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断罪された第三王女の俺は、転生して仏様におんぶに抱っこで生きる  作者: 勇者ありたま


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3/18

第二救〜先を明るく見よ〜

「ただいま〜」


俺は家に帰って違和感を覚えた。

食卓から漂う、得も言われぬ肉の焼ける匂い。


「あふぁ~」


隣のパトラッシュは、余りのいい匂いに気を失いかけている。


俺は、恐る恐る食卓に向かった。そこには、笑顔の母親が。


母親、プリシラ・ラ・ブローニュ伯爵夫人も、もちろん敬虔な真如教徒な為、貧乏なりに上手くやれてる。普段は、周りの人の相談に乗る事で、報酬や食べ物を得ている。


「あら、ジルベール遅かったわね。お肉が冷めるから早くお食べ」


食卓の上には、見たことないくらいの見事なサシのステーキ。厚さも、五センチはあるか。見たことないくらい美味しそうである。


「A五ランクですってよ。アナスタシア様からいただいたの」


…アナスタシア様…。アナスタシア・ラ・ランカスター公爵。女公爵当主にして、今世界一の富豪とも言われる。


革命が起きて、税率がぐーんと下がり、俺達のように領地経営だけで食べていた貴族達は、瞬く間に没落した。


今や、貴族より商人や豪農の方が断然金持ちである。


アナスタシア様は、商売から農業からやることなすこと大当たり。物凄く頭が良くて美しい方なので、生きてるうちから銅像すらある。


…しかし。アナスタシア様は、無類の「美少年好き」。「美少年倶楽部」をつくって、美少年達を囲っているのだ。


美少年達は、適材適所の職を与えられ、希望すれば実家に仕送りとかもできる。アイドル部門の売り上げが凄くて、劇団にアイドルグループに、俳優部門に…。数え上げたらきりがない。


特に、「品のある美少年」がお好みのようで、俺のような没落貴族達は、喜んで息子を差し出すといった有り様。


美少年達は、結婚も許されるし、嫌なら辞めてもいい。


だが、未だかつて辞めた人はいないという。

…アナスタシア様は、人心掌握の天才でもあるからだ。


もちろん、時々家に来るのも、アナスタシア様から「美少年倶楽部」の一員として勧誘されているからだ。


…しかし、俺には夢がある。


一心不乱に肉にむしゃぶりつくパトラッシュに話し掛ける。


「パトラッシュ。これ食べたら、散歩行く振りして家出しよう」


「クゥン(またぁ? 行くとこ決まってるくせに)」


俺は、家出をすることにした。


輝かしい未来の為に! 


真如苑では「先を明るく見よ」と教えられる。どんなに悪い状況も、永遠に続かないし、神様からの試練と捉えれば、さらなる幸福を望める。


信心を磨いて、希望を捨てなければ人生は楽しい!


「仏様、俺達をお守りください」


俺が祈ると、腕の仏様が頷いてくれた。


さて、ずらかるとするか。


続きます!



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