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椎岳町龍神録

なかじまひろあき(10)しょうらいのゆめはげだつです。

作者: 烏木真

ジャンル分けどうしたらいいんだろ……

ほのぼのといいつつ割ときつい設定です。

R15をつけるべきか…


「ああ、解脱してえ。陰陽道止めて仏門入ろっかな。仏門」


ベッドの上でブツブツつぶやくがきんちょ。毎度のことながらむかつくやつだ。


「何を言う安倍晴明の生まれ変わりが」

「だってもう転生飽きたし」

「何枯れたこと言ってんだ10才のくせに」

「前世の記憶あるから芳樹より精神年齢上だよ」

「どうだか」


大人は温くなった冷えピタを勝手にはがして投げつけてきたりしないと思うぞ俺は。


「どうせ来世も入院生活じゃん。いっそ輪廻から抜け出したい」

「それってヒンドゥー教の方じゃないか?」

「どっちでもいいよ。とりあえずこの状況から抜け出せれば」


抑えきれない苛立ちと諦めをため息と一緒に吐き出すガキ。もう何度も目にしてきた姿だがいつまで立ってもいたたまれない気分になる。

遠い目をして窓の外を見ているガキの額に新しい冷えピタを貼り付ける。

「ひゃっ」

「ガキがいっちょ前に黄昏てんじゃねーよ。生姜湯作ってやるからそれ飲んでさっさと寝ろ」

「……ありがと」



魂に先天的異常を持つ人間を障り人という。

蓄えている力が大きすぎ、器である体が消耗していくのだ。

消耗を防ぐために体は外に排出しようとするが、高濃度のエネルギーであるため爆発したり、周りの人の気分が悪くなったりする。

人のなかで生きるには体の中に溜め込まなければならない。が、溜め込めすぎると死んでしまうため、人を傷つけて生きるか、我慢して早死するかの二択を迫られるわけだ。

しかも魂の病気なので死んでも治らない。

俺が面倒見てるガキもそれでしょっちゅう寝込んでいる。


「なー芳樹」

「なんだガキ」

「力が無いってどんな感じ?」

「お前なあ。それを俺に言うか? 普通」

「ごめん怒った?」

「別に。お前のデリカシーのなさにはもう慣れた」


力ある一族で、ただ一人、霊力なしの落ちこぼれの俺。

だからいつ死んでもおかしくないようなここに配属された。


「惨めなもんだよ。必要とされることがないってのは。……拒否権も無いしな。俺に力があったらこんなデリカシーのないガキの面倒何て見てねーよ」

「ふうん。……力があるのとないのとどっちが大変なんだろ?」

「さあ、人によるんじゃね? 」


生きた爆弾に生まれるのとその世話を押し付けられるの、どっちがいいかなんてなってみないとわからないだろう。


力が有りすぎて手に負えないからここにいるしかないコイツと

力がないからここしかいる場所がない俺。

いらない者という点では同じかもしれない。

しかし、どんな奇跡でも起こせるコイツと何の奇跡も起こせない俺とでは徹底的な意識の断絶がある。

謝ってはいるもののたぶんコイツはどれほど俺の心をえぐる発言かなんて根本的には理解していないのだろう。

そして俺自身、こいつの苦しみを本当に理解してやるなんてできないのだ。


「でも」

それでも俺は思う。

「お前はどうしようもなくデリカシーが無くて、気難しくて、イヤミなガキだがなあ。

世話を焼くのは嫌いじゃない」


俺の言葉にガキの目が大きく見開かれ、

ふにゃりと緩んだ。


「芳樹はどうしようもなく平凡でつまらなくて弱いけど

いい漢だなあ」

「ガキがいっちょ前に評価してんじゃねーよ」


俺が面倒見てるガキはどうしようもなく爺むさくて、イヤミでデリカシーが無くてむかつくやつだが、

嫌いではない。

課題からの現実逃避作品。ショタっ子っていいよね。

確か解脱はヒンドゥーじゃなくて仏教だったような……

輪廻思想自体はどっちもあったと思います。

だから多分間違ってるのは芳樹の方。


ちなみに彼らがいるのは山奥の専用病院。ぶっちゃけ隔離施設。

障り人という名称は差別用語として撤廃の方向に進んでいます。

この病気の子はだいたいの子は20才くらいまででなくなってしまうという設定だったり

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