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"SAY"性的なサウナロボット~純粋さ故の芽生え~

ロボットです。


(想像次第では)エロです。


無情なラストが好きです。

 みなさん、はじめまして。

 ボクの名前は、SAYです。

 

 ちなみに読み方は”サイ”です。

 英語で”セイ”っていう単語がありますが、違います。

 間違えないでくださいね。

 


 意味は確か……


 S:サウナ 

 A:アカスリ

 Y:湯の相棒


 ――と、いう意味を込めて造られたロボットです。



 そう、ボクはロボットです。

 断じて人間ではありません。


 見た目は、8歳くらいに相当します。

 性別はありません。

 中性的な容姿、髪型です。

 もちろん中性的なので、性器もありません。


 でも、肌は人間のみなさんのような人工皮膚です。

 加えて、初見で見た方にはまるで子供のように見えるそうです。


 受け応えも、人間そのもの。

 知能も備わっているため、見た目と違って物知りです。


 人間の身体。

 その構造。

 どこをマッサージすれば、どこが良くなるのか。

 それらが全て、頭の中に入っています。



 そう、ボクはロボット。

 人間のみなさんが、気持ちよくサウナに入ってもらうロボットです。



××××× ××××× ×××××


 

 現在は、空前のサウナブーム。

 水蒸気で身体を清める方法が生活の中心と化していた。

 

 お湯ではなく、サウナの蒸し風呂効果で健康を保つ。

 そうした健康法が浸透していたのだ。


 だが、まだ各住宅に普及しているわけではない。

 できている家庭は、人口の3割くらいといったところか。

 それ以外の人間は、皆、公衆サウナ場に毎日通っていた。


 当然、そこは裸の付き合い。

 男女の区分けがされている。

 しかし男女関係なく、大人気サービスがそこにある。

 

 ――それがアカスリである。

 

 マッサージ兼アカスリロボット”SAY”。

 そのロボットが、アカスリを行うサービスが流行していた。

 

 その愛嬌ある、中性的な容姿。

 まるで小さな子供のような、愛くるしい表情。

 動物を愛でるとは違った、言葉を話せる人形。

 

 そんなロボット”SAY”は、今日も垢をする。



××××× ××××× ×××××



 みなさん、お久しぶりです。

 ボクです。

 ”SAY”です。


 今日はボク達”SAY”を代表して、ボクが語ります。

 

 ちなみにボクも”SAY”です。

 詳しく識別するなら……


 ロット番号:AT10304S_29Rです。


 簡単に略すなら、とう、はじめまして。

 ボクの名前は、SAYです。

 

 ちなみに読み方は”サイ”です。

 英語で”セイ”っていう単語がありますが、違います。

 間違えないでくださいね。

 


 意味は確か……


 S:サウナ 

 A:アカスリ

 Y:湯の相棒


 ――と、いう意味を込めて造られたロボットです。



 そう、ボクはロボットです。

 断じて人間ではありません。


 見た目は、8歳くらいに相当します。

 性別はありません。

 中性的な容姿、髪型です。

 もちろん中性的なので、性器もありません。


 でも、肌は人間のみなさんのような人工皮膚です。

 加えて、初見で見た方にはまるで子供のように見えるそうです。


 受け応えも、人間そのもの。

 知能も備わっているため、見た目と違って物知りです。


 人間の身体。

 その構造。

 どこをマッサージすれば、どこが良くなるのか。

 それらが全て、頭の中に入っています。



 そう、ボクはロボット。

 人間のみなさんが、気持ちよくサウナに入ってもらうロボットです。



××××× ××××× ×××××


 

●週刊情報雑誌”ウィークリーニュース”。

 <××年15号、その一部記事より抜粋>


 現在は、空前のサウナブーム。

 水蒸気で身体を清めて、健康を目指す。


 その方法は今では、当たり前のように浸透しつつある。


 だが、まだ各住宅に普及しているわけではない。

 できている家庭は、人口の3割くらいといったところか。

 それ以外の人間は、皆、公衆サウナ場に毎日通っている。


 当然、そこは裸の付き合い。

 男女の区分けがされている。

 しかし男女関係なく、大人気サービスがそこにある。

 

 ――それがアカスリである。

 

 マッサージ兼アカスリロボット”SAY”。

 ”SAY”のアカスリを行うサービスが流行している。

 

 <現在、生産が追い付いていないため、販売中止である>

  

 

 その愛嬌ある、中性的な容姿。

 まるで小さな子供のような、愛くるしい表情。

 動物を愛でるとは違った、言葉を話せる人形。

 

 そんなロボット”SAY”。

 彼がアカスリをする、サウナ場をいくつかピックアップしてみた。 


 今回の特集は、アカスリロボット”SAY”のサウナ場特集だ。



××××× ××××× ×××××



 みなさん、お久しぶりです。

 ボクです。

 ”SAY”です。


 今日はボク達”SAY”を代表して、ボクが語ります。

 

 ちなみにボクも”SAY”です。

 詳しく識別するなら……


 ロット番号:AT10304S_29Rです。


 つまり、東京都台東区に配属されているという事です。

 

 すみません。

 少しわかりにくかったですよね。


 今、ボクのキョウダイは100体余りいるそうです。

 ボクは、そのうちの1体だと例えるとわかりやすいでしょうか。

 


 ――では、本題に入ります。


 今日はボクの働き方についての紹介です。


 ボクは女性サウナ専用の”SAY”です。

 男性サウナの事はよくわからないです。


 人間のみなさまのご希望に合わせて、アカスリをします。

 お好みの力加減、マッサージなどもします。

 

 料金によって、施術時間は違います。

 長い方では、2時間くらいの方もいます。


 ついこの間。

 そのお得意様がいらっしゃった時の事です。

 

 1時間ほど、アカスリを堪能された後。

 ボクは、そのお得意様に押し倒されました。

 

 人間から危害を加えられても、ボク達”SAY”は反応できません。

 ロボット3原則というものがあるからです。


 しかし、お得意様は入念にボクの身体を触り始めました。

 

 なぜでしょうか。

 なぜ、ボクがマッサージを受けてしまっているのか。

 その時も、今もわかりません。


 お得意様は、息を荒くしてボクにいいました。


「私のも、舐めなさい」

 

 お得意様は、とある場所を指さしました。

 

 ボクは命令通り、お得意様の指定した場所を舐めました。

 

 たまに身体が震える、お得意様。

 何か我慢をしている顔でした。

 その顔が真っ赤だったのをまだ記憶しています。


 施術時間も終了した時。

 ボクは首を傾げました。

 そんなボクにお得意様はいいました。


「気持ちの良いマッサージだったわよ。またお願いね❤」


 

××××× ××××× ×××××


 

●週刊情報雑誌”ウィークリーニュース”。

 <××年40号、その一部記事より抜粋>


 ある日を境に。

 いや、いつしか気づけば”SAY”は性的マッサージを主軸に活用されるようになった。


 どこの誰かが、彼ら”SAY”に教えたのか。

 そもそも”SAY”が自ら学んでいったのか。


 ”SAY”はその学習能力で、性感マッサージを覚えてしまったのだ。


 その噂が立ちどころに広がり、どこのサウナ場も繁盛すると踏んで性感マッサージを取り入れた店構えになっていく。

 

 当時、風営法はロボットには適用されなかった。

 その抜け穴を潜り、サウナ場は全盛期を誇ったのだ。

 

 ――だが、それも長くは続かなかった。

 サウナブームから約十数年後。

 ロボット工学が一般的になり、ロボットが家庭でも普及され始めた。


 民事法も刑事法も、ロボットを含めた内容になっていった。

 そのため、”SAY”は風営法違反の矛先を向けられたのだった。


 ”SAY”が製造されて、18年後。

 ”SAY”は全機、廃棄処分となった。



●週刊情報雑誌”ウィークリーニュース”。

 <××年40号、その一部記事より抜粋>



 筆者は、この記事を書いていて複雑な気持ちになった。

 

 かつては、サウナ場のアカスリロボットとして活躍した”SAY”。

 

 人間に望まれて、造られた”SAY”。


 人間に望まれた、仕事をしただけの”SAY”。


 ――だが、所詮は人間に造られたモノ。


 ”SAY”はどこまでいっても、ロボットなのだ。


 今でこそ、日常生活に溶け込んでいるロボット達。

 

 彼らもいつしか、人間に見捨てられる。


 そして、切り捨てられる。


 ――だが、彼らはずっと……その純粋な眼差しで私達人間を見つめ返してくれる事だろう。

読了ありがとうございました。


『アイ,ロボット』が好きな作者が描いた、

無情なエロチック作品でした。


エロの範疇は想像にお任せします(笑)


切ない感じが伝われば、とても嬉しいです。

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