第一話 プロローグ
初投稿作品です。趣味で書いているため、稚拙な文章表現ですがご容赦ください。男性向けの表現が多数存在します。今回は男のロマンと思っていただければ幸いです。苦手な方はここで閉じてください。
この作品は不定期投稿です。一話二千文字から三千文字くらいを予定しています。
SFもので物理法則は無視しています。言葉の選択も映画やドラマで聞く表現を常識の範囲で並べています。勉強不足で申し訳ありませんが、お付き合いいただき、楽しんでいただければ幸いです。
目の前には、人が一人入れるコールドスリープの筒型の筺体がある。
エトワールはこの中でずっと寝ていたと思っていたのだけど、
さて何年入っていたのか、まったく記憶がないし、それどころか3日前の記憶が維持できない。
人間なのか、それとも人型をした動物なのか。
装置から目覚めて、これまで一年、二年、そして今年で三年が過ぎた。
思い出はここだけ。だからエトワールはいつもここに来る。
それはとても健気で儚げで、ここが故郷のようで。
ただそれは悪夢のような話、それは野生動物のようで、生きるために必要な記憶。
装置の表面にはいろいろな形をした記号があって、読むことができない文字が記されている。
ただそれは私の名前でエトワール 14歳と書いてあるそうだ。
私は手のひらをそっとその羅列された文字の表面に乗せて、なぞって行く。
私は自分がどこから来たのか知らない。ただ、ここには私しかいないのだけど、
この周囲には似たような筒型の筐が五百個ほど、
それは無機質で当然のように稼働しているものはない。
それは無意味に並んでいて、
それは無表情に損壊して、または放置されていた。
天井は突き破られていて、横壁はいたるところに穴。
そこには半世紀ほどの年月に侵食された、遺跡のような場所。
土が入り込んだ場所からは草木が芽生え、生い茂る。
雨が入り込んだ場所には大きな水溜りが出来ていた。
私から見える世界は蒼く生い茂った緑に正三角形の巨大な建造物が二つ。
彼らはそこから来たのだろうか。
この廃墟となった遺跡のとなり、見張り小屋というか、移動基地というか。
彼らはそれを根城にして住んでいて。
何かを見張っているようで、あるいは管理しているようで。
遺跡までは綺麗に草木は刈り込まれ、暗闇以外で身を隠す場所はないほど。
その彼らは私に施しを与えてくれるご主人様。
寝床もある。朝と夕方に食べて、寝て、散策。
いつも見る風景は変わらないけど、時々私以外の人間がそこにいた気がした。
プレートをなぞった先に彼の手があるような…。
**
「エトワール!」
私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
夕方、もうご飯の時間だろうか。
ご主人様はいつもご飯や住処を与えてくれる。
生きるために必要なものがここにはある。オヤツを得るために、ご主人様がどのようなことをしてあげたら喜んでくれるのか。
でも私たちとは種族が違うようで、身長は自分たちの3倍もあって。
立ち上がって、つま先立ちをしても目線は彼らの膝上までしかない。
犬のように尻尾はないが、呼ばれれば手を応える。
名前を呼ぶときは嫌なことはしない。
「エトワール!おいで」
子どもを呼ぶように、大声で叫んでいる。
ブンと何かスイッチが入ったような起動音と同時に腰が揺れた。
この腰巻はドローンに直接つながっていないのだけど。
外出するときは必ずウェストに布地のような足元まで垂れ下がったスカートを履かされる。
胴は腰の形状に合わせたリングで固定されており、力では決して外れないようにできていた。
超微弱な磁力という力場でウェストリングの周囲を三メートル程度の距離で三角錐の浮遊物が付いてくる。走っても自動で追いかけてきたり、その浮遊物は何もなかったように頭上でこっちを向いていた。
ドローンは三キロメートルは自由に飛ぶ仕組みになっていた。揺れたのはウェストリングの設定が運転モードになった合図で、主人が呼んでいると知らせる振動だった。
いつも背中側にいるから、引かれるとくびれたウェストに食い込み、お腹を圧迫して不快だった。
「はーい!」
遺跡の裂け目を通って、一番近い大きめの入口を探し、おじさんの声かけに応えた。
なぜかと言われれば、三キロメートル以上離れたり、返事をしなかった時はドローンから出る磁力が変化するようで、バンジージャンプをするみたいにエトワールの体ごと弾かれて、戻される威力となる。今更だけど強制連行も可能といった感じ。
私が足を運べるのは遺跡まで、筒型の筐が置いてある場所までがちょうど三キロメートル。その壁を隔てた向こう側に行くことは出来なかった。
今の私の格好と言えば、野生動物に近い、腰巻以外は何も着ていないという表現が一番近い。
上半身が見えて裸があらわになって、二次性徴が始まった胸が揺れた。
入口から五百メートル離れた場所で呼ぶご主人の姿を見つけて、一気に駆けていく。早ければ早いほど喜んでくれた。
この3年で体の変化が大きくなった。垂れるほどの胸はないけど、ツンと立ったお椀型のオッパイ。
かまって欲しいときは、素直が一番いいと記憶している。
おじ様の足元に抱きついて、自分の体をこすりつける。
いつも大きな手で抱えてもらって、首筋から胸、あばらを通って下半身に指が当たる。身体の中心を刺激されるとエトワールは身体を預けて、そして悶えた。
背中も背骨に沿って、上下に指の腹で柔らかく触られると気持ちいい。
特に体の陰になる脇や内股、体毛が生い茂った縦スジを触れられると最初はくすぐったいが、次第に火照って、股の奥であわさった花びらが湿気を帯びる。
撫でて、撫でて。
おじ様の気を引こうとくねらせた。
(1話おわり)
次回よりストーリーの背景が始まります。次話も楽しんでいただければ幸いです。
作者は心があまり強くないので、あたたかく見守っていただければ幸いです。
もし、良かったなど感想をいただければ作者が喜びます。返信等はしておりませんのでご容赦ください。
最近はグラハム ハンコック著書を愛読しております。次回は地球の滅亡と九兆五千億キロの宇宙からの訪問者です。男のロマンはありません。