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第2章 Ⅶ幕 少女と霊と妖精と

「アウラはどんな事が出来るの?」

 歩みを進めながらクランはアウラに問いかけた。


「それは攻撃手段という意味なのです?」

 いきなり物騒な事を言うアウラ。


「いや、うんと。まぁそれでもいいけど」

 苦笑しながらクレンは言った。


「自分は色々出来ますです。まずは相手の懐に飛び込み力を込めて……」

「うんうん!」

 殴るのか。

 それとも激しい炎で焼き尽くすのか。

 それともそれとも轟く雷鳴を呼び寄せるのか。

 クレンはドキドキしていた。


「力を込めて光るですよ!」


「ほへ……? 光るだけ……?」

 胸を張りながら得意げに話すアウラがとても可笑しかった。

 後ろでイデアがクックックと声を殺して笑っていたりする。


「後はですね……炎の矢がだせますですよ」

 アウラはちょっと恥ずかしそうに付け足した。


「凄いじゃない! むしろそっちが本命だとボクは思うですよ?」

「あはは! アウラの喋り方が移っていますよ」

 イデアがおかしくて堪らないと言うように笑いながら突っ込みを入れる。


「う、しまった……」

 イデアに突っ込まれ少し恥ずかしそうな顔をしてクレンはイデアを見る。

 そして。


「「あははははははは!」」


 イデアの笑いに釣られたのか二人して笑いが止まらなくなった。


「ふぇ~~?」

 そんな二人の光景をアウラは不思議そうに見つめていたのだった。


「あはははは! はー可笑しい! ごめんごめん、でも炎の矢なんて凄いじゃない、光るのはアレだけども……ぷくく!」

 目頭に浮かんだ涙をぬぐいアウラに向き直るクレン。


 だがさっきの得意げなアウラを思い出し、またしても笑いそうになるのをこらえる。


「うみゅう、自分としてはそこまで凄いとは思えないですよ」

 

 どうやらアウラもイデアと同じく少しずれているようだった。

 だがそれがこの陰鬱とした空気とクレンの不安を和らげてくれる。

 この状況で笑い合える友達がいる事にクレンはひっそりと感動していた。


「さて、気を取り直して先へ進みますか!」

 イデアとアウラを見直し自分に言い聞かせるように告げた。


「自分に出来る事はまだ色々あるですよぅ!」

 アウラがやや不満げな表情をして言った。


「うん、じゃあそれは歩きながら教えてよ。あ、飛びながらだね」

 クレンはくるくると二人の周りを飛んでいるアウラに言った。


 そうして実に賑やかに二人と一匹はきゃあきゃあと話しながら先へ進んで行ったのだった。


 ……キィ……パタン……


 遠くで扉が開閉する音がした気がした。

 クレンはそれを気に止める事も無く、不安を紛らわすように会話を続けていったのだった。


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