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魔女と王都と金色の猫  作者: 鈴宮(すずみや)
王都に戻った魔女、幸せの意味を知る
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Happily ever after

「姫様!姫様、何処にいらっしゃいますか~~~~?」


 白く美しいサンソレイユの城内に、今日もお馴染みのセリフが木霊する。

 すると、金髪に紫色の瞳がトレードマークの少女が、大きな柱の陰からひょこりと顔を出した。その瞳は遠くの方を見つめながら、何やら楽し気に細められている。


「ふ~~~~~ん」


 そんな少女を不敵な笑みを浮かべながら眺めている人物が一人。黒髪に金色の猫目が特徴的な、端正な顔立ちの男性だ。


「レジーナ、今日も楽しそうだね」

「あら、トネールおじ様!いらしてたの」


 レジーナと呼ばれた少女は、満面の笑みを浮かべながら、淑女の礼をしてみせる。トネールはクスクス笑いながら、レジーナの手の甲にそっと口付けを落とした。


「お父さんとお母さんの言ってたお客様って、トネールおじ様のことだったのね!」


 レジーナはそう言ってニコリと笑う。

 男性の本当の名前は『トネール』でもなければ、未だ『おじ様』と呼ばれるような年齢でもない。おまけに彼の身分を考えれば、とんでもない仇名である。

 けれど、物心ついた頃からこう呼んでいるので、今さら変えられないし、他でもないトネール自身もこの呼び名を気に入っていた。


「そうだよ。しばらく二人に会ってなかったからね。ゆっくり話す機会が欲しいってお願いしたんだ」

「ゆっくり話す機会って……おじ様、お仕事できたのよね?」

「うん、ちゃんと仕事もするよ?ついでだけどね」


 そう言ってトネールは茶目っ気たっぷりに笑う。


「それにしても、レジーナ。またクリスを走らせてるの?」

「うん、まぁね。だって、クリスったら未だに私を子ども扱いするのよ?自分のスケジュール管理ぐらいもう自分でできる。登城も一人でするって何度も言ってるのに」

「でもさ、返事位はしてあげたら?」


 レジーナを優しく撫でてやりながら、トネールが尋ねる。けれどレジーナは唇を鋭く尖らせながら、首を傾げた。


「だって私はもう、『姫様』じゃないもの」


 だから返事なんてしてやらないの。そう言いながら、レジーナは笑った。


「じゃぁおじ様!またね!」

「うん、またね!」


 レジーナは大きく手を振りながら、あっという間にどこかへ駆けていく。トネールはそんな様子を微笑みながら見送った。





 城で一番大きな執務室で、隣国からの客人が寛いだ様子で座っている。本来ならば国賓として扱われても良い程の人物だ。


「こんなこと、ルナリザーの王にバレたら大変だな」


 そう口にしたのはルカだった。

 十数年の時を経ても、その凛とした美しさは衰えず、寧ろ凄みを増している。世の女性を魅了して止まない、罪作りな男だ。


「平気平気。俺の部下はみんな口が堅いからさ」


 躊躇うことなく紅茶を口にしながら、トネールはニコニコと笑う。

 国へ帰った後のトネールは、以前よりも王子として精力的に政務を行うようになった。彼のあまりの変わりように、行方不明だった2年間の間に何があったのか、ルナリザーの国民の中では様々な噂が飛び交ったらしい。

 けれど、王位は彼の兄であるジェゾが継いだ。トネールが不在の間に、王位を継ぐものとしての自覚と覚悟が目覚めたらしい。トネールは「これで肩の荷が降りた」と喜んでいた。


「俺達のおかげで国の友好関係が保たれてるんだからさ!良いんだよ、これで」


 今やトネールは、ルナリザーの外交を一手に担う王の片腕だ。彼の望む自由が得られるうえ、その社交性が生かせる良い采配だとルカは思う。


「そうは言ってもトネール、私とルカがいつまでこの部屋の主でいられるかは分からないのですよ?」


 そう問いかけたのはミシェルだ。

 昔よりも少しだけ大人っぽいドレスを身に着けるようになったものの、見た目はちっとも変わっていない。実年齢は30代であることが嘘のようだ。


「そんなこと言ってるけどさ、まだまだ二人に代わる指導者は現れないって。サンソレイユにはルカとミシェルが必要なんだよ」


 トネールはそう言って二人を指さす。ミシェルとルカは顔を見合わせながら、困ったように笑った。


 二人が結婚してすぐ、王位はルカへと譲渡された。

 国王ヘリオスは引退し、人知れず国境の近くにある別宮へと移っていった。ちょうど、ルナリザーとの国境付近にある、のどかな場所だ。

 そこには今、ヘリオスと、それからもう一人――――紅毛の魔女が幸せに暮らしている。笑いの絶えない別宮は、ミシェルやルカ、それから彼等の娘であるレジーナのお気に入りの場所だ。

 彼の後継者であるルカは、素晴らしい国王として国内外に名を馳せ、国民達から慕われた。

 王子の時代から進めていた数多くの施策を形に。人々の暮らしを豊かに、より幸せなものになるよう尽力したルカの御代は、後世へ語り継がれるものになる。誰もがそう噂する。

 けれど、それから14年。王政は終焉を迎えた。

 ミシェルとルカは王冠を返納し、ただの『人』へ。この国の人々は貴族を含め、身分の差なく皆平等となった。

 王家がなくなることに反発がなかったわけではない。貴族たちからも当然、強い反発を受けた。

 だから、そういった不満を軽減するため、ある程度の特権を残したり、補償金を出したりといった対応は当面の間必要で。本当の意味での平等はまだ実現できていない。

 何度止めても、必要以上にルカ達を崇めるもの、特権を与えようとするものも後を断たないのが現状だ。


「でもさ、王政じゃなくなったっていっても、国のトップは今もルカが務めてるわけじゃん?何がそんなに不満なんだろうね。しかもさ、これからは自分たちで国のトップを選べるんでしょ?何なら自分でトップを目指せちゃうわけでしょ?これってすごいことだよね」


 王に代わる国の最初の指導者として、ルカは国民の中から選出された。これこそがルカの真の望みだった。

 生まれながら王になるのと、自ら望み、真に人々から認められて指導者になるのとでは、意味が大きく異なるからだ。


「国民の中には王家を神のように思っていたものもいただろうし、指導者が簡単に変わりうることで、国が不安定になることを恐れるものもいる。それに、これまでは皆、『王の下に仕える』という意識で生きてきたんだ。いきなり指導者を目指せと言っても難しいことは私にも分かっている。こればかりは、皆の意識をゆっくり変えていくしかない」


 ルカはため息を吐きながら、そっと窓の外を眺める。

 今年も若い政務官や騎士のたまごたちが多数、採用された。夢と希望を胸に城を駆け回るその中には、アランとアリソンの息子や、自身の娘であるレジーナも混ざっている。


「大丈夫ですよ。ルカの想いはきっと、あの子たちに届きますから」

「うん……。ありがとう、ミシェル」


 まるで二人きりの世界かの如く、ミシェルとルカがうっとりと見つめ合う。トネールは相変わらずだなぁと笑った。


「そういえば、さっきレジーナに会ったんだけど、随分気の強い娘に育ったよねぇ。出会った頃のルカにそっくり」

「……!?そうでもないと思うが」


 ルカは少しだけ唇を尖らせながら恥ずかしそうに頬を染める。まんざらでもない様子の夫をクスクス笑いつつ、ミシェルはルカに寄り添った。


「生まれたばっかの頃はさ、ミシェルの穏やかさとか可憐な感じをもう少し受け継ぐものだと思ってたんだけどね~~。まぁ、クリスの気を引くために、あちこち隠れてまわってる辺りは、すごく可愛らしいけど」

「…………はぁ!?」


 その瞬間、ルカは無意識のうちに勢いよく立ち上がっていた。


「レジーナがクリスを……?」

「うん。随分前から『特別な意味で』好きだったみたいだよ。ね、ミシェル?」

「えっ……えぇ、まぁ」


 愕然とした様子のルカに、ミシェルは苦笑いを浮かべる。


「ルカったら、やっぱり気づいていなかったのですね」


 普段は堂々とした指導者だというのに、今はまるで魂が抜けたかのよう。ミシェルはルカの手を握ると、そっと撫でてやった。


「あいつは……クリスはレジーナが生まれたときから護衛に就いてたんだぞ?小さい頃からクリスがずっと『ミシェル、ミシェル』と慕って回る様子を見ていたはずだ。おまけにクリスの年齢はレジーナの一回り以上も上で。それは本当に恋愛感情から来るものなのか?クリス――――クリスはレジーナのことをどう思っているんだ?大体まだ早すぎるだろう?」


 ルカの脳裏に、小さくて可愛かった娘の姿が走馬灯のように駆け巡る。妻そっくりの美しい瞳に太陽のような笑顔。その溌溂とした性格も含め、誰もが魅了されて止まない、自慢の娘だったというのに。


「ルカ。あの子も――――レジーナももう14歳です。私がルカと出会った時の年齢なんですよ?」


 まるで幼子に言い聞かせをするかのように、ミシェルはそっと首を傾げた。


「……そうか。もうそんなに経つのか」

「はい!」


 感慨深げに目を丸くするルカに、ミシェルはニコリと笑いかける。


「もしもあの時、『まだ早いから』と誰かに止められていたら。その想いを誰かに否定されていたら……ルカと私は今、こうして一緒にはいなかったかもしれません」

「いや、それはない。絶対にない。何があっても、何年かかっても、私は絶対にミシェルを諦めなかった。断言できるよ」


 ミシェルを押し倒さんばかりの勢いのルカに、トネールが咳ばらいを一つ。


(相変わらず絶妙に邪魔してくる奴だな)


 ルカは悪びれる様子もないままに小さくため息を吐くと、名残惜し気にミシェルの頬を撫でた。


「つまりさ、ミシェルが言いたいのは、今はレジーナのやりたいこと――――想いを見守ってあげた方が良いってこと。俺たちもそうやって大人になって来たんだからさ」

「~~~~っ!~~~~~~~~~~~~っ」


 ルカは口をへの字に曲げ、しばらく声にならぬ苦悶の声を上げていたが、ややして諦めたように「そうだな」と小さく呟く。ミシェルは嬉しそうに微笑みながら、ルカに寄り添った。


「でもさ、クリスに限らずレジーナが誰かと結婚するとするでしょ?そしたらさ、王家の名は途絶えちゃう可能性もあるんだよね。特に相手の家柄が良いと」


 トネールはそう言って前に身を乗り出す。


「まぁ、そうだな……。婿入りが難しければその可能性も――――」


 さすがのルカも、王政に未練はなくとも、何百年も続いた王家の家系を途絶えさせることは躊躇われる。

 けれど、名を存続させたいのは、相手の家系も同じだろう。『家』にこだわるあまり破談になっては、王家をなくした意味がない。ルカが王政廃止にこだわったのはひとえに、これ以上王家というしがらみに囚われて、愛する人を失ったり、己の器に悩む人間を出したくなかったからなのだ。


「あの……そのことなんですけど」


 ルカの隣で、薄っすらと頬を染めたミシェルが小さく手を上げる。可愛らしい妻の仕草に、ルカは首を傾げた。


「どうしたの?ミシェル」


 反対側のソファに腰掛けたトネールが何やらニヤニヤと笑っている。ルカはそれに気づかぬふりをしながら、ミシェルに優しく問いかけた。


「多分ですけど……心配いりません。もう一人、ここにいるみたいなので」


 そう言ってミシェルが指さしたのは、彼女の身体の中心だった。


「えっ!?」


 ルカは目を見開き、ミシェルをまじまじと見つめる。幸せそうに微笑むその表情は、あまりにも温かくて美しい。ルカは胸がいっぱいになった。


「本当に?」

「はい。昨日お母さんにも診てもらったので、多分間違いないかと」


 恐る恐るミシェルのお腹に手を当てながら、ルカは唇を震わせた。


「マリアさんが診て分かったってことは、今回も女の子ってこと?」

「いえ。今回はレジーナの時に見えた魔力が見えないんです。お母さんも同じだって。だからきっと、男の子だろうと」


 魔女であるミシェルやマリアには、命の芽吹く音が聴こえるらしい。そして、その胎に魔力が宿っているか否かで性別を見分けることが出来るのだという。


「男の子かぁ!楽しみだねえ!」

「……ところで、何故おまえは驚かないんだ?」


 唐突にルカが疑問を口にする。怪訝な表情、瞳は真っすぐにトネールを見つめていた。


「いやぁ……それがさ、2年近くもミシェルの側にいたからかな?なんとなく分かるんだよね、気配とか魔力とかさ」


 トネールはそう言ってニコリと笑う。


「ちょっと待て。その理論が正しいなら、私が何も感じ取れないのはおかしいだろ?」


 ムスッと唇を尖らせながらルカは身を乗り出した。

 トネールがミシェルの側にいたのはたった2年足らず。対するルカは、もう15年以上も人生を共にしているのだ。ここは譲るわけにはいかない場面である。


「だってミシェルと俺は相棒だもん」


 花嫁介添人だって務めたしね、と言って笑うトネールに、ルカは眉間に皺を寄せた。


「ブライズメイドはディーナとアリソンが務めただろう!?」

「表向きはね!実際はミシェルのドレスと俺の礼装お揃いにしてたし」



 隣国の代表として式に参列したトネールは、さりげなくミシェルとモチーフを同にした礼服を身に着けていた。


(それにしても)


 あの日のミシェルは神がかって美しかった。そんな風に思い出すと、ルカの意識がトネールから逸れていく。

 けれどトネールは追い打ちを掛けるかの如く身を乗り出した。


「夫と相棒は違うんだって!愛とは別のさ、魂の結びつきってやつ?絆が存在していて…………って、やばっ」


 引き際を間違えた、とトネールは急いで口を噤む。憤怒の形相のルカに焦りながら、トネールは立ち上がった。


「今日の所はそろそろ退散するよ。ディーナにも挨拶したいし」

「だったら今頃は大講堂ですよ。今年の新採研修はディーナが責任者ですから」


 ミシェルがそう言うと、トネールは嬉しそうに微笑んだ。


「おっ、さすがディーナだね!それじゃ二人とも、堅苦しい外交の話はまた日を改めてってことで。じゃぁね!」

「はい!よろしくお願いします」


 意気揚々と部屋を後にするトネールを、ミシェルとルカが見送る。笑顔のミシェルに対し、ルカの表情は何だか浮かなかった。


「ミシェル、あいつとディーナは仲が良いのか?」


 ルカの問いかけに、ミシェルはキョトンと目を丸くする。それから小さく笑いながら、そっとルカに身を預けた。


「はい。ディーナはルナリザーに留学の経験もありますし、その時からずっとトネールと仲良しのままですよ?」


 ディーナを若手人材の育成を目的とした留学へ送り出したのは他でもない、ルカだ。けれど、王に即位してからというもの、職位の低いディーナと直接話す機会は減ってしまった。このため、彼女の話はミシェルから聞くことが多い。その殆どがディーナの誠実な仕事ぶりについてだったのだが。


「……優秀な政務官をルナリザーにやりたくはないなぁ」


 思わずポツリと、ルカが本音を漏らす。


「その辺は大丈夫ですよ、きっと。ディーナは国を愛してくれていますし」


 ミシェルはそう言って笑うものの、その表情は複雑だ。


「それにしても――――――もっと早くに教えてくれたら良かったのに」


 ルカはミシェルをソファに座らせながら、まだ膨らんでいないミシェルのお腹へ手を伸ばした。咎めるような口調だが、その表情は慈愛に満ちている。


「ぬか喜びさせたくなかったのですよ」


 困ったように笑いながら、ミシェルは目を細めた。

 レジーナを身籠った時、ルカはビックリするほど喜んでくれた。その後も毎日、未だ見ぬ我が子へ話し掛けながら、本当に幸せそうに笑っていたのをミシェルは覚えている。だから、確信が持てるまでは打ち明けずにいたのだ。


「そうか。……嬉しいよ、すごく。本当に嬉しい」


 やはりというか何と言うか、最初の数年間、世間のミシェルに対する意見は辛口だった。

 元々平民出身な上、レジーナを産んで以降、子を身籠る気配がない。

 今は王政を廃止したから良いものの、当時はそんな段ではなかった。だから、当然のように皆から跡取りを求められる。サンソレイユの法では、女性が王に立てないわけではなかったが、過去に即位の例がなかったため、レジーナだけでは不十分とされたのだ。

 自分の娘を妃にするためにと、貴族達が列をなしてルカの元を訪れた。しつこいものは十回以上もルカへ説得を試みたという。

 けれど、彼は頑として首を縦に振らなかった。そして、その分だけミシェルを大事にし、まるで二人の仲の良さを貴族たちに見せつけるかの如く、国中を回る。

 そうしてしばらく経った頃、ミシェルのことを悪く言うものは誰もいなくなっていた。


 ミシェルは人々の話しに耳を傾け、時に魔法を、時に人を遣って、たくさんの人々を助けた。もちろん、全ての問題をすぐに解決できたわけではない。それでも、真摯に自分たちと向き合ってくれるミシェルを、国民は愛した。

 ミシェルを悪く言えば自分たちが憂き目にあう。だから、貴族たちも次第にミシェルをただ一人の王妃として認めるようになっていった。


「もっと早くに授かっていたら……いや、もっと私に力があったら、ミシェルにあんな苦労をさせなかっただろうに」

「苦労だなんて……そんなことはありません!全部私が望んだことです」


 ミシェルはそう言ってルカを見上げた。


「それともルカは苦しかったですか?」


 そう言って笑う力強い瞳は、出会った時からちっとも変わっていない。


「いいや、ちっとも」


 ルカは満面の笑みを浮かべながら、ミシェルを力強く抱きしめた。


(本当にミシェルには一生、敵いそうもないなぁ)


 ミシェルと出会って以降、いろんなことがあった。人から見れば大変なこともあったように思うが、そんなことが気にならないほどに楽しい日々だった。

 毎日今が一番だと。これ以上気持ちが強くなることはないだろうと思うのに、ミシェルはいとも簡単にルカの予想を超えてしまう。愛しくて堪らなくなる。そんな日々を幸せと呼ばずになんと呼ぼう。


「ルカ……幸せですね」


 それは、二人が互いを分かち合っているからこその言葉。痛みも苦しみも、喜びも全部全部分け合ってここまで来た。二人で培ってきた時間の全てが大切で愛おしい。


(出会った時からもう、私は魔法に掛けられていたんだ)


 彼の唯一にして最愛の魔女。ルカを幸せにできるのはミシェルだけだ。

 ミシェルの頬に、額に、唇に口づけながら、ルカは微笑む。ミシェルは頬を紅く染めながら、嬉しそうに笑った。ミシェルに幸せの魔法を掛けられるのもまた、ルカだけなのである。


「愛してるよ」


 最上の呪文を唇に乗せ、ミシェルとルカが微笑み合う。

 それから。

 二人の魔法は永遠に解けることなく、たくさんの人々を幸せへと導きましたとさ。

本作はこれにて完結となります。

活動報告にて、これとは別にあとがきをUPしておりますので、気が向かれた方はそちらも覗いてやってください。(書ききれなかった裏設定とかツラツラと綴っています)

最後に、ここまでお付き合いいただいた読者の皆様!本当に本当に、ありがとうございましたm(__)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] スケールの大きなお話で、細かなエピソードが少しも無駄になっていないことが素晴らしいと思います [一言] 「なろう」で面白い短編を探していてはまり、 次に長くない話をと「クララ」を読み、この…
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