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藤原さん

藤原さん 9

藤原さん 9


「たまにさぁ、どうしてこの人がこの人と付き合っているんだろうって思うことってない?」

急に前の席にやってきた美智佳が言い出した。カラフルなマフラーをはずす。外は寒そうだ。

「ないな。」

「ないわね。」

俺と藤原の返事が被った。たが、その返事に美智佳は不満そうに言う。

「ないのー?まったく?全然?ハンサムな彼に不細工な彼女とか、逆とか気にならない?どうして彼女なんだろうとか。」

「ならない。」

「ならないわね。」

まただ。

「どうしてよー?」

「どうしてって……。」

俺に言わせれば、なぜそんなことが気になるのかのほうがよく分からない。自分に全く関係のない人たちが付き合おうと別れようと知ったことではない。

「たぶん、その人たちに興味がないからね。とくにこちらがなにか損をするわけでもないし。知ったところで得もないし。」

藤原は言う。俺はその言葉に頷いた。

「でももし自分の友達が悪い子と付き合っていたら、止めようとかない?」

「ないな。」

「ないわね。」

「冷たいー。」

「いや、一応、どうかと思うよ?って助言はするけど、あとはそいつの勝手だろう。言っても無駄だろうしな。」

藤原も頷く。

「私、たぶん助言さえもしないと思うわ。」

「でも相談とかされたら……。」

「相談、お前以外からされたことないな。」

「私もないわね。たぶん相談しても無駄って思われているんだと思う。それに相談しようがしまいが、決めるのは自分でしょうし。」

「そうだけど!聞いてほしいだけとかあるでしょ!」

 俺と藤原は声を揃えた。

「ない。」


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