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第七話 オープニング②

興味を持っていただきありがとうございます。稚拙な文章表現ですがご容赦ください。


本文にはヌード表現や男性向けの表現が多数存在します。今回は男のロマンと思っていただければ幸いです。苦手な方はここで閉じてください。

この作品は不定期投稿です。一話二千文字から三千文字くらいを予定しています。


SFもので物理法則は無視しています。言葉の選択も映画やドラマで聞く表現を常識の範囲で並べています。勉強不足で申し訳ありませんが、お付き合いいただき、楽しんでいただければ幸いです。

ジーナは写真に写ったアレックス・ゴードンを知っていた。


運命というのは残酷なもので、素晴らしい頭脳を持ったエリート科学者と報道局のシニアアシスタントがむかしカップルだったなんて、思い出してみても信じられないことだった。


苦い思い出の記憶をジムはほじくり出してきた。


「彼の過去を調べてみた」


気づけば唇が震えていた。「ええ、」


「何が出てきたと思う?」灰色の瞳の奥が光る。


「さあ、何でしょうか。」調べた内容がわからない分、胸の奥がモヤモヤする。ジムの本心を探るようにジーナは聞き返した。


「ミス・リー。君から言ってくれれば、話が進むのだが」と、ジムは私を煩わせないでくれ、と表情を硬くする。


十九歳の時に出会った二人は彼が大学を一年早く卒業までの甘い二年間を月のデータベースに本社のAIが調べたのなら、おそらく恋人だったこともジムはわかっているはずだった。


「彼が何か変わったことでも」ジーナは落ち着かせるように答えたつもりだが、息遣いが荒くなっていくのが自分でもわかる。今の彼が何をしているのか非常に興味があった。


大学を卒業して修士課程である科学アカデミーに進んだジーナは、大学時代に出会った彼氏が忘れられずにいた。


忙しい毎日は残酷なもので、孤独な思いを募らせていたものの今ではそんなこともあったと記憶の一部として片隅に追いやっていた。


「これは君だね。」ジムは学生時代のアレックスとジーナが並んで写っているデータを端末に表示させる。「とても親しい間柄だったようだ」と、そっけない言葉で写真の印象を表現する。


「ええ、付き合っていたわ。」


それはジーナが二十歳のころの話だった。


「とても愛していたもの。」二度とあんな気持ちを味わいたくはない。


別れたのは二人の意思ではなかったし、望むなら結婚したいと考えていた。


「アレックスは研究を辞めて、一緒になろうと言ってくれたのに。」


大人たちが人類の未来について気分が悪くなるような話して、二人を切り離した。


抑えきれない怒りが彼を包み込んで、月から逃げようと言ってくれたけれど、


「私は彼の愛に応えられなかった」と、ジーナは美しい顔を曇らせた。


アレックスは大学に内緒で一般企業の面接にも応募してくれていたみたいだけど、企業から大学に問い合わせがあった時点でこのザマだった。


「私はジャーナリストになりたかったから。」それは言い訳じみていた。


私は二人の幸せより人類の未来と言われて圧倒されたのだ。夢ならいいのにと、涙の跡がついた顔であきらめた。


それから連絡すらとっていないことをジムに伝えた。


     * *


別れる前の夜、最後に二人は愛し合った。


アレックスはスツールに背中を向けて座っていた。


服は最初に激しくお互いの肌を求め合った時、どこかに行ってしまった。


あらわになった彼の若々しい浅黒い肌がそこにあった。


彼は苛立つのを我慢しているようだった。


ジーナはベッドから降りようと身体を起こすと重さも感じないような掛け心地の良いシーツ(ウールケット)がずれて下がり、胸の先端にかろうじて引っかかるように留まる。


残ったシーツを押しのけて立ち上がった彼女もまた裸身だった。


アレックスは身長170センチの痩せ型で体つきは角張っている。


背中越しに彼女の胸のふくらみを感じた。生き物のように両腕が胸に絡みつく。


彼女の重みを感じるという言うより密着すると同時に胸とお腹の柔らかさがさらに強く感じられた。


「何を考えているの?」ジーナは彼の耳元でささやいた。


彼女を失いたくはないし、逃亡者になることを望んではいないだろう。 


「僕の気持ちだけでは君を幸せにできないらしい。」


アレックスの言葉がジーナの胸に刺さる。


もう一度愛し合った後で、別の展望を期待したがだめだった。


ただ、絶望に凍りついたアレックスの心をジーナの想いが癒してくれた。


大人から逃げて勝ち取れると思った妄想は、彼女が否定したことであっけなく終わった。


「さよなら」と。言うべきなんだろうね。


今、彼はその選択を受け入れることを自分自身に言い聞かせた。


アレックス・ゴードン、彼の研究は質量とエネルギーの話。


太陽のエネルギー源である水素を用いた核融合エネルギーが一般的な中で、彼は反水素による安定した核分裂に関しての計算式を導き出してみせた。


反物質同士の核融合は陽電子同士の質量が消失して発生するエネルギーの百倍から一千倍となる。


人類の未来を考える長老と呼ぶ非情な権力者たちに目をつけられ、一年早く大学卒業する羽目となった。


そして今、研究コロニー行きのスペースシャトルに乗せられて、アレックスは今の環境を捨てさせられる。


その研究期間は約十年、月面都市から離れることを意味していた。


愛し合った二人がそれまで考えてきた未来とまったく違った現実が、二人の未来を遮ったのだ。


彼女の清らかさと愛しいほどの温かさは、アレックスに生きているという実感を気づかせてくれた。


想像力に溢れた彼女を見て、彼の研究も飛躍的、いや跳躍的に一瞬で広がった。


二人が初めて愛し合った時、信じられないことに、ジーナは処女だった。ジーナはバージンを彼に捧げた。


     * *


医学専攻のジーナと宇宙開発学科のアレックスは全く異なる教室だった。


出会いはとても平凡で学校近くにあるカフェ・ショップのウェイトレスと配膳型ロボットたちを管理する学生エンジニア。


彼は機械いじりに夢中になっている好青年だった。


千年前の古典映画が好きで、好きな俳優の顔を模してロボットたちに顔や性格をプログラムする。


ヒューは甘いマスクで、「こんにちわ、今日も素敵ですね!」とご婦人方を喜ばせていたし。


ジョニーは無口、でも聞き上手。そして相手の仕草や言葉を真似したり、一緒のタイミングでうなずいたり、語尾を繰り返したりと同調効果ミラーリングでお客のハートを鷲掴みにしている。


「私、邪魔じゃないかしら?」ジーナは時々、彼の背中越しに声をかける。


「いや、そんなことはないよ。」ジーナに気づいたアレックスが作業をやめて振り返る。


「かまわない?」ジーナは作業場に入ってきて、コーヒーやサンドウィッチを差し入れた。


「今、休憩しようと思ったところだよ」とアレックスが頷いた。


調整中のジョニーが「へいキャプテン!まだ終わってないぞ。」と中途半端にシステムがボヤいている。


「うん?予定では無口な『ハサミ男』のつもりだったのだが。」と海賊じみた口調にアレックスがジョニーに向かって『君は未完成だ』と投げかけた。


「はい、ジョニー。アレックスを借りるわ」


「いいよ、君の頼みなら。」と配膳型ロボットはスリープモードに移行する。


「ジーナ、君に嫉妬するよ」とアレックスは別の回線につながったジョニーと呼ばれた頭部パーツを見ながら顔をしかめた。


その時は彼女と僕が親密な関係になるとは夢にも思わなかった。


年齢制限はも設けておりませんので、ソフトな表現を目指しています。

ちなみに配膳型ロボットの愛称のヒューはヒュー・グラント氏。ジョニーはジョニー・デップ氏を筆者が好きな俳優としてイメージしました。趣味で書いておりますので、ご容赦ください。


次話も楽しんでいただければ幸いです。

作者は心があまり強くないので、あたたかく見守っていただければ幸いです。

もし、良かったなど感想をいただければ作者が喜びます。返信等はしておりませんのでご容赦ください。

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