表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

急変

眼科の手術って部分麻酔が多いみたいなんですよね。

何をされているのか、ぼんやりわかるのは、めっちゃこわいです……。

 急変


 今回は、前回から数年後の話を書いていく。

 当時の私は、大学院修士課程を終え、地元の学習塾に就職をしたが大きな荷物や重い荷物を持つと体がすぐにふらついてしまったり、階段を駆け上昇ることに恐怖を感じたりと地味なストレスを感じるようになっていた。

 そんな状況だったので、入社一年程で正社員からアルバイトスタッフに待遇を変えてもらっていた。

 私の病状を社長や幹部スタッフには、話て合ったので当初は辞めるつもりだったがアルバイトスタッフとして残ることをすすめられ、週に数回の出勤と短時間の就労時間にしてもらっていた

 元々、学習塾経営に興味があり、この職場に入社したので残ることをすすめられたのは、本当にありがたかった。

 正社員でなくなったことで自由に使える時間が増え、家でできることはないかと考えた結果、学生時代に貯めた貯金を元で二株式などのトレーダー活動も始めた。

 当初は、悪戦苦闘だったが小遣い程度の金銭を毎月入手できるようになり、それなりに充実した生活を送っていたと思う。

 あえて言うことでもないが株式や為替などのトレーダー活動は、大きなリスクがあるので興味がある方は、そのことをよく踏まえた上でチャレンジしてほしい。

 私の場合は、大きく儲けるつもりがあまりなかったことと、元々の相性が良かったのだろうと考えている。


 さて、この頃の病状は、少しずつ視界の欠落が進行しており、視力も以前より低下していることが自覚できる状況になっていた。

 こんな症状だったので、正社員として長い時間を労働に費やすよりも、視力があるうちに興味があることをやれるだけやってみようと言う気持ちにもなっていた。

 さらに付け足すなら、数年後には、視力を失っている可能性が高いだろうとも、漠然と考えるようにもなっていた。

 それでも、無難に日常を過ごすだけなら、大きな支障は出ていなかった。

 おそらく、眼球を細かく動かすことで、欠落した視界を補っていたのだと思う。


 そんな日常を送っている仲、定期健診の日、いつもとちがう医者の雰囲気を感じ、いくつかの検査をすることになった。

 幼い時から、お世話になっている医者なので雰囲気の違いは何となく分かる。

 それが良くない結果が出たと考えるのは自然なことだったのだろう。

 結果は、すぐに手術が必要なほどに眼圧が上がっており、っ長い間、主治医となっていた医者の弟子に当たる医者が務める病院へ行くことになった。

 ちなみに、この数年の間に点眼薬の変更は何度もしており、投薬治療で対処できる状況は既に過ぎていた。


 その日のうちに大きな病院へ訪れ、詳しい検査をした結果、やはり数日以内の手術が必要と診断されてしまった。

 それから、家に戻り家族と一緒に入院の準備をして、翌日に入院をした。


 翌日は、さらに詳しい検査や体の他の場所に悪い何かはないかなどの検査をして、その結果が出てから、入院三日目に手術が実施された。


 通常の緑内障手術と、この時に私へ実施された手術との違いを少し説明したいと思う。

 本来眼球には内部の水分を適切な分量に調整する機能があるらしい。

 通常の緑内障手術では、この調整機能の周囲にある薄皮を切り開き、水分の流れを良くすることになる。

 だが、私の場合は、この薄皮を切り開く手術は、産まれてすぐに施されており、それ以上開くことが出来ない状況になっていた。

 そこで、眼球の邪魔になりにくい部分を切り開き、穴を開けることになる。


 だが、よく考えてほしい。

 この穴は、人体からしたら切り傷であり、治癒しようとする働きが生まれる。

 ならば、切り傷が閉じないように工夫をしなければならない。

 そこで、考え出されたのが、眼球内に挿入するインプラントと呼ばれるチューブ状の小さな物体だった。

 この時の私が受けた手術は、このインプラントの挿入手術となる。

 ついでに、小学生の頃に受けた白内障のレンズも入れ替えてもらい、手術は無事に終了した。

 それから二週間ほどの眼圧が不安定な時期を病院で過ごし、退院することができた。


 だが、苦難はここからが本番だった。

 インプラントは、体にとって異物であり、やはり傷を治そうとする体の機能は、清浄に活動する。

 緑内障治療の点眼薬と合わせて、傷穴が閉じないようにする点眼薬が処方され、1回に8本の点眼薬を使うようになった。

 また、飲み薬もあったので、薬漬けの日々が始まった。

 さらに、眼球のマッサージを一日に数回するようにも指導され、生活が一変した。


 8本の点眼薬を数分おきに使用するとして、最低でも15分以上、点眼薬の効果を考えると30分以上の時間を毎日点眼に使うことになるのだ。

 もちろん、朝だけではなく、晩にも使うし、その間にもいくつかの点眼薬を使う。

 さらに一日数回のマッサージをすることになる。

 この生活スタイルに慣れるまで、点眼薬でおぼれそうになる夢を見る程に辛い日々だったことはよく覚えている。


 だが、この手術や投薬治療の効果は、約一年程で切れてしまうことになる。


 さて、少し、眼圧のことについて話しておこう。

 眼圧が上がる理由は、様々だが究極的な結論はよくわかっていないのが現状らしい。

 そんなことで大丈夫か、と思うかもしれないがそれが現代医学の現状なのだから仕方がない。

 だが、計測方法はあるし、その結果から異常があるかどうかを判断することはできる。

 また、最近ではレーザー技術の進歩で眼球内にある水分を眼球に注ぎ込む入り口の一部を焼くことで、眼圧の調整もできるようだ。

 眼圧が気になる方は、眼科に行けば、すぐに調べてくれるところが多いので、行ってみることをおすすめする。


 次回は、一年後のこの時の手術の効果がなくなり、どうにかしようと悪戦苦闘する日々の話を書こうと思う。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ