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テーマ詩集:あたし

あたしの四天王

作者: 歌川 詩季

 四強タイプではなく、腹心タイプのやつです。

 あたしに四天王が もしいたなら

 ひとりめは よにんのうちでも最弱がいい


 それでも 序盤の主人公には強敵で

 初戦闘では 手痛い敗北を喫することだろう

 喧嘩(けんか)(ぱや)くて乱暴なそうなわりに

 部下から(した)われてたり

 野良猫がやたら寄ってきたりするんだけど

 四天王のなかで あたしのことを裏切って

 主人公がわにつくやつがいるとしたら

 まずこいつだろう

 だけど なんでか憎めない 不思議なやつ


 これでこそ あたしのひとりめの四天王にふさわしい



 あたしに四天王が もしいたなら

 ふたりめは よにんのうちでも一番 ずる賢いやつがいい


 主人公とむかし面識があって

 ひょっとしたら

 おさななじみだったりするかもしれない

 それを利用した ずるい手をつかって

 主人公に勝ちそうになるけど

 (たもと)を分かった

 ひとりめの四天王のあいつに邪魔されて

 勝利をのがすのだ

 主人公がわになってからは

 (よご)れ役をひきうけたり

 目的のためには自分を犠牲にもできたりして

 なんだ 意外といいやつぢゃん!


 これでこそ あたしのふたりめの四天王にふさわしい



 あたしに四天王が もしいたなら

 さんにんめは よにんのうちでも紅一点がいい


 髪をみじかくまとめて 美少年かとおもったら

 ちいさいけど ちゃんとおっぱいがあって

 負けて主人公がわになってからは

 髪もほどいて ちゃんと女のコのかっこうで

 主人公と正ヒロインとの三角関係をくりひろげるはず

 つんつんしてるようで やたらウブだったり

 負けヒロインにしとくには

 もったいないくらい可愛いよね♡


 これでこそ あたしのさんにんめの四天王にふさわしい



 あたしに四天王が もしいたなら

 さいごのは よにんのうちでも別格がいい


 ほかのさんにんの四天王を やりようによっては

 ひとりであいてにできる強さをもち

 なんなら あたしともタメをはれるほど

 あたしが 絶大の信頼を寄せながらも

 最重度の警戒をいだく存在

 ほかのさんにんとはべつの意味であたしを裏切って

 ラスボスの座を手に入れようとさえしかねない

 でも そしたらワンチャン

 あたしまで主人公と共闘して

 よにんめの彼と決着をつけるラストバトルは

 そうとう熱い展開になるはずだ

 

 これでこそ あたしのさいごの四天王にふさわしい



 打ち切りやテコ入れのせいで

 さいしょのふたりくらいしか見せ場がないなんて

 まっぴらごめん!

 このよにんは なんたって あたしの自慢の四天王

 さいごのひとりまで そのおそろしさを

 たぁんと 味わってほしい



 てか これじゃあ あたしが敵のボスぢゃん

 しかも つぎつぎと裏切られて

 最終的には負け確定

 最強の四天王をそろえたはずだったのに


 だけど あたしは信じて疑わない

 このよにんこそ あたしにとって最高の四天王だって

 赤い血と 中二魂で結ばれた

 あんたたちこそ あたしの四天王


 あたしに四天王が もしいたなら

 たとえ 反旗を(ひるがえ)されようと

 たとえ 寝首をかかれようと

 たとえ 背中から刺されようと

 いつ いかなるときでも

 そう言ってやれる心構えでいたい



 あぁ! あたしも四天王がほしい!!

 七人衆とかもいい!

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制作:冬野ほたる先生
― 新着の感想 ―
[良い点]  四天王、紅一点は珍しいですね。四天王同士仲が悪いのかライバル関係なのか大体共闘しないのなぜでしょう? [気になる点]  テコ入れは、ヒロインが増えたり、突然バトル展開にな ったり色々です…
[良い点] あぁ。分かる、分かりみが深いです……! おれの四天王、的な。こいつ絶対書いてやりたい、的な脳内の推しキャラ達って、いますよね……! でも作品を打ち切ってしまい、彼らの登場活躍まで描けなか…
[良い点] 四天王という精鋭集団の称号には、美学とロマンがありますね。 源頼光や徳川家康といった名だたる武将達には「四天王」と称される優秀な部下達がいましたが、そうした優秀な猛者達を四天王に持つ事が出…
感想一覧
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