大樹と明
-図書室-
「大樹いるかー」
そう言うと向こうから返事が来た
「ん、あぁ連か、ん?そちらの人は?」
出てきたのは高身長で細身
普通にモテそうな黒髪の男…大樹だ。
しかし大樹はクラスの明るい輪が好きじゃなく
クラスでの関わりが極端に少ないため逆に気味悪がられている、なんてもったいないやろうだ。
なんで無駄にイケメンなんだよ
「あぁこいつは陽菜乃、転校生だ」
陽菜乃の紹介を軽く済ませると
大樹が質問してきた
「ふむ、転校生か、んで、今日は何の用?」
いつも図書室にいる大樹にはオカルトのことでよく話が合う、だからよく話していたのだ
「今日はお前に協力してほしいことがあってな」
「俺に、協力?」
「あぁ、それについては今から説明する、
が、その前に、だ」
俺は後ろのドアを開ける
「大樹」
「明…」
「明から大樹に伝えたいことがあるそうだ」
そして明は、昔を思い出すように
ポツリポツリと言葉を声にした
「大樹あのときお前と友達じゃないなんてひどいこと言ってごめん」
あのときというのは友達に大樹と友達なのか?
と聞かれたときのことだろう
「あの時俺は怖かったんだ、お前と友達でいることで、俺にも何か言われるんじゃないかって」
そう明が告げると、
大樹からは予想していなかった返事がかえってきた
「わかってるさ、そんなこと最初から」
俺もこの言葉にびっくりだが
それ以上に驚いたのは明だ
「え?わかってるって?」
「当たり前じゃないか?俺とお前の間なのに、俺の方こそすまない、わかっていたんだが、なかなか言い出すタイミングがなくてな」
と大樹
あぁ当然といえば当然のことだった、2人は喧嘩してたわけじゃなかった、明は自分のために嘘をついたそしてそのことをずっと後悔していた。
だけどそれを大樹は知っていて、
明のために言わなかった、か
誰も喋らない、、俺が切り出すしかないか
「よーし、これでもとの関係に戻れたな、よし大樹説明を始める」
「あぁ」
-説明中-
「ということなんだ」
俺が説明を終えるとやはり想像どうりの言葉がかえってきた
「なるほどねぇ、面白そうだ、ぜひ協力させてくれ」
やっぱり大樹なら乗ると思った
「そう言ってくれると助かる」
俺が礼を言うと陽菜乃がおずおずと
「えっと大樹さんですよね?」
話しかけられた大樹は
「あぁ君は陽菜乃さんだったよね?」
と普通に返事を返す
「はい、あの、これからよろしくお願いします」
「あぁこちらこそよろしくね」
そこで俺は疑問に思っていたことを
陽菜乃にきいた
「なぁ、具体的にはどこで何をさがすんだ?」
そうすると陽菜乃は、
「昔の事件に関しての何か、例えば新聞とかあれば」
しんぶん?
「そんなものでいいのか?」
「うん、きっと手がかりになるから」