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神とは言え、全知全能では無いのです

 無事に北極大陸初期人類への義務教育等も終わり、漸く俺らは表舞台から姿を消して隠遁生活。

今ではのんびりまったり他の作業に従事しています。

まぁレナ達やルナ達はまだまだ現役なんですがね。


 そんなある日。

たまたまエッジ達ギルマス以外の全員が揃ったので、久々に北極大陸の露天風呂で風呂酒中で御座います。

 ジンさん達も久々に〝始祖の神様”とかの本体(と言うか分身体?)に戻って、のんびり中。

タリズ達も〝男体化”して一緒に風呂酒しています。

で、陸くん達だけは〝この寒空の中で露天風呂を楽しむ”って訳にもいかないので、彼らだけは内風呂で兄弟水入らずの風呂酒をして貰っています。

流石にまだまだ〝低温耐性”スキルが低いと、此処で露天風呂を楽しむのは厳しい模様。

一瞬一緒に出てきたものの、すぐに内風呂に引っ込みました。


 トウだけは女性陣に拉致られて女子風呂へと連れて行かれました。

俺の中ではトウってば雄なんだけど、女性陣にとっては獣状態だと単なるペット扱いらしくてあっさりとモフモフ好きな美の神様に拉致られて居ました。

 恐らく・・・いや、まぁいいや。女性陣の癒し要員として頑張ってくれぃ。

俺には出来ない事だからさ・・・。



「改めまして、皆さんお疲れ様でした~。

いや~当初は皆さんの〝分体作成”に渋っちゃいましたけど、皆さんのおかげで助かりましたよ。

久々に全員揃いましたし、今日はのんびり飲んでやって下さい」


『うむ。この体で飲むのも久しぶりじゃのぅ。

抜ける様な晴天じゃし、蒼と白の景色も素晴らしいのぅ。雪見酒と言うのもいいもんじゃわぃ』


「ですよね~。

皆さんの〝低温耐性”スキルが上昇したら、例え分体・・でも大丈夫だと思うので、もう少しの辛抱ですね。

まぁ神体・・だったら問題無いでしょうし、もう暫くの我慢って所でしょうか?」


『じゃな。んぐっ・・・っかぁ~! この寒空の下で飲む熱燗はたまらんのぅ!』


『『んぐっ・・・ふむ。確かに旨い』』


『んぐっ・・・ふぁ~っ、旨い。兄様方も、もっと気楽に過ごされた方が良いですよ?』


「ですです。今まで散々お世話になりましたし、今日ぐらいはのんびり過ごして下さいね?」


『『うむ。感謝する』』


「それにしても色々とありましたねぇ。まぁ自分達の世界を半ば放置しておいて何なんですが。

でも結構充実して居ましたし、楽しかったなぁ・・・」


「何です?ミツハルさん。

〝もう終わった”感を出して居られますが、まだまだお願いしたい事は山ほどありますよ?」


「いやいや。悪い意味では無くて、〝漸く一区切りついたなぁ”と思いまして」


 同様に頷く他の面々。


「それに関しましては本当に有難う御座いました。

一応今までの分と今後の分を含めて、ちょっとした報酬はご用意させて頂いて居ますので、今後とも宜しくお願いします。

・・・って事で、今は気楽に風呂酒を楽しんで下さい。

ささ、お一つどうぞ・・・タリズ達も遠慮すんなよ~?」


「「「はい」」」


「おっとと・・・んぐっ・・・ぷはぁ。旨いなぁ・・・染みるっ~」


「始祖の神様方もどうぞ」


『『『すまんな』』』

『んぐっ・・・おっとっと。ありがとね~』


「いや~。自分は久々にこの体に戻りましたが、やっぱり神体・・は楽ですねぇ。

あれからもう30年近くになるんでしたっけ? 長かった様な、短かった様な・・・」


「その辺はそのうち慣れますよ?

私は殆ど分体・・で過ごして居ますからね。慣れの問題ですって。

その分、皆さんの分体・・の方のステータスやスキルなんかも成長したんですよね?」


「そうですね」


 ミツハルさん同様に頷く、他の神々。


「だったら、さっきも言いましたがもう暫くの我慢ですかね~」


「ですねぇ・・・ん゛っ・・・っぷは~。酒が旨いなぁ・・・。

あ!分体・・で思い出しましたが、〝ジンさんの分体・・の件”ってどうなったんですか?」


「あぁ、あの件ですか・・・結局謎のままなんですよねぇ・・・」


『む?何じゃ? ワシに何か問題でもあったんかいのぅ?』


「いや、ジンさんの〝老化偽装”スキルの謎の件ですよ」


『あぁ、アレか。確かに謎じゃったのぅ・・・』


 実はジンさんこと始祖の神様の分体・・に関して、大いなる謎が発生していました。

他の面々(理の神様方も含む)の〝老化偽装”スキルはちゃんと機能して、経年によるシミや白髪化なんかの老化現象が見られたのですが、ジンさんにだけは何の変化も無かったのです。

 元々、〝来訪者の分体”作成時点で見た目が老人に片足(下手したら腰まで)突っ込んで居た容姿の始祖の神様だったのですが、なぜかその後も全く変化無し。

ジンさん的に少し期待していたらしい、〝若返り現象”も見られなかったのです。

んで、「〝老化偽装”スキルが仕事していないのか?」とも考えましたが、偽装LP値はちゃんと増加していたのでその可能性は無かったっぽい。

「じゃぁスキルの不具合か?」とも考えたのですが、〝モノリスの書”を見返してもこんな現象が起こる記述ミスは見当たらず。

しかも他の上位の神様方(理の神様方)はちゃんと偽装出来て居たので、「何らかのミスとも思えないし・・・」って状況でした。

 その為、一部初期北極大陸人類達からは〝不老”疑惑が出たりもしましたが・・・。

 まぁ何にせよ、ジンさんの〝老化偽装”に関しては謎だったんです。


 ちなみに俺。ちゃんと見た目は老化しました。しかも〝ひじょ~に嫌な方向”へと老化。

マジで今後〝老化偽装”する場合があったら、ちゃんとした食生活をしようと固く心に誓いました。

(元々チビだったので、それはまぁ仕方が無いとして。さらにハゲ&小デブって詰んでますよね?

デブなのは・・・まぁ食生活を改善したら何とかなるだろうからスルーするとして。問題なのはハゲの方。

〝綺麗なハゲ方”じゃなくて、〝見るも無残なハゲ方”だったんです・・・。マジ泣ける。

最終的にはコッソリ〝完全変身”を使って誤魔化しましたが(スキルの無駄遣い)、気分は〝ヅラ装着!”って感じでしたよ・・・)

 他の面々(理の神様方や陸くん達も含む)は、日々の努力の賜物か、持って生まれた物なのか・・・。

俺からすれば、皆さん羨ましい老化の仕方でした。

体型も多少下腹が出た方は居たものの、どちらかといえば〝貫禄が出てきた”って方の太り方。

御髪も殆どの方が一部が白髪化した程度。若干生え際が後退した唯一の方が、ロンメルさんだけと言う・・・。

何故に此処まで俺とは違うのか・・・。

俺って一応はこの世界で一番偉い立場なはずなのに、他の〝来訪者の分体”を含めちゃうと一番みっともない年寄りになってしまいました。


 まぁそんな俺の事情はさておき。(現実逃避?)


「始祖の神様でも理由は分かりませんか?」


『分からんのぅ。

ワシらが〝モノリスの書”を強化した以上、ワシら全員に対しても影響は出るはずなんじゃがな。

理由と言われても想像もつかんわい』


「そうですか・・・」


 ついでに・・・と言うか、実はもう1つ謎現象が発生していました。

大体〝来訪者の分体”として50年分ほど(2万日弱ぐらい?)過ごすと、なぜか〝不老”スキルと〝不死”スキルが生えたのです。

最初に発露したのは、一番分体・・歴が長いディーさん達母娘。

問題発生当時は本当に謎だったのですが、後に陸くん達だけが〝不死”スキルを習得しなかった事で、ある程度仮説が立てられました。

要は〝元となる本体(神々の場合だと分身体とか)が持って居るこの世界での・・・・・・スキルが発露するのではないか?”って事です。

 まぁあくまで仮説であり、いちいち検証するのも面倒だったので、皆さんのそれらのスキルに関しては合意の上で封印させて頂きました。



「あ!謎と言えばレナちゃん達も謎ですよねっ!?」


 俺が落ち込んだのを察知したのか、ミツハルさんが露骨に話題転換。

ちなみに俺が〝チビ&ハゲ&デブ”に悩んでいたのは、全員が察して居た模様・・・泣ける。


「ん?レナ達の謎って何ですか?」


「え~っと。リューノさんが子作りした時って神体・・だったんですよね?」


「多分そうだったと思いますよ? とは言え、正確には私は知らないのですが・・・。

タリズ?その辺の所はどうだったの?」


「ミツハル神様の仰られる通り、あの時主様は神体・・で御座いました。それが何か?」


『あ~そういう事ね。確かに他人から見れば謎かも知れないねぇ』


「ん?魂の神様??何が謎なんですか?」


『レナちゃん達に関しては、リューノくん・・・いや、リュウノスケくんの認識外だったって事』


「・・・つまり、自分共の認識で〝ああなった”と?」

 フェンも参戦。


『そういう事だね』


「あの~?そもそも、レナ達の謎って何ですか?」


『リューノくんはレナちゃん達が〝ちゃんと人類として誕生した事”を不思議に思わなかったの?』


「どういう事でしょうか?」


『先に確認しとくけどさ。

タリズくん達ってリュウノスケくんと子作りした時は、どういう状態・・だったのかな?』


「〝完全変身”を使い、人類として・・・・・子を成しましたが?それが何か?」


「・・・なるほど」

 フェンだけは今の質問だけで何か分かったっぽい。


「ん~?それの何が謎なんでしょうか?」


『アレ?そこからなの?』


 若干魂の神様は呆れ顔。バカですみませんねぇ・・・。


『リューノくんさぁ?人間種って純血種だよね?』


「そうですね」


『だったら、人間種同士で交配した場合、誕生するのは?』


「そりゃ~純血種だから人間種・・・あぁ!なるほど。言われてみれば確かに変ですね」


 〝モノリスの書”の記述通りであれば、純血種の人間種同士が交配した場合、生まれるのは必ず人間種になるはず。

神とは言え、一応は人間種と言える俺と〝完全変身”によって人間種に変身して神体・・の俺を襲ったルナ達。

当然生まれるはずの子は、純血種同士の交配なので人間種になるはず・・・。

あの時はソレ所じゃなかったし、「そんなもんかな~?」と思ってスルーしちゃったけど、言われてみれば確かに謎です。


『だよね?神体・・とは言え、〝一応は人間種状態のリュウノスケくん”と、〝人間種状態のルナちゃん達”とで子作りしたのに、誕生したレナちゃん達は〝人間種では無かった”って事。

何故か獣人種だったり、翼人種だったりが誕生しちゃったって事だね』


「なるほど・・・つまり先程の魂の神様の言い様だったら、〝ルナ達の認識でそうなった”って事ですか?」


『うん、そういう事。一応ルナちゃん達もあの時点で神だったからね。

格上とは言え、リュウノスケくんは無意識状態だったからね。ルナちゃん達の認識が優先された感じかな?』


「しかし魂の神様? 我らはあの時、間違いなく〝人間種として”主様と子を成しましたが?」


「兄上。問題となるのは其処では無いのですよ」


『そういう事だね』


「「「???」」」


 フェンだけは完全に理解した模様。俺とタリズ。シファードだけが理解していないっぽいです。むぅ。


「兄上?自分共の主様に対する存在・・は、どうお考えでしょうか?」


「それは無論従魔として・・・なるほど。そういう事か」


 タリズも分かったっぽいです。ついでに言うと、横で聞いていたシファードも理解したっぽい。


「あの~?俺だけ置いてけぼりなんですけど?」


「主よ。我らはあくまで〝主の従魔である”と言う事です。まぁ正確には〝契約従魔”ですが」


「???」


『単純に言ってしまえば、幾ら〝完全変身”を使っても、ルナちゃん達の認識では〝従魔”としての認識の方が勝っていたって事。

既に神として存在していたとしても、ね?』


「ん~???」


『分からないかなぁ・・・ルナちゃん達にとっては、あくまでもリュウノスケくんの〝従”であり、種としての根源は〝魔物”だったって事だよ。

つまり今回の場合では、〝完全変身”によって人間種にはなっていたものの、本質的には〝魔物”として子を成したって事になるね』


「って事は・・・あの時は多少自分なりに予想はして居ましたが、やっぱりレナ達は人間種と魔物のハイブリッドって事ですか?」


『極端な言い方をすれば、そういう事になるね。

あの時点での〝モノリスの書”では想定外の〝生物に関する交配の例外事例だった”って感じかな?

まぁが関わっていた以上、本当に規定外の事態が起こっちゃったって事だね。

今後も同様の事があったとしても、前例が出来ちゃった以上同様になるかも知れないだろうけどね』


「そうなんですか?」


『まぁ・・・多分だけどね。

でも基本的には〝モノリスの書”の記述に準拠するはずだから、問題は無いだろうけどさ。

本当にレナちゃん達だけが〝例外だった”って感じ』


「じゃぁ例えば、以外の純血種の人間種と〝完全変身”で純血種に変身した魔物・・・聖獣でもいいか。

まぁとにかく、今後それらが交配した場合だとどうなりますか?」


『さっきも言ったけど、基本的には〝モノリスの書”の記述に準拠した種が誕生するだろうね。

重ねて言うけど、どちらかがだった場合は例外が発生するかも知れないけれどね?』


「ふ~ん。・・・ぶっちゃけますけど、現状の記述でも問題は無いでしょうか?」


『大丈夫だと思うよ? 本当にレナちゃん達の場合が例外だっただけだしね』


「なら・・・まぁいいか。

そっか~。やっぱりレナ達って、色々と特殊な存在だったんだねぇ・・・」


『そうだねぇ。本当に大切にしてあげなよ?』


「勿論ですよっ! 言われなくても大切にしますって。

一時は反抗期なんてありましたが、それでも愛しい愛しい愛娘達ですからね」


『ははは。まぁ散々親馬鹿なリューノくんを見てきたから、心配はしていないけどね』


「ついでで何ですが、私からもリューノさん・・・いえ、この場合はリュウノスケさんにかな?

前々から疑問だったので、1つ質問させて貰ってもいいでしょうか?」


 ヒロアキさんも参戦です・・・しかし〝質問”って何だろう?


「構いませんが・・・何でしょうか?」


「どうしてリュウノスケさんは〝銀河”を貰わなかったんですか?」


「・・・は?」


「いや、リュウノスケさんが統治して居られるのは〝銀河”じゃなくて〝1つの星系”ですよね?

何か特別な理由でもあったのかと思いまして」


「・・・へ?・・・・・・あぁ!確かにっ!!

って言いますか、初期状態的にも〝1つの星系”だったので、この場合は魂の神様にお伺いしないと。


で、魂の神様。どうなんでしょうか?

どーして私は〝銀河”を頂けなかったのですか?」


『ソレはアレだね。リュウノスケくんの・・・いやこの場合は〝下級神の”と言った方がいいのかな?

まぁソレの処理能力と言うか、統治能力の問題だね。


って言うか、リュウノスケくんの場合も最初はちゃんと銀河を1つあげるつもりだったんだよ?

実際銀河なんて、今でも有り余っている状況だしね。

でもリュウノスケくんってば、予想の斜め上を行っちゃったからねぇ・・・』


「と、仰いますと?」


『リュウノスケくんの場合だと、僻地希望だったじゃない?先ずそれが一番の理由かなぁ。


ぶっちゃけ、銀河なんて立地の問題さえ無ければ、後からでも簡単に拡張出来ちゃうもんなんだよ。

中級神だと神力的にちょっと厳しいけれど、そういう事に特化した上級神なら問題無く出来るんじゃないかな?

ましてや兄上様達に頼んじゃえば1発で済んじゃうしね。

まぁ兄上様達の場合だと、神力消費の都合上そうそう出来る事でも無いんだけどね。


で、リュウノスケくんの場合の話。

〝とりあえず僻地の他の銀河からも離れた1つの星系からスタートして貰って、後々拡張すればいいかな~?”って考えて居たんだけど、リュウノスケくんってば〝モノリスの書”で〝1つの星系”を〝銀河”として完結させちゃったじゃない?

そのせいだよ。


まぁさっきもちらっと言ったんだけど、〝下級神の統治能力の問題”もあるんだけれどね?』


「「「「「へ~」」」」」


 元地球出身の神5柱揃って呆れ顔。

まぁ簡単に〝星系を銀河へ拡張可能”とか言われても、〝ピン”と来ませんわ。


『ミツハルくん達には話した事があるかも知れないけれど、下級神って言ってみれば平社員みたいなものなんだよね。

で、中級神がそれらの管理職。上級神がさらにその上って感じ。

まぁこの図式って〝輪廻転生の輪の件”以前の話なんだけどね。


実際問題として、下級神程度だったら1~3つの星系を統治する程度の統治能力しか無いんだよ。

あぁ!この場合の〝統治能力”って、神力的な意味での話だから勘違いはしないでね?

使える神力的に1~3つの星系を統治するので精一杯って感じだと思えばいいかな?

まぁ干渉を最小限度に抑えたら、もっと統治可能な星系の数は増えるんだけどね?

それだと問題が発生した時に、〝ちゃんと統治出来るか怪しい”って事で、以前はこんな感じが基本だった訳。


で、徐々に統治可能な星系の数を増やしていく間にも神としての力も増して、中級神・上級神へと昇格する訳だね。


此処までが〝輪廻転生の輪の件”以前の話。で、本題はここから』


 とりあえず一息入れがてら、〝グイッ”と飲むいく魂の神様。


・・・ん?ちょっと待てよ?

今〝サラッ”と言われた内容に少し疑問が。


「あの~?話の腰を折って申し訳無いのですが、ちょっと質問いいですか?」


『ん?なんだい?』


「今のお話だと、〝統治する事にも神力が必要”って事になっちゃうんですけど、本当ですか?」


『うむ。まぁ正しくは無いが、間違ってもおらんのぅ』


「と、仰いますと?」


『要はだねぇ、〝神の認識が重要”って話は散々してきたと思うけど、神とは言っても〝全知全能じゃない”って事だよ』


「???」


『分からんか?〝神の認識の枠内でも、神の意図していない事が起こり得る”と言う事じゃよ』


「そうなんですか?」


『うん。まぁソレって、〝神自身が予想して居なかった事象が起こり得る”って事だからね。

その対処として、その事象を〝神力を使って、神自身の意図する方向へと修正する”って事が必要になる訳。

当然、〝神自身の認識の是正”も必要なんだけど、〝既にその世界で確定している事象を捻じ曲げる”必要が出て来る訳だから、結果的に〝神力が必要”って事になるんだよ。

 で、〝既にその世界で確定している事象を捻じ曲げる”って事は、どうしてもそれ相応の力が必要になって来る訳さ。


とは言っても、何の問題も無ければ全く必要の無い話ではあるんだけどね。

まぁ一応はそういった事への〝予防線を張る”って意味での話かな?』


「へ~。んじゃ、私の場合も必要なんですかね?」


『リューノくん・・・この場合はリュウノスケくんかな? の場合は、〝モノリスの書”があるからね。

記述以外の事が起こり得るかも知れないけれど、修正する場合があったとしても記述変更とか追記するだけで済むんじゃないの?

レナちゃん達の誕生とか、私達の分体・・が〝不老不死”になった事が丁度良い例だね。

ついでに言うのなら、リュウノスケくんてば、ほぼ〝リューノ”くんとして生活しているじゃない?

神力消費に関しては気にしなくてもいいと思うよ?

って言うか、神体・・で生活して居ない以上、リュウノスケくんの神力消費なんてどうでもいい話だしね。

ましてやリュウノスケくんは上級神。神力消費しなきゃいけない事があっても、問題も無いんじゃないかな?

ま、マサヒトくん達は必要になるかも知れないけれどね?』


「なるほど・・・」


『んじゃ話を戻すけど、先ずは本当に全員へ〝銀河を1つあげることも可能なほど、銀河が余っていた”って事は事実なんだけど・・・。

もう面倒臭いからぶっちゃけるけど、皆にはそこまで期待はしていないんだよ。

とりあえず〝先ずは1つの星系でもいいから、輪廻転生の輪を安定させてくれればそれで良い”って感じ。

銀河云々に関しては、〝追い追い力がついてきたら、ちゃんと統治出来る様になってくれればいいや~”程度にしか考えて居なかったんだよね。


実際にマサヒトくん達も・・・まぁ既に中級神にはなっているんだけど、統治しているのはまだ〝1つの星系”だけだしね。

ちなみにリュウノスケくん以外の殆どの面々には、ちゃんと銀河を1つあげたんだよ?』


「へ~。でも、それってある意味無駄になりませんか?」


『ん?どういう事?』


「〝実際に統治出来ないのに、銀河を1つ貰っちゃっても意味が無いのでは?”って事です」


『あぁ、そういう事ね。

さっきも言ったけど、銀河なんて有り余っているしね。その辺は全く問題が無いんだよ。

〝後々、ちゃんと統治してくれればいいや”って感じ。


大体さぁ、リュウノスケくん達が元居た地球だって、あの世界を統治する神が他の居住可能惑星に掛かり切りになって放置していたせいで、リュウノスケくん達みたいな〝魂を持った生命体の誕生”までにかなりの時間が掛かっているんだよ?

〝神として干渉しなかった場合”だと、それこそ数十億年単位で時間が掛かっちゃうからね。


リュウノスケくん以外の皆にあげた〝銀河”にだって、既に居住可能惑星だってあるけれど、皆そこまで手が回ってないでしょ?』


「「「「はい」」」」


『本来なら、それらの惑星にも生命体を誕生させて統治するのがの役割なんだけど、まぁ君達には其処まで求めて居ないからね。

とりあえず〝1つの星系をちゃんと統治してくれればそれでOK”って事さ』


「「「「「ふ~ん」」」」」


『あ、そうそう。ちょっと変わった所で言うと、同一銀河内に複数の神が居る場合もあるんだよ?

皆の同期とも言える、今回の〝輪廻転生の輪の件”で誕生した神達にだって居るし』


「そうなんですか?」


『うん。リュウノスケくんとは逆に〝他の神とも交流を持ちたい”って神も居たからね。

とは言っても、一応〝星間戦争”とか起こす様な事をしたら、懲罰対象なんだけどね。

その辺は〝全ての魂を司る神”として、一応釘を刺してあるけど。


まぁそのうち、リュウノスケくんの所以外の統治領域にも他銀河の人類が顔を出すんじゃないかな?

〝星間交易”自体は禁止しなかったし。

リュウノスケくんの所は完全に隔離されちゃってるから、全く関係の無い話なんだけど』


「では私の世界へも〝他の銀河から来訪者が来る可能性がある”って事でしょうか?」


 マサヒトさんの世界って、俺ら〝剣と魔法の世界”よりは若干〝科学技術寄り”の世界なので、割と他人事じゃ無いっぽい。


『可能性としてはあるんじゃないかな?

特にマサヒトくんの世界って、他の神が統治する銀河ともそれほど離れて居ないしね』


「そうですか。

もう少し科学技術の発展を促した方がいいのかなぁ・・・。

幾ら魂の神様に釘を刺されているとは言え、搾取される様な事態にならないとも限らないし・・・」


『ま、その辺はマサヒトくん次第だね。

まぁ・・・まだまだマサヒトくんの神力的に厳しい面はあると思うけど、それは他の神に関しても同様だからね。

それほど気にしなくても大丈夫なんじゃないかな?


それを言うなら、そろそろミツハルくんは他の居住可能惑星の開拓を開始してもいいんじゃないの?

もう既に上級神なんだし、能力的にも問題が無いと思うんだけど?』


「あ~。

〝出来る・出来ない”で言えば出来そうな感じはしていますが、魅力を感じないんですよねぇ。

自分が今統治している世界がもっと発達したら、少しは考えますが・・・」


『ま、別にそれならそれでもいいけどね。

今はちゃんと〝1つの星系を統治する”ってのが、君達の最優先課題だし』


「そう言って頂けると助かります。

どうしようかなぁ・・・今の世界に飽きるか、十分に発達したら、新しい居住可能惑星の開拓を開始しようかなぁ・・・」


『その程度の考えでいいと思うよ?

実際問題として、言い方が悪いかも知れないけれど〝君達には其処まで求めて居ない”しね』


「了解しました」


「ふ~ん。皆さん色々とあるんですねぇ。

まぁ私は漸くこの世界の開拓が開始した段階なので、まだまだ先の話でしょうけど」


『何ならリュウノスケくんの世界も、ちゃんと〝銀河”として拡張しちゃう?

まぁその前に〝モノリスの書”の記述変更も必要になってくるんだけど?』


「う~ん・・・いや、いいです。

神力的な問題を置いておくとしても、私もミツハルさん同様に魅力を感じませんからね。


もう皆さんお忘れかも知れませんが、私って〝引き籠りの神”なんですよ?

十分今の世界だけで〝引き籠れ”て居ますし、今更面倒を増やされるのも嫌ですしね。


ま、この世界に飽きちゃったら・・・その時にまた考えますよ」


『了解。その時は言ってね。ちゃんと協力してあげるからさ。

勿論始祖の神様や兄上様方も協力して下さるだろうしね。 ですよね?』


『『『うむ』』』


「まぁそうなったらその時はお願い致します。

とは言え、とりあえずこの世界を発展させるのが最優先ですけどね~。


では皆様、改めまして今後とも宜しくお願い致します・・・って事で、乾杯!」

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