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第四話 挑戦状

学校が始まって二週間が経った。


俺は今、剣術の授業を受けている。

俺も初めて知ったんだが、この学院では槍使いの騎士候補や弓使いの騎士候補斧使いの騎士候補生の生徒、魔法メインの生徒もいる。

内容はまず、騎士志望の生徒は獲物の基本的な型や扱い方。

魔法師志望の生徒は、魔力や魔法の基本を学ぶ。


そして授業の後半は実技。


と言っても使うのは木剣、皆それぞれ自身の剣を所持しているが、戦闘用に使われる剣は真剣の為、下手をすればを死亡事故が起こる可能性があるとして木剣を使っている。


実技の授業は学院屈指の広さを誇る訓練場で行われる。

 レイとエリスは、訓練場の端っこの方で互いに剣の打ち合いを行っている。


「ちょっとアンタ。なんで防御ばかりなのよ。」

「すまん。攻めもした方がいいか?」


エリスは呆れた顔で「当たり前じゃない」と強く言ってきた。

エリスに言われた通りにレイが攻めに回る。

的確に丁寧にエリスの苦手な所を狙うようにして攻撃を繰り出す。


(何なのよこいつ!私が防御の苦手な場所を的確に狙ってきている)


その奥では担任のイザエラが二人の打ち合いを眺めている。

と言っても、ずっと見ている訳ではなく他の生徒の指導を熱心に行いつつチラチラとだが。



何やら不気味な笑みを浮かべるイザエラ。


そして授業が終わり、教室に戻ろうとするとエリスが俺の進路を塞いできた。


「待ちなさい。」

「どうしたエリス?」

「貴方、実力を偽っているわね?」


やはり、隠し切れないか。


「ずっと不思議だったのよね。だからイザエラ先生に君を私のパートナーに配置した理由を。」

「そしたら?」

「貴方と戦ってみろ。そうすれば奴の本当の実力が分かる。てね。」


嘘だろ先生。

やっぱり自分の元の正体を知っているのか?


「貴方も騎士なんでしょ?逃げないわよね?」


はぁ、

これはもうやるしか無いのか。

だが、丁度良いかもな彼女はこの世界でもそこそこの実力者みたいだし。

ある程度、戦闘には慣れておきたいしな。


「受けてたとう。」

「そう。明日訓練場に来なさい。イザエラ先生が特別に貸切にしてくれた。それなら戦いやすいわよね?貴方と私。互いにとって。」

「そうだな。それなら思う存分戦える。」


そして満足げにエリスは、この場を後にした。

レイもエリスに続き帰ろうとしたが…


「面倒な事になったな。レイ・アストレア。ふふ。」

「イザエラ先生…」

「まぁ頑張れよ。貸切とは言ったが私は行くぞ?楽しみにしてるぞ。」


この人絶対俺のこと嫌いだろ!


「先生聞きたいことがあります。」


「なんだ?」


「どうして俺はエリスのペアに選ばれたんでしょうか。」


「彼女は自分が何でも一人で出来ると過信している。だが所詮人間だ。いつか必ず誰かの支えが必要になって来る。君は孤独がいかに辛いか分かっていると確信しているからこそ君を彼女のペアに選んだ。そしてこの学院では通用しない。」


「どうしてそう思うんですか?」


「ふふ、それは君の事を昔から知っているからさ。」


「それはどう言うーーー」


「明日は楽しみにしているぞ!じゃあな。」


そう言ってイザエラは、去っていった。

その時の後ろ姿が、俺に初めて温もりを与えてくれたあの人に似ていた。


そんな事を思い出しつつレイは、宿泊先の宿に戻る。

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