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2話:赤い糸の2人、両親との別れ

「金城は、その一途な姿を見て、彼女と結婚するのが運命なんだ悟った」

「赤い糸で結ばれてるのかもしれないと感じた」

「空港での別れの時、何とかして東京へ出てくるから!」

「できるかどうかわからないが、そう答えざるを得なくなった」

 そして飛行機が飛びたつと彼女の姿が、脳裏に焼き付いた。


 1996年4月4日の夕方、石垣島に帰って金城は両親に挨拶した。その晩、両親は東京は、どうだったかと聞いたが、疲れていて、ビールを飲んで、直ぐに眠たくなり床についた。翌日、母が、東京での出来事を根掘り葉掘り聞いた。そして、最後に彼女はできたのかと聞かれた。そこで、できたよと答えると、そうかいと、何とも言えない顔で言った。


 その時、父が、お前、東京へ行きたいかと聞いた。それに対して行きたいと答えた。そうかと言い、しばらく、遠くを見るような姿で、東京へ行きたいかと告げ、何がしたいと聞いた。まず、金を稼いで、でっかいことがしたいと言うと豪気だなと笑った。そして母の方を向いて銀次を石垣島に縛り付けていくわけには行くまいと悟ったように言った。


「それを聞き、母が、飛行機で飛べば、その日のうちに帰ってこられると強がった」

「しかし、話をしていると涙が湧いてきた」

「母が、どうしても東京へ行くのかと聞くと、金城銀次は、うなずいた」

「その時、母は、寂しくなるよーと声を上げて泣いた」

「その気持ちは、手に取るほど良くわかり銀次の目から涙が、あふれ出た」

「それを見た父が銀次の肩をたたき、大きな男になって来いと肩をたたいた」


 これで、あっけなく金城銀次の東京行きが決まった。その晩、金城銀次は東京の早田早苗さんに電話をして東京へ行くことを両親が了解してくれたと伝えた。すると電話の向こうで早田さんのうれし泣きが聞こえ2人の声が止まった。しばらくして、早苗さんが、あー良かった、安心したとつぶやいて、待ってますから気をつけて東京に戻ってきてと言い電話を切った。


「その日の晩、父が銀次を呼び、東京行きは、許可したが遺産はやらんぞ!」

「また、結婚式にも出られないが良いなと言うと仕方ないと答えた」

「その代わり5百万円を結婚式の祝い金としてお前の口座に入れてやると言った」

「それを聞いて銀次が、申し訳ないと言い、涙を見せた」

「すると泣くのもこれが最後にし、これからは泣かずに逞しく生きろ!」


 そして一人前の男になってたまには、顔を見せろと告げた。わかりましたと答えた。この様子を見ていた母は、何も言わず目に涙を浮かべて2人のやりとりを聞いていた。その2日後、4月6日、両親は、銀次を石垣空港まで送り見送った。


「飛行機が空港を飛び立ち島が小さくなった」

「その様子を眺めてると銀次の目に自然と涙がたまりハンカチで拭いた」

「涙が止めどもなく流れ、ハンカチが濡れた」

「これが、故郷を出る心境かと思い知らされた」

「そのうち泣いたり、いろんな事を考え想像して疲れて夢の世界に落ちた」


「幼い頃の自分と兄と兄弟喧嘩して母が烈火のごとく怒っている様子」

「父が、海が荒れて真っ青な顔で家に戻ってきた時の様子」

「両親と口論して、怒鳴りあい、父にひっぱたかれたシーン」

「母が、号泣してるシーンなどが走馬燈の頭に浮かんだ」

 そうしているうちに那覇空港に到着した。


 そして、空港で「そうき・そば」を食べて、那覇空港発羽田行きの飛行機に乗り換えた。その後、夕方には羽田空港に到着した。羽田空港で、早めの夕食を食べてホテルに入った。翌日は、以前お世話になっていた学生マンションに電話して部屋を借りたいと言うと了解してくれ、その日のうちに契約した。


 「翌日、早田さんの家に電話すると早田早苗さんが、うちに来てと言った」

「早田さんの家に着くと彼女の母が、お帰りなさいと言った」

「お母さんが早田早苗さんに、あなた彼を好きなら早く結婚しなさい!」

「えー、良いのと早苗さんが、満面笑顔で言った」

「良いも悪いも、あなたたち、既に決めてるんでしょと笑いながら言った」


「図星!まいったなーと言うと母は、娘の気持ちがわからなくちゃ勤まらないわよと笑った」

「少しして、彼女の父が、どこに住むんだと聞いた」

「そこで以前の学生マンションを借りようと思っていると告げた」

「すると、もったいない!うちの1室を貸すから仕事を手伝って欲しいなと言ってくれた」

「えー、本当ですかと聞くと、娘の気持ちは既に決まっている様だし反対しようがないだろと笑った」


「それは助かりますと言い、本当に良いのですねと確認をとった」

「彼女の母が、借りたマンション、すぐ解約して来なさいと言い、電話しなさいと告げた」

「そこで学生マンションに電話して事情を話すとおめでとうございますと言ってくれた」

「わかりました、結構です。お幸せにねと言ってくれた」

 その後、お土産を持って学生マンションのオーナーに挨拶して早田家に入った。その後、金城銀次は、早田さんのお父さんの所で仕事をすることにして見習いとして一緒になって店に出た。

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