表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙(とき)の果てまでこの愛を(BL注意)  作者: 鴉野 兄貴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/101

世界はきっと輝いている

 博美が眠っている。

 ぼくはすっかり飼いならした草食恐竜の背を枕に寝たふりをしている。


 ぼくの名前は八神ヒロシ。

 義理の妹の博美とその愉快な仲間たちと旅をするようになって長い。


 朝もやが残るなか、茂宮と物部が朝餉の支度を始めた。

 普段ならそれに加わるはずの姫君はどうやら狸寝入りらしい。

 僕もそうしたいところだがこの恐竜が水を欲しがるので水汲み兼ねて起きねばならない。



「おはよ~ヒロシさん」

「どもヒロシさん」


 この二人は男色カップルなのだが最近そういうことをしていない。

 料理が上手なので朝餉は大抵この二人がつくっている。ぼくも手伝うが火の管理がほとんどだ。


「今日は何だい」

「カレー」


 朝からかい。その刺激臭で恐竜たちを刺激したらさぞ愉快な虐殺がはじまりそうだな。

 そういう思考をしてしまうぼくは人の皮を被った魔物なのかもしれない。


 もっとも、そういう理由であの不届きなる姫君とは嗜好が似ており、表向きは仲が良い。


 博美が起きてきた。

 相変わらず目脂をつけてなんともだらしない。

 ハンカチを手にフォローしてあげると感謝してくれる。嬉しい。


 世界はぐちゃぐちゃでドロドロでどうしようもないぼくみたいなものである。

 そして世界は明るくてだらしなくて何か希望に満ちている義妹のようなものでもあるようだ。


 もし私達に立ちふさがるものがあれば如何なる輩でも私が潰すだろう。


 博美が明るく笑う。

 わたしたちは車を進める。


 世界はきっと輝いているのだ。

 わたしにはそう見えないだけで。

https://ncode.syosetu.com/n1134ci/

『ヤンデレ乙女ゲームの主人公だけどコンタクトレンズを外すとVRMMO風異世界に飛んだ』後日談

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ