スペースシャトル
何気ない日常の中でよくある噛み合わない会話。
でも、その互いの食い違いが判明するとスッキリする爽快感を描いてみました。
ランチタイムに定食屋で会話をしているOL2人。
A子「あー、お腹ペコペコ。すいませーん、日替わりランチお願いします!」
B美「私も同じもので〜。」
A子「そうそう、この前スペースシャトル飛んだね!」
B美「見た見た〜、ニュース見た♪ 迫力あったね。」
A子「やっぱアメリカすっごいわ!さすがナサだね。」
小声で、
B美「…。A子、ナサじゃなくて、ウサだよ。笑」
A子「はっ!?」
B美「だぁ〜かぁ〜ら、ウサだよスペースシャトルは。」
A子「ちょっとB美、恥ずかしいからやめてよウサなんて…。普通にナサでしょ。」
周りの客の視線を気にしてキョロキョロする。
B美「ふふふっ、スペースシャトル見たことないの?私、高卒だけどニュース見て勉強しているんだから♪」
A子「えっーー!でも、聞いたことないよウサなんて。ナサはアメリカ航空宇宙局の略だよ。」
B美「A子、短大卒なのに…。大きい声でナサなんて言わないでよ、みんな見てるよ。笑」
A子「B美こそ、ウサなんてやめてよ。ウサギじゃないんだから。」
店員さんがランチを運んでくる。
A子「すごーい、美味しそう!あっ、店員さん、ナサって知ってます?ナサってありますよね?ですよねー、ありますよね!」
B美「ちょっとちょっと、店員さん、ウサって知ってます?ウサギ!?いやいや、スペースシャトルですよ、アメリカの!」
A子「ごめんなさい、お忙しいところ引き止めて。ほらB美、ウサなんて知らないって。」
B美「はぁ?高卒だからってバカにしないでよね。」
A子「してないし。もういいよ、食べよ。」
半泣きで、
B美「あるもん、ウサ!絶対あるもん!ニュースで見たんだから!」
A子「そっか、そうだよね。B美がウソつくわけないもんね。ごめんね。」
B美「……ううっ。」
A子「ちょっと泣かないでよ…。あー、んー、私の言ってるナサって、NASAって書いてナサなんだよ。」
B美「そんなの知らないよ。私のウサはUSAって書いてウサなんだから。」
A子「B美、それウサじゃない…。」
フェードアウトして終わり。
会話の食い違いは、突き詰めぬまま会話を終えてしまうケースが多々あります。
スッキリしない会話は、キチンと突き詰めて何が食い違っているかを判明させれば、笑いに変わるのではないでしょうか?笑