プロローグ
…人は悲しすぎると、涙も出ないらしい。
今にも火刑に処されようとしている私、ジャンヌ・オルレアンは、オルレアン王国の第三王女…過去形になりつつあるが。
…死んだらそんなことどうでもいいわ。
「早く、その女を殺せ!」
「俺達の税金を贅沢に使いやがって!」
…人々の怒号が響く。
「…第三王女って、あんなに美しい子だったなんて」
「まだ十九歳なのに、火刑はあんまりだわ」
…私に同情的な声もあるようだ。
何故こうなったのか…。私は、小さい頃から本が好きで、勉強も好きだった。
そのうち、王家の書類仕事を手伝わされることになり、それがとても面白かった。
が、仕事を手伝ううちに、女王メイベル・オルレアンと、王エゼキエル・オルレアンの、無闇な重税政策や、財政を贅沢に無駄遣いしていることが、手に取るように分かった。
ここ半年は、平民達が、重税に堪え兼ねて、王宮を取り囲むことが増えた。
革命秒読みの情勢の中で、短絡的な二人が考えたことは「生贄」だった。
私は、十日前から仕事を取り上げられ、急に飾り立てられて、写真ばかり撮られるようになった。
「これ、メイベルお母様の宝物のダイヤモンド」
宝石やドレスの中には、国宝級のお宝もあった。女王や王が肌身離さす大事にしているものが…。
何となく分かっていたけど、その写真と共に民衆に「第三王女が無駄遣いしているのが、重税の原因」というストーリーを仕立てあげたのだ。
…そんなことをしても半年お茶を濁せるのが関の山よ。
そう考えていると、悔しくて涙が出てきた。上の兄や姉達は皆結婚や留学で外国にいる。手近で、婚約者もいない私が、格好の生贄だったのだ。
涙が溢れると、その涙がスローモーションで私の周りを回り、その一つ一つに仏様のお姿が浮かんだ。
「…可哀想なジャンヌよ。私に仕えて、次の人生を幸せに過ごそうとは思いませんか?」
「…何でもするわ。今より最悪なことは絶対ないはずだもの」
「その言葉、忘れてはなりませんよ」
その時、私の靴底を炎が舐めた。
「ああ…お嬢様」
ばあやのミシェルが気を失って倒れた。
護衛のリアムが目を覆おうとした時、
「ワンワンワン(ジャンヌ!)」
子供の頃からずっと一緒にいる愛犬、パトラッシュのリードをリアムが離してしまい、一目散に私の所に駆けてきた。
「パトラッシュ! ダメ!」
駆けてきたパトラッシュは、私に飛び付いてきた。
「大丈夫です。獄苦代受で、貴女方の苦しみを取り除いてあげます」
私とパトラッシュの魂は、天に昇り、焼かれていく自分達の体を見下ろしていた。
「この世に人と生まるるは難く、ですがサービスですよ」
仏様が杖を振ると、私とパトラッシュは光に包まれていった。
「本当に? 運命を変えられる?」
真如苑は、世界中に精舎があります。ヨーロッパにもありますので、ヨーロッパの世界観に仏様。おかしくはないんですね。
仏様は、「全ての人を救わず」にはいられません。もしあなたが、「自分に自信がない」「意地悪ばかりしてしまう」「毎日楽しくない」でも、いえ、だからこそ教えを求めてください。
必ずあなたに救いの手が差し伸べられるでしょう。
※告知
2025年10月25日17時30分から宜野湾トロピカルビーチで、「真如沖縄灯籠流し」が開催されます。
お誘い合わせの上是非どうぞ! とても綺麗な催しで、癒されますよ。
今週も、あなたに仏様の救いがありますように。南無真如。
続きます!




