第十五救 大乗④〜誰でも救う
レオと俺、パトラッシュと仏様で、アンジェ特別養護老人ホームに着いた。
「でか!」
まるで、ヴェルサイユ宮殿を彷彿とさせるような、豪奢な建物。老人ホームだなんて、言われないと絶対分からない。
その立派な門を潜ると、車椅子の男性が二人。
「レオ! 待っておったぞ!」
競技用の車椅子に負けない勢いで、一人の老人がやってきた。
「うぉっ!」
皆で驚いたが、一番驚いたのはレオ。
「お、親父…」
豊かな白髪に、豊かな髭。強面の顔はレオに雰囲気が少し似ている。
「レオは、ママ似なんだね」
★★★
中で、四人と一匹でお茶をした。
「すんげぇ美味しいケーキ」
中も豪奢だが、出てくるケーキすら豪奢だった。
「ここは、有料老人ホームだからね。お金持ちが来るから、豪奢にすると喜ばれるのさ」
所長のピエール・ラ・ブラックが言った。
「ねぇ。親父…パパ、どうしてここに。何で車椅子? お家は?」
矢継ぎ早にレオに問われた親父、アーサー・ラ・ランベールは、項垂れた。暫くの沈黙の後、口を開く。
「儂も、もう九十じゃ。お家の階段で転けて、骨折してのぉ。この様じゃ。歳には勝てんのぉ。しかも、もう使用人もほとんど居ないし、皆に最後の給料払って別れを惜しんでから、家も売ったんじゃ」
「…」
レオは、ショックを受けていた。小さな頃から慣れ親しんできたあの、屋敷。二人で住むには広すぎたけど、大好きだったあの屋敷が、今はもう誰かの物…。
「レオ、ここでパパと一緒に住もう。序でに、ピエールの老人ホームの仕事も手伝ってやれ」
「うん…」
レオは、静かに涙を流した。
「レオ…、お家が無くなって寂しいのかい? 勝手に家を売って悪かったが、儂の…いや、儂のだったアンベール組は、首が回らない状況だったんじゃぞ」
「レオは、優しいからなぁ。介護士向いてると思うわ。力もあるし、こちらから頭を下げてお願いしたいくらいや」
ピエールが間に入ってきた。アーサーとピエールは、幼馴染で、ピエールは、三十年前に自分の組を畳んでこのアンジェ特別養護老人ホームを設立した。かなりのやり手である。
「ママ…ママの肖像画は?」
アーサーが一番大事にしていた、母ルイーズ・ラ・アンベールの肖像画。レオも、家に居るときは毎日見ていた。
「ママの肖像画は、儂の部屋に飾ってあるよ。家を売って残ったお金は、ほとんどピエールにあげた。本当は、ここは高いから入所資金には足りなかったけどなぁ。ピエール、ありがとうな」
こうして、レオは、アンジェ特別養護老人ホームで働き始めた。
★★★
今回はここまでです。しかし、びっくりするほど読者が増えてる。何が起こったW まぁいいや。皆様ありがとうございます。
次回! 頑張るレオの身に何が? 乞うご期待! 南無真如!




