10:四川地震、不景気、4つのノーベル賞
そのため、政府・与党は口座振替との選択制にすることを決めた。さらに制度の見直し案を来春をめどにまとめる方針。民主党など野党4党は同制度の廃止法案を国会に提出している。5月12日、中国四川省を震源とするマグニチュード8の大地震が発生した。死者・行方不明者が8万人超の大惨事となった。そのため、北京五輪を控えた胡錦濤指導部に大きな衝撃を与えた。
最も大きな被害を受けたのは、当時授業中だった子供らで校舎倒壊で6500人以上が死亡した。この背景には校舎建設費を安く抑えるための手抜き工事という根深い問題が潜んでいた。温家宝首相が迅速に被災地で陣頭指揮を執ったほか、震災直後には内外メディアの自由な取材を認めるなど異例の政府の対応に注目が集まった。さらに日本の国際緊急援助隊が他国に先駆けて駆け付け中国の対日感情好転につながった。
政府は復興に全力を挙げているが、被災地が負った傷跡は大きい。6月8日午後零時半ごろ東京・秋葉原の歩行者天国でトラックが交差点に突っ込んだ上、男が降りて殺傷力の強いダガーナイフで通行人を刺し7人が死亡10人が負傷した。この事件で警視庁は殺人未遂の現行犯で加藤智大被告を逮捕した。同被告は職場を転々とし携帯電話サイトの掲示板に日常の行動や職場での不満を書き込んでいた。
事件当日には「秋葉原で人を殺します」との犯行予告も記していた。
「警察での調べに対し人生のうっ憤のようなものが出て嫌になった」
「現実でもネットでも孤独になった」
「みんなに無視され、どうせやるなら大きな事件を起こそうと考えたと供述した」
東京地検は10月、刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を経て、殺人罪などで起訴した。
2008年6月14日8時43分頃、岩手県内陸南部を震源地とするマグニチュード7.2の岩手宮城内陸地震が発生し宮城県栗原市と岩手県奥州市で震度6強を観測。死者・行方不明者は両県と福島、秋田各県で23人、重軽傷者は約450人となった。住宅被害は全半壊が170棟を超えた。避難指示・勧告が一部地域で続き被災者は仮設住宅や親族宅などに身を寄せた。
河川が土砂でせき止められた土砂ダムも宮城、岩手の県境付近で相次ぎ発生。大雨による水位上昇で決壊する恐れや降雪の影響も心配されている。一方、気象庁と総務省消防庁は震度の大きさに比べ建物被害が少なかった実情を踏まえ、震度と被害の目安との関連を示す「解説表」の内容見直しを検討している。
米国の住宅バブルが崩壊し低所得者向け高金利型「サブプライム」住宅ローンの焦げ付きが多発したことで、米欧金融機関の経営が急速に悪化、世界的な金融危機に発展した。9月には米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を受け危機が深刻化。議会で金融安定化法案が否決されると米株価が暴落しダウ工業株30種平均は史上最大の下落幅777ドルを記録した。
10月に入ると金「ゴールド」の価格が下げ始めているから面白いと証券会社の担当者から電話が入った。買い時になったら電話連絡しますと言われ、吉報を待っていると伝えた。10月に修正後の法案が成立したが株価は約4年ぶりに1万ドルを割り込んだ。危機は新興国にも波及。主要中央銀行による同時利下げ、金融機関への公的資金注入、市場への資金供給などが講じられた。
また、金融サミットで景気てこ入れ策が合意されたが世界経済は「大恐慌以来」の深刻な景気後退に陥るとみられた。2007年以降に米国でサブプライムローン問題が顕在化すると株式市場や利回りが低下した国債市場などから投機資金が流出し原油や穀物といった商品市場に流れ込んだ。そのため原油の価格は上昇していきリーマンショック直前の2008年7月ピーク時には一時1バレル147ドルの高値をつけた。
リーマンショックで相場が急落した直後も米国の量的金融緩和政策や中国の景気刺激策により原油100ドル相場が続いた。米国発の金融不安が世界中に拡大し、東京株式市場でも株価が大暴落した。9月以降は米金融大手リーマン・ブラザーズの倒産で株の投げ売りが加速した。中でも10月16日は欧米の大手金融機関の連鎖倒産懸念から11.4%安と1953年のスターリン暴落を超える下げ率を記録。
1987年のブラックマンデーの14.9%安に次ぐ過去2番目の急落となった。政府は空売り規制など緊急対策を発動したが、日米景気の先行き不安は根強く年末を前に株価は不安定な動きを続けている。日経平均株価は10月27日、終値ではバブル後最安値となる7162円90銭まで下落し1982年10月以来およそ26年ぶりの低水準だった。昨年末からの下落率は最大53%超に達した。
そのため、企業活動や個人消費の冷え込みに拍車を掛けた。28日、早朝、証券会社の担当者からSPDRゴールドの気配値が6720円で買いと言われ1万株を成り行き買い注文を出すと6720万円で買え残金が4888万円となった。今年のノーベル賞は日本人研究者4人が受賞。物理学賞が南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授、益川敏英・京都産業大教授、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授の3氏が受賞。




