第二話 「学校」
朝か・・・
目が覚めた俺の頭にはすぐに、陽奈野のことが浮かび上がった。
あれは夢か?
そう思いながら陽奈野が泊まっている2階の部屋へと
階段を駆け下りて向かった。
部屋に、彼女はいなかった。
「だよな・・・。夢か。」
安心していると母が来て言った。
「早く学校の準備しなさいよ。
ひなちゃんが起こしても起きなかったんだからぁ~。
先行ってるって。」
え・・・。ひなちゃんって・・・。
俺は今、逃してはいけないことを聞いた。
「なぁ・・・、陽奈野はこの家にいるのか・・・?」
母が笑っている。
「あんた、何言ってんの?昨日のこと忘れたの?
もう、寝ぼけちゃってぇー」
お母さん・・・あんたがおかしくなってるんじゃ・・・
そう思った。
「お母さんッ!!しっかりしろよ!!
よく聞いて。死んだんだ、あいつは。」
母は、笑いながら言った。
「あのねぇ、あんた、昨日からひどいわよ。
勝手に殺してあげないで。もぉー失礼な子。」
「お母さんッ・・・!!」
母は手で早く行けというようにシッシッシとした。
話を・・・ちゃんと話を聞いてくれ・・・お母さん・・・。
学校についたころは、もう2限目が終わっていた。
親友の三浦夏季が俺のとこによってきた。
「おめぇはよぉー幸せもんだぜ。いいなぁ、俺にも
彼女欲しいぜ~、陽奈野ちゃんみたいなっ。」
まさか、こいつにまで見えてねぇーよな・・・。
「おいっ、何黙っちゃってんだよ。嘘だよ!
誰も、陽奈野ちゃんとったりしねぇーよぉ。」
俺は笑った。
「何言ってんだよ、もう陽奈野はこの世にいないのに
お前はどーやって俺から奪うつもりなんだよ。
・・・元気づけてくれてありがとなっ。」
こいつは、いつもこうやって支えになってくれる親友だ。
だが、夏季が驚くことを口にした。
「お前・・・ハハハハハッ何言ってんだよぉ~
陽奈野ちゃんに怒られるぞっそんな冗談言ってたら。」
「え・・・」
「ほら、陽奈野ちゃんが来たぞ。」
教室のドアの方で友達と話しながら陽奈野が手を振っていた。
「たけるーー遅刻したのぉ?ドジーー。」
みんな・・・見えてる・・・
どうしてだ・・・どういうことなんだ・・・。