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自分は自分らしく
悠真は、今やもう、かつてのように自分の存在が目立たないことを恐れたり、隠したりしなくなった。目立つことがすべてではないと気づき、自分らしくいることが何より大事だということを、蘭と一緒に過ごすことで理解することができた。
そして、悠真はこれからも自分の物語を歩んでいく。目立つことがなくても、誰かと繋がり、支え合いながら生きることで、自分がどこかで誰かにとっての大切な存在であることを知っている。物語の主人公ではなくても、それは十分に価値があることだと。
「この世界では主人公では無いらしい」――それでも、悠真はそれが自分の物語であり、他でもない「自分らしい」物語だと確信している。