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防御特化の魔術師〜中堅冒険者のひっそり無双〜  作者: 代永 並木


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第5話 スズランの依頼

「どうなさいましたか?」

「この依頼を受けたい」


 依頼書を出してカードを渡す。

 いつも通りの流れが終わり、依頼が承認された。

 依頼書を受け取り、ギルドを出ようと振り向いた時、受付嬢に声をかけられる。


「すみません、1つ臨時の依頼がありまして、強制参加ではないのですが要請をしたく……」

「要請?」


 向き直り受付嬢を見る。

 今にも謝りそうな表情をしながら、彼女は続きを言う。


「人探しの依頼でして、緊急性はないのですが、Sランク冒険者直々の依頼という事で」

「Sランク?」

「はい、先程の女性がSランク冒険者のスズランさんでして、スズランさん曰くSランクの魔物の攻撃を防げる魔術師の捜索らしく……」


 掲示板に書いてあった依頼と同じ話。

 あの依頼はスズランが出していたようだ。

 そういえば、依頼主の名前を見ていなかった。


 ……やべ、地雷とか言わなかったか俺。声に出てないよな?


 本人いる前でそんな事言ってたらと、冷や汗をかく。

 危うく首飛んでいたかもしれない。


「あぁ、掲示板に張り出されていた」

「あっ、ご存知でしたか。はい、その依頼で参加してもらえませんでしょうか?」


 俺はギルドの要請を断っている人間だから、本来緊急要請は来ない。

 ただ今回は特にイレギュラーな案件のため、かたっぱしから要請していると見た。

 Sランクが依頼を出すなんてのは、俺も聞いた事がない。

 ギルド側は大慌てで対応しているのだろう。


「あぁ、冒険者全員参加の依頼ってことか」

「はい、情報でも報酬が出ますし、ペナルティはありません」

「わかりました。受けます」


 普通に依頼として受けるならパスだが、ギルドからの要請となると断りづらい。

 それに、難易度はともかくとして、危険性のない依頼だ。

 偶然、見つけたらラッキーくらいでやる。


「ありがとうございます! 依頼書のコピーがこちらになります」


 用意されていたコピーされた依頼書を差し出してくる。

 先程、見たものと変わらないようだ。

 受け取り、ギルドを出る。


「一応、メレアに当たってみるか。知っているかもしれん」


 メレアなら有名ではない強い魔術師と、知り合いの可能性が高い。

 それか、何かしらの情報を持っているかもしれない。


 店で数日分の食べ物を買う。

 ついでに保存用に氷も買ってから、家に戻る。

 居間に行くと、メレアが寝転がっていた。

 起きてはいるようで、こちらに視線を向けてくる。


「買い物?」

「あぁ、昼分が足りなくてな。ついでに数日分買ってきた」

「払おうか?」

「オーク狩りで金は入った。問題ない」


 Sランクのメレアは、かなりの金持ちだ。

 収入は数十数百倍にも及ぶ。

 だが、俺自身も金は稼いでるし、あまり高い物は買わない。

 わざわざ妹に払ってもらうほど、困窮(こんきゅう)はしていない。


「あぁ、そうだ。人探しの依頼があってな」

「人探し?」


 メレアにスズランの依頼書を見せる。

 メレアは、内容を見たあと、あぁと納得して起き上がる。


「なんだ知ってるのか?」

「スズランからそんな話を聞いた気がする」

「気がするって人の話聞いてなかったパターンだな。まぁいい、この探してる相手については何か知らないか?」

「さぁ、情報が少なすぎる。思い当たる人物はいるけど、現場見てないから確定とは言えない」

「それもそうか、できる奴がいてもその場にいたかどうかだもんな」


 メレアなら可能だろうが、メレアはその場にいなかった。

 だからメレアではないのように、その強さを持つ人物が、その場にいて加勢したという条件がある。


「そう、これだと見つからないね」

「だよな。ギルドは冒険者総動員する予定だが、冒険者でもなきゃ厳しい」


 冒険者の人脈はすごいが、あくまで冒険者内部での人脈がほとんど。

 魔術師が全員冒険者になる訳では無いから、難しいところ。


「てか、Sランクの魔物が街の近くに出てたのか?」


 今気づいた。

 この依頼書の内容的にこの街の近くで、Sランクの魔物が出ていた可能性が高い。

 スズランがSランクの魔物と戦っている時に、加勢した正体不明の魔術師の捜索と考えれば、この情報の少なさも納得が行く。


「そうだよ」

「SランクやA、Bランク辺りに、通達されてた感じか」


 市民や冒険者の混乱を招かないように、高ランクの冒険者のみに情報が渡り、内密に処理が行われるケースがある。

 それがギルド要請。

 俺は要請を断っているから、俺に降りてこなかったのは自然と言える。


「そうそう、でも既に討伐されてるから問題なし」

「……あのオーガもその関係だったり?」

「確証はないけど、有り得る」


 普段、あの森に生息していないオーガがいたのは、Sランクの魔物が連れてきたからなら納得だ。

 ランクの高い魔物が、手下を連れ歩くケースはよくある。

 あのオーガはスズランが討伐したSランクの魔物に着いてきたが、リーダーを失い森をさまよっていたところ、あの冒険者と鉢合わせたという感じなのだろう。


 ……Sランクもオーガ系だったのか? いや、もう終わった事だし気にする必要はないか。


 メレアと昼まで他愛のない会話を続ける。

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