「???」


リーズは質問の意味が分かっていないようだった。

錬金術師はアイテム作成もできるのだ。作り方は【世界図書館(アカシックレコード)】で調べれば出来るだろう。


初めての異世界の街は俺のよく知っている中世風の街並みだったけれど、謎の感動に包み込まれた。

テレビで見るのと実際に見るのとは違うような感じだ。

「何呆けているのよ。まあ、分からなくもないけどね。ここフェリアはコスカートの首都だからね」

「あ、ああ。異世界の街とか初めてだからな。趣があっていい。どう言って良いのか分からないけれど、何かこみ上げる感覚がある」

「そう、気に入ったなら良かったわ。行きましょう」


まずは武器屋へ向かった。

ゲームよろしくで色々な武器が所狭しと置いてあり、それぞれに値札が付けられていた。

俺の武器を買いに来たはずなのにリーズはどんどんと奥へ入っていき、大きな剣の置いてあるエリアで物色し始めた。

「それリーズにはデカ過ぎるだろ」

「良いのよ。私は大剣で一気にダメージを与えていくスタイルなんだから!」

スキルでリーズのステータスと見ている大剣の要求ステータスを見比べるが明らかにリーズのSTRが足りていなかった。

武器や戦闘スタイルに強いこだわりがあるというのはよくあるので、錬金術師のスキルが上がったら使いやすそうな武器をプレゼントしてみよう。

「悪いがリーズ、先に俺の武器を見たいんだが・・・・」

「私はココで武器を見てるから店内で自由に探しなさいよ」

「え~・・・」


まさかの放置である。


「何かお探しですか?」

店内を順番に見ていると女の子に声を掛けられた。

俺より身長が低いから10歳くらいか?こんな小さい時から働くなんて偉いなぁ・・・。

「ナイフとロングソードが欲しいんだけど」

「それならコチラです」


まず案内されたのはナイフが置かれている場所だった。

「何に使われますか?」

「戦闘に使う予定だ。」

「そんなに小さいのに戦闘をするんですか?」

「え?君の方が小さくないか?」

思わず聞き返してしまう。


「あ~、私ドワーフ何で身長低いんですよ。これでも18です」

「年上・・・、あ、小さいってすいません。」

「良いですよ。慣れてますから‥‥。」

少し凹んだようだった。


「うちのお店は初めての様ですけど、学園の新入生の方ですか?」

「いや、使い魔として呼び出(召喚)された。今日は装備を揃えるために来た」

「へぇー、なら学友ね。私はフィレンツェ・リリーフェイ。セルグリンド学園中等科鍛冶師(スミス)志望よ。あ、ごめんなさい。お客様なのに」

「いや、いいよ。友達感覚の方が武器選びの相談とかし易いし。あ、俺はクロ。マスターは・・・」


「クロー、武器あったのー?」

物色が終わったのかリーズが向こうからやってた。

「あいつがマスターのリーズだ」

「あら、リリーこんにちわ」

「また剣を見ていたのリーズ?ココにあるのは今のあなたには扱えないって言ってるでしょう?」

「い、いいじゃない。見るくらい」

「はぁ、いいけどステータスが要求値に達しない限り売らないよ」

「わかってるわよ・・・」


ああ、来る度にあの状態なのか。

「で?アンタは武器決まったの?」

「あ、まだだ。」

手にフィットして刃の形が好みのナイフを2本、普通のロングソードを1本購入した。

「あ、クロさん。リーズ、お友達少ないから良くしてあげてね?」

「うるさいわよ!!!」


そんなやり取りの後俺たちはリリーさんの店を出て別の店に向かった。


「それで、防具はどんなのにするの?」

「軽装の鎧とマントにしようと思ってる」

「ショボくない?」

「自分の金じゃないしな。自分で稼げるようになったら追々良い物に変えていくよ。」


防具も無事に買えて、夕食の食材も買い終わった帰り道

「そういえば、そろそろ他の寮の皆も帰って来るから問題起こさないでよ?」

「自分から起こそうとは思わない」

とは言いつつ何か起こるんだろうなぁと思いながら帰路に就いている。


寮に帰って来て街の方を見ると、ちょうど夕焼けが街に沈むところだった。

日本ではこんな風景は見ることが出来ないなと思いながら今日の晩御飯のメニューを考えなければならなかった。

母さん、婆ちゃん。毎日ご飯作ってくれてありがとう。俺は2日目でもう面倒くさくて辞めたいよ。


寮に入るとリーズの部屋ではなく食堂に食材を運ぶように言われた。

何でも今日あたりから皆帰って来るので食堂で食事を取るそうだ。

食事は食堂でがココのルールらしい。


食堂の方から声がするのでリーズと一緒に向かうと10人ほどの女の子たちが談笑をしていた。

「あれ?皆もう帰ってきたの、この前より早くない?」

「私たちがいないとリーズ寂しがるでしょ?」

「さ、さみしくないわよ!!」

そう言ってリーズもそのまま談笑の輪へ入っていく。

俺がどうしたものかと立っていると

「あ、私にもようやく使い魔(ファミリア)契約ができたの。クロよ!」

自慢げに俺の紹介をするリーズ。


彼女たちは上から下まで俺を観察し発言がある前に

「じゃあ、クロ!あなたの実力を見せる意味で晩御飯よろしく!」

「おい!!」

何で実力見せるのに晩御飯なんだよ、しかも大人数の料理なんて何作ればいいんだよ。

使い魔が出来て嬉しいのは分かるけど、もちょっと自重してください。

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