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ファミリアエッセンス  作者: 玄亀
13/211

13ページ目 夕食

「ん、ここは・・・?」

神殿でスキルの進化を行って後出しで魔力を要求されて気が遠くなったまでは覚えているんだが・・・。

辺りを見回すと神殿でないことはすぐに分かった。

リーズが机で本を読んでいるあたり、ここはリーズの部屋なのだろう。


「悪い、リーズが運んでくれたのか?」

「そうよ」

「重くなかったか?」

「私とほとんど同じ体形なんだもの、魔力強化して持てば重くなんて無いわよ。それより、何で急に倒れたのよ?」

ユニークスキル(エボリング)の効果を確かめていた。効果はスキルの進化。多分、進化し続けるとかそんな感じの意味だろ」

「進化!!じゃあ、色んなスキルを覚えて全部進化させれば・・・」

「悪い、無理」

リーズには悪いがそんなにポンポン進化させるつもりはない。


「デメリットが酷かった」

俺はリーズに進化させたスキルと進化後の効果、デメリット、魔力消費の事を話した。



「何それ!破格じゃない!!少し運が悪くなるだけでこの世界だけじゃなくて、異世界の知識まで調べて使い放題とか!!!」

「少し運が悪くなるだけだと!!!」

俺は、運が下がるとは、センサーに引っかかるとはどういうことかしっかりとリーズに教え込んだ。

おかげでリーズも悪運とセンサーに引っかかることの恐ろしさを分かってくれたようで、他のスキルを進化させようとは言わなかった。


ぐぅ~・・・


腹のムシがなった。俺の。

呼び出される前は夕方前で、コッチに呼び出されたのが朝、そして今は夕方。

「リーズ、何か食べ物あるか?」

「ええ、冷蔵庫の中に入ってるわ」

コッチの冷蔵庫も機能は変わらないようだった。違いは電気か、魔力かどっちで動くかだくらいだった。


「・・・・・おい、」

「何?」

「野菜数種類と肉のブロック、果実と果汁っぽい液、調味料っぽい物しかないんだが?」

「ええ、昨日、買い足したばかりだし今は私一人しか居ないもの作り置きなんて無いわよ」

「つまり自分で作れと」

「私の分もお願いね」

「材料は自由に使っていいのか」

「あなた、料理できるの?」

「できないけど、スキル(アカシックレコード)でどのくらい出来るようになるのか実験したい」

「え?!もしかして失敗料理が出てくるの?」

「材料調べて、それで作れそうなのを調べてから作るからそこまで失敗はしないと思うぞ。こういうことは余裕のあるうちに確かめておきたい」

「・・・そんな実験、今必要なの???」

「(俺の)今後の為に・・・」

・・・・

・・・

・・


嫌な沈黙が流れる。

スキルの知識の適応がどの程度なのかしっかりと把握する必要がある。

「もし必要なら料理系の特殊スキルを買って可能な限り進化させる。そこにどんなデメリットが発生しようとも!!」


そう、メシが不味いのはよろしくない。食堂や露店などがあればいいが、いつも街中というわけにはいかないだろう。

何もない所でメシを食う事もあるだろう。そんな時に不味いメシを食いたくないのだ。俺が。

リーズは見た感じ良い所のお嬢さんっぽいので料理とかそういうのはダメそうだ。

そうなると必然的に俺が作るようになる。どうせ自分が作るなら、楽して美味しく作りたいのだ。


俺の本気さが無事に伝わり、出来るだけ失敗しても問題ない料理を作ることになった。


「私、シチューが食べたい」

「シチューって難しくない?」

「スキルの実験なんでしょ?少しくらい難しいのにしないと」

「失敗しても知らないからな」

「その時はあなたが一人で食べるのよ」


何かヒドイことを言われたけど、スルーしよう。

俺はおまえ(アカシックレコード)を信じるぞ!


適当なシチューを選んでスキルが発動できるか試してみる。

スキルが発動するとまるで元々知っていたみたいに作り方が頭の中に思い浮かぶ。

野菜を取り出して料理を始めると殆ど使ったことのない包丁も、よく手に馴染んで問題なく進めることができた。



「リーズ、出来たぞー」

シチューだけでは足りないだろうと近くの食べ物を売っている所を聞くと指輪型のアイテムボックスから

パンを出してきた。

何でさっき出してくれなかったの???


お皿に盛りつけていざ、実食!!

「「いただきます!」」

リーズが迷わずシチューを食べ始めた。

リーズは自ら進んで人柱になってくれる、よゐ娘だった。


一瞬リーズの反応を見てから俺も食べ始める。

うん、美味いけど何か足りない。

何が足りないのかと考えながら食べていると

「美味しいわ。スキルの補助で作っていたから素直に褒められないけれど、美味しいわ」

「食の面での補助をしてくれっていう要望には応えられそうだな」

「そうね。これなら問題ないわ」

美味しいと言ってもらえるなら良かった。


食器を片付けた後、今後の予定について聞いてみることにした。

「明日からどうするんだ?」

「明日はアンタの装備、道具なんかを揃えに行こうと思うわ」

「おお!街に出るのか。異世界の街なんて楽しみだ!!」

「はぐれないでね。今のアンタは子供以下なんだから」

「はい・・・。」

しょうがないね、右も左も分かんないし素直について行こう。

でも、異世界の街ってどんな街並みなんだろう、やっぱり中世風なのかなぁ・・・

アニメやゲームの街並みを思い描いていく。

子供の様に期待は膨らんでいくのだった。




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