かきあげて愛を
綺麗に洗おう。
黒く醜いその玉を。大切にいたわるように。
しわしわの皮から汚れを取り払い、それでいて傷つけないように。
「そんなもの。何処が良いのだ」
ふふふ。
つやつやで赤くて甘いものもだ。
おっと、ピチピチしているな。これもたっぷりと。
嫌らしく、ぴっちゃり、しっかりトロトロになってしまいな。
くちゅくちゅにまとまって、染まってしまえ。白く。
黒くて長いものを舐めるように手でしごき、刃を立てるように。
「や、や、やめろ。俺をどうする気だ」
あはは。
熱くて熱くて……跳ねると良い。
もっとだ。もっと。熱く、さらに熱く二度も三度も。
この香り。かぐわしい。
溺れるようにびくびくと跳ねるそれを眺めて俺は愉悦の表情を浮かべる。
どうした? もっと耐えろ。お前は生きている。お前は美しい。
青い青いイキの良いヤツ。白い汁に脂にはねろ。
まみれて赤く醜く染まってしまえ。
白く締まりの良いヤツ。
俺の熱くて白いチーズは美味いか?
さぁドロドロに溶けろ。俺の黒に包まれて。
ビールが欲しい。手や腰を激しく動かし、喉に広がる渇望。
熱く燃える喉を癒すあの苦味が欲しい。オマエが欲しい。
熱く出来上がった白い身体に垂らす透明な黒よ。
燃える焔とともに俺のモノとなれ。俺は獣のように噛みつく。
さぁ。一体になろうか。今夜君は僕のモノ。
「むかごってかき揚げに入れると美味いな」
「だろ?!」
今日は食事当番交代。学生の奴に俺は複数店舗かけもち飲食業で鍛え抜いた腕を披露していた。
「零余子とエビを入れて、ごぼうと甘いさつまいもやちくわをかき揚げにするとオイシイ!」
おう。そうだぜ。
白く輝くあつあつのごはんに載せて、しょうゆとみりんを垂らすんだ。
みりんの甘い香りと醤油の香ばしさがからんだ出汁が沁みこむかき揚げを箸でほぐしてアツアツの湯気と一緒にご飯に混ぜて、汁気とパリパリを口に含む。
じゅっとした熱い出汁とまだ残る醤油とみりんの柔らかい暖かさが喉を通ってだなぁ。
「うん。かきあげどん美味しい」
子供のようにキラキラした瞳で頬張る奴に俺も笑う。おい。口の周り飯粒だらけだぜ。舐めとってやる。
本日の食卓。
チーズまきの鳥取県産豆腐ちくわ。
自然薯(やまいもの一種と思って)をすりおろして海苔巻にした天ぷらもち。その他天ぷら類。
メインはエビ入りのかき揚げ丼。
「バイの上変態だけどホントお前料理うまいな」
まぁ忙しすぎて普段作ってあげられないから気合入れたしな。あれだ。愛情こみと言ってほしいね。




