前へ目次 次へ 33/102 捨てられて(200文字) この獣。貴様のような男を包み込み、暖かく迎え入れた俺を捨てる気なのか。 そうだ。獣欲に囚われた貴様の所為で俺の身体は汚れ、濡れ、もうボロボロだ。 貴様の手がいまだ汚れていないのは俺のお蔭なのだぞ。やめろ。 届きもしない空。据えた臭い。奴に捨てられた多くの同朋の遺骸を眺め、俺は声なき絶叫を聞いた。 まだ汚れを知らぬ同朋があの男の手に摘まれ、そして散っていくのを俺たちは止めることも出来ない。 俺はティッシュだ。