最悪な転生
「リーフ、貴方はこの学園に通う事になるのよ。」
そう言って母に見学のために連れてこられた学園の前で私は全てを悟った。
…悪い夢なら、覚めて欲しい。
そこに広がる景色は私が生前、いや前世でしていたゲームと全く同じ世界であった。
「…夢の中の君は私だったのね」
いつも私の夢の中に現れる人が居た。
その人は、どこか懐かしくて、どこか聞き覚えのある声をしていた。そして、決まって私に『気付いて』と一言残し消えていく。
…あれは、前世の私なりの忠告だった。
このゲームは私が生前最後にしていた乙女ゲームで、はっきり言ってクソゲーだった。いや、というか個人的にこのゲームがすごく嫌いだった。
私がこのゲームをこんなにも嫌っている理由は大きく分けて二つある。
一つ目は、取り入って頭が良い訳でなく、ドジで問題ばかりを持ってくるただ可愛いだけのポンコツヒロイン。
二つ目は、そんな馬鹿な女に振り回され、甘やかしている攻略対象キャラ共。
見てるだけで腹立たしい。
そして、今私が頭を悩ませて居ることはそんな可愛いだけの無能なヒロインに私が生まれ変わってしまったことだ。
ああ、なんて言う屈辱。
私だって乙女ゲームの世界に入りたいとか思った時もある。しかし、嫌いなゲームの嫌いなキャラになるのだけは勘弁して欲しい。
「…せめて、ロザーナに生まれ変わってたら」
ロザーナ、それは私がこのゲームで唯一愛したキャラであり、今の私、リーフの恋敵であった。