3:銀司の結婚と長男誕生
そして早田さんの母が、早く結婚しなさいと言われ1996年6月3日、東京、上野精養軒で結婚式を計画。4週間後、5月の連休に入ると早田の父の質屋、古物商には、多くのお客さんが来て質入れ品を持って来た。そのため、質屋の手伝いで忙しくなった。質屋は、普通の人が休みの時に忙しくなるのだと語った。
年末年始、5月連休、お盆周辺、連休が、書き入れ時だと言った。偽物を掴まされない様に見る目を養えと言われた。また質入れに来た人の様子をじっと見ることによって盗難品を持って来たのかもわかるようになると告げた。おどおどした感じの人は、何か、訳があるからと言い、その訳を聞いてやるべきだと語った。
こうして6月3日となり結婚式には20人足らずの人が来て金城銀司と早田早苗の神前結婚式が終りホテルでの披露宴会場へ行き披露宴が終り参加していただいた人たちに挨拶して結婚式を終えた。そして、新婚旅行は、1泊2日の箱根、熱海の新婚旅行に出かけた。6月8日は、東京へ戻ってきた。そして奥さんの早苗さんが実の母の手伝いで保険の外交の仕事を始めた。
金城銀司は、質屋での仕事を開始した。この時、早田さんの父に優秀な証券マンの稲垣保勝を紹介してもらい証券口座を開き300万円を入金した。夏休みになると質店に若い人達を中心にパソコンを質草に持って来る人も増えた。8月夏休みは意外に質屋に来る若者が増える。その理由は旅行に出かける場合が多かった。
その中でも大学生が海外旅行で費用を捻出するため質草を預ける。そのため、忙しい日々が続いた。しかし9月になると質屋を訪れる人達も減っていく。また質入れの品に対して支払う金額が少ないのに文句をいう若者がいると義理の父、他を当って下さいと突っぱねた。すると安いけど、まー良いかと言い預けるケースが多い。
スケート靴、スノボーの板、スキー板などが多く、バイクなどは場所をとるから預からないことにしていた。こうして1996年も暮れていった。やがて1997年となった。3月11日、警視庁、大手食品メーカーの味の素の総務課長が総会屋に現金を渡した容疑で逮捕した。その後、東芝や日立製作所、三菱自動車工業などの大手企業が総会屋へ利益供与をしていたことが判明し問題となった。
4月1日、消費税の増税が実施され3%から5%に増税された。4月25日、日産生命保険が債務超過により大蔵省から業務停止命令を受け破綻した。戦後初の保険会社の破綻となった。7月5日、ソニーがFDトリニトロン管を搭載した32型カラーテレビ「WEGA」を新発売された。早田家でもそれを購入して、きれいな画像を見て感動した。
1997年8月1に早苗さんが体調が悪いと訴えるので産婦人科へ行くと妊娠と言われ、予定日は1998年2月3日と告げられた。9月11日、第2次橋本改造内閣が発足した。ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行が総務庁長官で初入閣したが、世論の批判で9月22日に辞任。11月3日、三洋証券が破綻し証券会社の倒産は戦後初であった。
11月17日、北海道拓殖銀行破綻、都市銀行の倒産は戦後初となった。11月22日、山一證券が破綻。戦後の証券会社の倒産としては過去最大である。11月24日。山一證券の野澤正平社長「当時」が記者会見で同証券の自主廃業を正式に発表。「社員は悪くありませんから…」と号泣しながら会見した。
11月26日、徳陽シティ銀行「宮城県」が破綻し同銀行の営業権を仙台銀行に譲渡した。12月1日、地球温暖化防止、京都会議が開幕し11日、京都議定書が採択された。12月23日、丸荘証券が自己破産申請した。この年、日本では多くの銀行、証券会社の倒産や破綻が多かった。金城銀次は日本経済の先行きに暗雲が立ち込めているような気がした。
こうして1998年が明けた。1998年1月31日、産婦人科に入院し2月3日金城真一が誕生した。この知らせを早苗さんの両親と石垣島の金城の実家に連絡すると喜んでくれた。3月2日、東京地検、前年に経営破綻した山一證券元会長の行平次雄を同社破綻の原因となった「飛ばし」処理の証券取引法違反と粉飾決算の容疑で逮捕された。
3月20日ヤクルト本社がデリバティブ取引で多額の損失を出したことが発覚。同日、桑原潤会長ら経営トップが退陣する人事を発表した。3月31日、山一證券、自主廃業で全店舗の営業を終了。4月27日、民主党に民政党、新党友愛、民主改革連合が合流した。のちに政権与党となる新しい「民主党」が結成された。
7月25日、和歌山市内の夏祭りで提供された亜ヒ酸が何者かに混入されたカレーを食べた客4人が死亡、63人が重軽傷を負った。10月4日、和歌山県警はカレーに亜ヒ酸を混入したとして会場近くに住む夫婦を逮捕した。8月29日、日本でアイマックが新発売された。米国では、既に8月15日発売されており、日本では17万8千円で新発売した。アイマックは、スケルトン、デザインが、ブームを巻き起こした。