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防御特化の魔術師〜中堅冒険者のひっそり無双〜  作者: 代永 並木


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第2話 防御魔術師の戦闘

 森を探索して、オークを見つけた。

 緑色の太った巨体の姿をした魔物、手には棍棒のようなものを持っている。

 大きさはオーガと同等。

 オークは、依頼外で何度も討伐しているから慣れている。


 ……気づかれてないな。数は……


 周囲を見渡して、オークの数を確認する。

 数は3体、基本的な数だ。

 タイミングが悪いのか、3体の距離が近い。

 これでは仕掛けた瞬間に他2体にバレる。


「やれなくはないが、どうするか」


 倒し慣れているとはいえ、一気に3体は危険性が高い。

 バラけるか1体が離れるタイミングを待ちたい。

 問題は、3体だけとも限らないというところ。


「バレなければいいが……サーチ」


 生活魔術のサーチを使う。

 ごく小量の魔力を周囲にばらまく事で、魔力を持つ生物の数や位置を調べる魔術。

 便利だが、魔力に敏感な魔物には、気づかれるデメリットがある。


 ……数は5か。位置的に死角か。やるか。


 槍を強く握り、一度深呼吸をする。

 そして、一番近い背を向けてるオークに狙いを定めて、突っ込む。

 地を蹴り素早く接近して、背後から頭を狙って槍を突き出す。

 気づいたオークが振り向くと、同時に槍はオークの頭を貫く。

 ブスッと(にぶ)い音が聞こえ、鈍い感覚が槍を通って手に伝わる。

 血が流れ、鉄臭い匂いが鼻腔をくすぐる。

 オークは力なく倒れ伏す。

 残り2体に視線を向けると、すでに俺に気づいているようで棍棒を構えていた。

 音か血の匂いか、もう1体不意打ちは叶わなかったようだ。

 だが、関係なく突っ込む。


 オークが棍棒を振り上げて、振り下ろす。

 槍を振るい突きを繰り出すが、オークの方が攻撃が早い。


「守護せよ」


 短文詠唱を行い、小型の障壁をオークの攻撃に合わせて展開する。

 ゴンッと障壁に棍棒が当たり、槍が頭蓋(ずがい)穿(うが)つ。

 引き抜くと、鮮血が飛び散る。


「あと1体、速攻で仕留める」


 同じように突っ込み、相手の攻撃は魔術頼りで防いで槍で貫く。

 3体を倒し終えて、ふたたびサーチを使う。

 残り2体の位置を確認して、近い方から不意打ちで仕留める。


「討伐完了、5体か。充分だな。帰るか」


 オーク5体分の報酬が得られれば、しばらくは生活費が足りる。

 オーク3体の予定だったのが、2体増えた。

 これ以上狙う理由がない。

 周囲を警戒しつつ、街の方へまっすぐ帰る。


 あのオーガが暴れていたせいか、魔物が近くにほとんど居らず、魔物に遭遇する事なく街に着いた。

 そのままギルドへ行き、受付に依頼達成を伝える。


「オーク5体ですね。はい、確認できました。報酬はこちらとなります」


 硬貨の入った袋を受け取る。

 Cランク依頼とだけあって、そこそこの重さがある。


 ……あっ、あれ言っておいた方がいいのか。


 オーガの件、あの森にオーガがいるのはおかしい。

 少なくとも普通の事ではない。

 討伐されたとはいえ、目撃したんだから報告はした方が良さそうだ。

 それにあの森は依頼で行く事が多い。

 Bランクが出没するのは勘弁願いたい。


「あと、あの森にオーガが出てた。誰か冒険者が討伐してたけど、一応の報告を」

「オーガですか? ……なるほど、情報ありがとうございます。ギルド長に伝えておきます」


 受付嬢は一瞬キョトンとしたが、すぐに納得したようにうなずく。

 袋を持って、ギルドを出る。


 ……オーガが出たって話だけで良いのか?


 魔物の情報、それも異変となると、ギルド職員に結構ガッツリと根掘り葉掘り聞かれると有名。

 しかし、今回は特に何も聞かれなかった。

 となれば、すでに誰かしらが情報を渡しているんだろう。


 ギルドから出たあとは、まっすぐ家に向かう。

 着いて扉を開くと中から声が聞こえた。


「おかえり〜」


 やる気のない出迎えの言葉。

 まさか中に人が居るとは思っていなかったから、ビクッと身を震わせる。

 声がした居間へ向かい、居間の扉を開ける。


「前来た時から1週間も経ってないだろ。何かあったか?」

「ギルドに用事があったからぁ。ついで」


 声の主は、少女で氷を貪っていた。

 薄着で腹が見えているだらしない格好で、寝転がっている。

 俺の妹、メレア・リーリックだった。

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