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9話:食品偽装、中越沖地震、リーマンショック

 そして、以前購入したオリックス株の気配値が37550円と高く売りと言われた。それに同意し全株成り行き売り注文を出した。すると全株売れ、税引き後利益が13064万円で残金が15245万円となった。6月14日、ライブドアの株主総会で平松庚三社長が陳謝した。それと同時に堀江前社長ら旧経営陣に対し損害賠償請求をする意向を表明した。


 9月15日、オウム真理教元代表、松本智津夫の控訴が棄却され事実上死刑判決が決定した。2007年1月に大手菓子メーカーの不二家が消費期限切れ牛乳を使用してシュークリームを作っていた事が発覚。洋菓子製造・販売の長期休止を余儀なくされ、創業家一族の社長が引責辞任した。その後も北海道の食品加工卸会社ミートホープのひき肉偽装事件や北海道の人気の土産「白い恋人」の賞味期限が改ざんされた


 。さらに伊勢の老舗和菓子屋、赤福の製造年月日改ざんなど食品会社の不祥事が、全国で後を絶たず、日本人の食への信頼が大きく揺らいだ。その他、秋田の比内地鶏、名古屋コーチンに代表される地鶏でも偽装表示が相次いだ。公的年金を個人ごとに一元管理するための基礎年金番号に統合されていない加入記録が、厚生・国民年金で約5000万件に上るとの事実を社会保険庁が4月に公表した。


 安倍首相は来年3月までに照合作業を終わらせるなどとした対策を発表したが、この問題は参院選で争点化し与党大敗につながった。年金記録ミスは1964年以前からあった。そのため、原因究明に当たった総務省の年金記録問題検証委員会は問題を長期放置した歴代社保庁長官の責任が最も重いと糾弾した。その中の約1975万件は、コンピューター上での本人特定が困難とみられた。


こうして、「最後の1人、最後の1円まで年金を支払う」とした政府公約の達成は事実上不可能となった。7月16日10時13分、新潟県中越沖でマグニチュード6.8の地震が発生した。柏崎市などで最大震度6強の揺れを記録。合計11人が死亡2千人以上が重軽傷を負い建物の全壊も約1200棟に上った。震源地から約16キロ離れた東京電力柏崎刈羽原発でも原子炉が緊急停止。


 そして、変圧器火災や微量の放射能漏れなどのトラブルが発生した。原子炉本体に大きな異常はなかったが、事務系の建屋や消火配管、タービンなど広範囲に損傷が見られた。また、自衛消防組織の不備や情報伝達の不手際、断層の過小評価などの問題も露呈。各電力会社も危機管理体制の整備や周辺地盤の再調査などに追われた。国際的な関心も高く国際原子力機関「IAEA」の調査団も派遣された。


 安倍政権下で初の本格的な国政選挙となった第21回参院選は7月29日に投開票された。自民党は年金記録漏れや閣僚の不透明な事務所費・失言で逆風にさらされ改選「64議席」を大きく下回る37議席となり大敗を喫した。非改選と合わせても最低となった。連立を組む公明党も議席が減少した。民主党は60議席を獲得し参院で第1党になった。


 この結果、与党は参院で過半数を失い、衆院と参院とで多数派が異なる「ねじれ」が生じた。安倍首相は「政治の空白は許されない」などとして続投し8月27日に内閣改造を断行。態勢の立て直しを図ったが9月に退陣に追い込まれた。8月16日、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で気温が40.9度まで上昇した。8月は全国的に猛暑が続き、熱中症により救急車で病院に運ばれる人や死亡者が続出した。


 気象庁によると太平洋赤道域の中央部から東の海面水温が平年より低下するラニーニャ現象や北半球の偏西風の蛇行の影響で太平洋高気圧の勢力が非常に強まったのが原因。気象庁は地球温暖化と直接の関連はないとの見方を示した。しかし日本の夏の平均気温は過去百年間、上昇傾向にある。米国で低所得者向け高金利型「サブプライム」住宅ローンの焦げ付きが多発した。


 これをきっかけに世界の金融市場が大きく動揺した。リスクに対する警戒感が急速に高まり8月以降、信用の収縮、株価急落、ドル安などが一気に加速した。ローン債権を証券化した金融商品に投資していたヘッジファンドや金融機関は相場の急落で巨額の損失を計上。資金繰り難に直面し、一部は破たんに追い込まれた。米国や欧州の中央銀行は市場に巨額の資金を供給。


 米国は利下げ、英国は住宅ローン会社への緊急融資に踏み込み、事態の沈静化を図った。これまでのところ、実体経済に大きな影響はないものの、サブプライム問題を発端とした市場混乱を理由に2008年の景気見通しは米国、欧州、日本いずれも下方修正された。2008年になり75歳以上の約1300万人が加入する「後期高齢者医療制度」が4月にスタートした。


 高齢化で増え続ける医療費について高齢者と現役世代の分担割合を明確にすることなどが導入の狙いだったが、当初から「年齢で区分する差別的な制度」との批判が噴出した。それまで加入していた国民健康保険などと比べて保険料が急激に上がった人も多く厚生労働省の説明不足が批判の的になった。この件で年金から保険料を天引きする仕組みも反発を招いた。

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