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宇宙(とき)の果てまでこの愛を(BL注意)  作者: 鴉野 兄貴


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11/101

N様:神様。この男に天罰を与えてくださいませ

 読者様の要望により途中挿入。

 俺は死ぬ。

 俺は死ぬ。思い出す。走馬灯のように今までの人生を。

 親父。すまんかった。おふくろのパンツを穿いてウンコで汚したのは俺だ。

 お袋の折檻を受ける親父。当時は震えるしかできなかった。

 その日はパンツが無かったんだ。許してくれ。


 AAA……モニカ。

 すまん。おにいちゃんはお前をだましていた。

 お前が遠足に持って行くはずのイチゴポッキー食ったの俺だ!

 神様。良き兄であり息子である俺に転生チートをください。



 ここは天界。

 男のあまりにも身勝手な願いを聞いた男神は思った。

 このような男は修羅道(転生チート世界)より餓鬼道か畜生道、百歩譲って人間道に突き戻すのが筋と思うが、あえて修羅の道を望み通り歩ませてやっても良いのではないのだろうかと。

 そういうわけで男神はさっそく男を修羅道に導く準備を始めた。


 目を覚ました俺は『異世界生活のすゝめ』と書かれた冊子に目を通していた。



『貴方は転生しました。元の世界に戻れません』

 望むところだ。さようなら親父お袋モニカ。

『アナタのチート能力は常に女難に遭うです』

 はぁ。まぁその分グヘヘな展開連続なのだろ。解っているって。

『あなたがチート能力を発揮するたびにハーレム要員が増えていくことでしょう』

 はははっは!! 任せろ!!


 おお! 丁度いいところに高貴な人が乗っていると思しき豪華な馬車が山賊に襲われているではないか!! では早速チート能力を試してやる。ドカ! バキ! スィーツ!!


 あ な た は し に ま し た 。


 どうなっているの。

 俺は薄れゆく意識の中、いきなり現れたイケメン剣士が山賊どもをバッタバッタと切り倒しているのを視界の隅に捕えつつ天に旅だ……。


(神:「こんなのいらん」『KICK!!!』)


 俺が目を覚ますと神殿の一室と思しき場所だった。

 全裸の俺の身体の彼方此方に現代的な計器類がついていて痺れるような冷たい感触が生きていることを。

 薬品の香りが舌につき、俺の瞳に大写しになったのは件のイケメン。



「おお! 目を覚ましたね。愛しい人!!」

 いとしいひと?

「武器も持たずに山賊と戦うなんて何て勇ましいんだ! お蔭でこの領内の姫君はボクが来るまでの時間稼ぎが出来た!! キミこそが本当の英雄だよ!!」

 イケメンは戸惑う俺の目の前でそのサーコートを脱ぎ、鎧を外し、鎧下を脱いでいく。

「このカント寺院はボクの実家でね」

 彼方此方に傷痕の残る、しかし美しい体つきは男の俺から見ても嫉妬するほどだ。


「勇敢な戦士の魂を摂取することで、この寺院の力は増すのだよ」

「はぁ」

 戸惑う俺。まだ若いはずなのに少しメタボな俺の腹に細く白い指先を這わせるイケメン。

 剣を取るだけあってその指先は彼方此方硬い。


「あの。イケメンさん」


「我が名はイケ=ボ・カラオ・ケー」

 さっそく君の魂を貰うことにしようか。

 イケ=ボは華やかな笑みを浮かべると今だ痺れて動けぬ俺の腹の臍からその下にすっと舌を這わせた。


 魂と言うか大事なものを色々無くして涙が止まらない俺。その涙をイケ=ボが舐めている。ああ。魂じゃなくてこの記憶がなくなってほしい。



 イケ=ボ曰く、この世界は真実の愛を重視する。すなわち性別や年齢、種族(獣姦)に囚われない愛を推奨しているのだ。

「無理やり迫るのは愛と言うのか」


「ふふふ。こんなに敏感なのにかい」

 今だ動きのとれぬ俺を軽くひっくり返すと奴はすすすと俺のうなじを舐め上げた。

 俺の尻に激しい激痛。俺は腰を抜かし意識を失った。


 イケ=ボの仕立てた馬車に乗って進む俺だが座ることが出来ない。

 尻が痛すぎるのにこの世界の馬車にはスプリングシャフトのような機構が無い模様だ。

 下手すると車酔いで死ぬ。と言うか尻が痛くて死ぬので寝転がっている。

「寝転がるのは良くないね。車酔いで死ぬよ」

 お前の所為ではないか。イケ=ボよ。

「なぁ。イケ=ボ」

 ガツガツと跳ねる床に脳みそをぶつけられながらも舌を噛まずにつぶやく俺に親身なそぶりを見せるイケ=ボ。

「何かね。愛しい人」


「なんか見えね?」


 俺たちは一斉に剣を抜く。どうやらお客さんのようだ。



 てっ?! てててえ?!! 尻がッ 尻があぁぁあぁ?!

「何をやっているんだ。キミ」

 イケ=ボが呆れる中、俺は悲鳴を上げて馬車から降りる。

 巨大な牙の生えた巨人に敢然と立ち向かうイケ=ボだが体格差がありすぎる。

 俺は馬車にあった火打箱を鳴らして松明に火をつけ、イケボと打ち合う巨人の背後から火をつけてやる。

 振り返った巨人はメスだった。だって乳房あるもん。

「こっちだ!!」

 俺に気を取られた巨人はその巨大な棍棒の先端を俺に向けようとするが、イケ=ボに背を向けることは死を意味する。

「よくやった!」

 ビクン! と巨人の身体が震える。だらりと舌が伸び、巨木が倒れるような音を立てて巨人が倒れた。

 鋭い突きが人食い巨人のうなじを貫き、見事に巨人女は仕留められた。

「やったな! イケ=ボ」

「ええ。でも」

 イケボの視線が後方に揺れると、いつの間にか立っていた巨木のような身体の男に注がれる。その腕には杖。


「魔導士殿。助かりました」

「いえいえ。……私はニコ=ポ・ホレヤスキーというしがない魔導士です」



 魔導士はニコニコ笑いながらつぶやいた。


「ちょっと痺れるけど大丈夫です」

 あれ。何故か身体中が痺れて。こ、え。が。でな。い。


 俺とイケ=ボは尻を抑えながら馬車に揺られている。

 隣では寒風の中巨木のような魔導士が半裸になり煙草を「ぷぅ~」と吹いていた。


「実に良かった」

「死ね」「強引過ぎます。ニコ=ポ殿」


 何が起きたのかは聞かないでくれ。マジで。

 こうして剣士イケ=ボ、魔導士ニコ=ポを咥えた俺は。ああ。誤字ではない。察してくれ。

 察してくれ!! 泣くぞ!!!


 次の街に着いた。

 そこではヒステリーを起こした女主人に鞭をうたれる哀れな少年奴隷がいた。

 俺は彼を金貨一枚で買い取り、解放したのだが。

「私の名前はナデ=ポ。獣人です。きっとお役に立つでしょう」


 いや、まて。ナデ=ポ。何故俺の尻を撫でている。

「夜になると私は獣になりますので。きっと旦那様を満足させるでしょう」



 ぎゃああああ!!!


「凄かった」

 イケ=ボ。お前って奴は。

「吾輩より絶倫とはやりおるな」

 ニコ=ポ。お前も同罪だ。

「へへへ!! 宜しくお願いします! ご主人様!!」


 なんか恐ろしくスキンシップを高めている三人についていけない俺は這って逃げようとするがイケ=ボに背中を舐められた所為で背筋に怖気が走って動けなくなってしまう。

「我が鋼の腕で眠りましょう。ご主人様」

 おまえ魔導士だろう。ニコ=ポ。

「昼も夜も尽くします!」

 可愛い顔しているけれど下が偉い事になっているのだが。ナデ=ポ。

 こうして、俺は男ばかりの暑苦しい集団を率いて世界を救うこととなった。

 俺の貞操は全く持って毎日守られていないわけだが、世界の人々にとっては些細な事なのだろう。


神:そのとおり。

俺:これは修羅道じゃなくて衆道ホモじゃないの?

神:

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