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003 【自然】闇、【器物】寝台/ベッド

 それを発見したのは、五歳になる息子のアレックスと、家の中でかくれんぼをしていた時だった。

「ねーパパー、なんか穴があいてるー」

「何だって?」

 息子が指差すベッドの下、床板が真四角に切り取られていた。大人の肩幅よりも広い。ベッドをどけてみると、梯子までついていた。底は真っ暗で見えない。

「なんだこれ……、ちょっと探険してみるか!」

「だね!」

 ベビーキャリアで息子を背負い、降りはじめる。十分後、蝋燭が灯った廊下に辿りついた。一本道の先に、鋼鉄製の扉が見える。

「……いくか? なんかちょっと怖そうだが……」

「いこうよ、パパ!」

「むむ……、じゃあ行こうか」

 蝶番の軋む扉を潜る。そこは薄暗い広場だった。数十もの席の全てに、黒い覆面を被った人間が座っている。間接照明がおぼろげな光を放つ中、正面の壇だけはスポットライトで明るく照らされていた。

「うわ……、何なんだこれは……」

「パパ、怖いよぅ」

 息子が泣き言を漏らした瞬間、背後の扉が音を立てて閉まった。父子が悲鳴を上げる中、檀上に白いタキシード姿の男が現れる。顔は、やはり覆面で見えない。

「ようこそ皆さん、闇の賭博場へ」

「な、何が始まるんだ……!」

「本日最初の品は、デイヴィッド・マーレイ氏が……」

「ちょ、ちょっと待て、どうしてここで俺の名前が……!」

「学生時代に書かれていたノート、『超魔銃戦記VII ~されど伝説へ~』の設定資料集となります」

「やめてー! 闇に葬ったはずの黒歴史をほじくり返すのはやめてー!」

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