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12話:欧州金融危機、猛暑、円高、北朝鮮の攻撃

 政府は再建を後押しするため、融資保証などの支援方針を表明。公的支援に対する国民の理解を得るため、企業年金の強制減額も辞さない構えだ。日本航空が2010年1月19日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻した。その負債額は、約2兆3千億円と事業会社では過去最大となった。日本航空、立て直しのため、京セラ創業者の稲盛和夫氏を日本航空の会長に迎えた。


 そして、政府が出資する企業再生支援機構の下で再建を目指している。事業規模を3分の2に圧縮するとし内外45路線からの撤退やグループで約1万6千人の人員削減など抜本改革に着手。パイロットや客室乗務員の退職数は目標に届かず最大2百人を整理解雇した。4月、長男の金城真一が小学校を卒業し日本航空の更生計画は債権放棄に応じた銀行団などの合意を得て11月末に確定した。


 企業再生支援機構は公的資金3500億円を出資した。2011年3月末に更生手続きを終結し12年中の再上場を目指す。欧州16カ国で構成されるユーロ圏では、財政赤字急拡大に見舞われたギリシャが、5月、アイルランドも11月に欧州連合「EU」や国際通貨基金「IMF」などの緊急融資を依頼した。その後も信用不安は払拭されずポルトガルなど南欧諸国への波及が懸念された。


 金融危機をきっかけに財政が悪化した一部ユーロ圏諸国では国債利回りが急上昇した。その中でも財政赤字統計の大幅修正を繰り返したギリシャと、銀行危機に陥ったアイルランドが市場の信頼を失い支援要請に追い込まれた。危機への対応をめぐり各国の足並みの乱れも明らかになった。そのため、欧州単一通貨ユーロは円や米ドルなど主要通貨に対して急落した。


 鳩山由紀夫首相は、6月2日、米軍普天間飛行場移設問題での迷走や「政治とカネ」の問題を受けて退陣を表明した。6月4日の民主党両院議員総会で菅直人氏が代表に選出され、国会で第94代、61人目の首相に指名された。同8日に菅内閣発足した。小沢一郎元代表と距離を置く議員を重用した「脱小沢」路線で支持率は一時回復した。


 しかし7月の参院選では首相の消費増税発言などが響き民主党は改選54議席を下回る44議席と大敗した。与党は非改選を含めても過半数を割り、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」になった。首相は9月の代表選で小沢氏を破り内閣を改造したが尖閣沖事件での不手際などで支持率は急落し政権運営は厳しさを増した。小惑星探査機「はやぶさ」が2010年6月13日、7年におよぶ宇宙の旅を終えて帰還。


 地球と火星の間にある小惑星「イトカワ」の微粒子の回収に成功、世界初の快挙を達成した。数々のトラブルを奇跡的に乗り越え、最後は大気圏に突入して燃え尽きた姿は感動を呼び、宇宙への大きな関心を集めた。 はやぶさ本体から分離された耐熱カプセルはオーストラリア南部の砂漠に落下した。宇宙航空研究開発機構が回収し、内部からイトカワの微粒子1500個が見つかった。小惑星の岩石は太陽系が誕生した46億年前からほとんど変化しておらず地球の起源を解明する手掛かりになると期待された。日本列島は梅雨明け以降、広い範囲で猛暑に襲われた。7月22日に岐阜県多治見市で過去最高気温の39.4度を観測。


 8月の平均気温は、ほぼ全国で戦後最高を記録そた。6~8月の平均気温も平年より1.64度高く、統計を始めた1898年以降で最高。熱中症により高齢者ら多数が死亡した。総務省消防庁によると7~9月の3カ月間に熱中症のために救急車で病院に運ばれた人は5万3843人と前年の4.2倍。気象庁の異常気象分析検討会は「30年に1回の異常気象」と指摘した。


 北半球中緯度の気温がエルニーニョ現象に続くラニーニャ現象で上昇したところに勢力の強い太平洋高気圧の影響を受けたのが主因と発表した。政府・日銀は9月15日、1ドル、82円台に突入した15年ぶりの急激な円高をとなった。そのため、約6年半ぶりとなる円売り・ドル買いの市場介入に踏み切った。総額2.1兆円余りと1日の介入額では過去最大規模だった。


 しかし、米国経済の減速懸念を背景に円相場はその後も一時80円近辺まで上昇。その結果、1995年4月に付けた戦後最高値「79円75銭」に迫った。輸出企業の業績など円高による景気への影響を懸念する日銀は、10月5日、事実上のゼロ金利政策の復活を含む包括的な金融緩和策を決定した。国債に加え不動産投資信託「Jリート」など幅広くリスク資産を買い取る基金も創設しデフレ克服への取り組みを強化。


 11月23日、北朝鮮が韓国西方の黄海にある延坪島に80発の砲弾を撃ち込んだ。その結果、民間人2人を含む4人が死亡、民家なども多数被害を受けた。北朝鮮は、韓国側が定める海上軍事境界線を認めておらず、自らの領海内で韓国側が射撃訓練を行って挑発したのに対して反撃したと主張した。韓国領土に対する攻撃は、朝鮮戦争以来、初めてであった。

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